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目の前が真っ暗という体験とはこういうことを言うのですね。 「ナッちゃん東京編」コミックス3巻の作業をやっていました。 コミックスの作業とは、通常以下のものです。 1)本文(ホンモン)の直し 2)表紙カバー見返し著者コメント20文字×8行の文章作成 3)「あとがき」など、付録文章の作成 4)カバーカラーイラストの作画&レイアウト 5)総扉イラストの作画 6)その他、装丁に必要な画像の用意(背表紙用素材画像や著者近影画像) 本誌連載中などは、この作業がとても面倒くさく大変だったのを思い出します。 とくに「あとがき」のようなものは本来なくてもいいのですが 一度始めてしまうと、読者の方も期待されているので 書かないというわけにはいかなくなってきます。 また、カバーイラストがこれまた面倒くさい。 こういう絵を描くのは結構大変なのです。 1日仕事です。 もともとボクは一点モノのイラストは苦手なんですよね… ポーズに意味がない絵は悩んでしまうのです。 で、コミックスの作業で大事なのは(1)の「本文の直し」です。 「本文」と書いて「ホンモン」と発音します。中身のことです。 掲載時に気付いた間違い・描き忘れ・トーンの貼り間違い&張り忘れ・ 写植ミス・時間がなくて手を抜いたところ…などを このときに描き足したり、直したりします。 昨夜この直し作業をしていました。 じっくり読み返すと結構ミスの箇所があるもんです。 で、ゲンゴロウロボットの回の原稿を、昨夜直してしました。 ロボットの部品を並べた絵があったと思うのですが よく見るとマシニングで削り出したハズの肝心の部品が描いていない。 笠歯車の笠の向きも逆だ。 それを新たに「別の用紙に」描いていたのです。 この「別の用紙」というところが大事です。 まぁただのコピー用紙なんですが。 別の用紙に描いてコピーして縮小して原稿のほうに切り貼りするのです。 で、テンプレートなんか使ってシャーペンで下描きし、 さぁこれからペン入れだ…というとき悲劇は起こりました。 まだ開封して間もないパイロットの製図用インクのビンを 机の上にひっくり返してしまったのです! 下描きが終わりペン入れを待っていた原稿の上を 大量の漆黒のインクが滝のように流れます。 その漆黒のインクは机の上を真っ黒にしたかと思うと そのまま床の上にドボドボドボ… 着ていた紫色の長袖Tシャツと、はいていたジーパンの上にも 漆黒のインクは容赦なくドボドボドボ…… 目の前が真っ暗になりました。 (インクだけに) しばらくは呆然として、何をしたらいいのかわからなくなります。 そうだ!まず服を水で洗わないと! 製図用インクは水溶性ではありますが、服についた汚れなどは 一度乾くと二度と落ちません。 そういえばいつも黒のシャツを着ていたのに この日に限って紫色の長袖Tシャツを着ているなんて なんというマーフィーの法則だ! すぐ洗面所に走り、シャツとジーパンを脱いで お湯と洗剤で水洗いします。 シンクは流しても流しても真っ黒です。 まるで殺人を犯して返り血を浴びた犯人が 必死で血を洗い流している心境のよう……ちょっと違うか。 まぁとにかく大変な作業でした。 シャツとジーパンを洗濯機に放り込んだあと ベトベトになった床掃除です。 大量のトイレットペーパーでインクを吸わせた後 雑巾でキレイに拭いて事なきを得ましたが その雑巾は洗っても洗っても黒い汁がいつまでも滴り落ちてくるので 結局雑巾2枚は捨てました。 描きかけの原稿はもちろん真っ黒で使い物になりません。 描き直しです。 いやぁ〜描き足し部分を「別の用紙」に描いておいてよかったとつくづく思いました。 本文のマンガの原稿のほうは、1段高いところに置いていたので 全く被害はありませんでした。 もし本文のほうが真っ黒になっていたら…と思うと背筋が凍りつきます! しかしもう20年以上も漫画家やってるのに、なにやってんだか…
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