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今思い出したちょっとムカムカする話。
ナッちゃんが掲載され始めた頃ですから、今からもう10年以上前の話です。
そのときボクは半蔵門線のホームで電車を待っていました。 知り合いのある女性漫画家さんのアシスタントを頼まれて、武蔵境に泊り込みで行ったときの帰りです。 その漫画家さんは、大体いつも締切ギリギリ落ちるか落ちないかの作家さんで
キャラを描くのに必死でした。 だからボクがすべての背景や効果線などを一人で描いていたのです。 ボクは背景…とくにパース(遠近図法)のある背景を要領よくすばやく描くために
何種類もの自作のパース定規を使っています。 これがあると格段にパースをとるスピードが上がるという秘密兵器です。 その秘密兵器を使うにはトレス台(内側に蛍光灯を仕込んだライトテーブル)が必要です。
しかしその作家さんの仕事場にはそれがないので、 アシスタントの度に、自宅からそれを大きなビックカメラの手提げ紙袋に入れて持って行ってました。 で、その日のアシスタントの帰りも、その紙袋を足元に置いて電車を待っていたのです。
そのとき黄色い線のすぐ近く、つまり先頭に立って待っていたのです。 すると向こうから、黒ブチ眼鏡のベレー帽のオシャレを気取った風のお姉さんが ツカツカと歩いてきました。 すでに電車到着待ちのお客さんでホームにはけっこう行列が出来ています。 だから、まだ空いているであろうホームの先のほうへ行こうとしたのでしょう。 先頭に立っているボクの前を颯爽と横切ります。 そのとき彼女は、ボクの足元に置いていた紙袋に入ったトレス台に
足を思いっきりゴツンとぶつけました。 いや蹴り飛ばしたと言っていいかもしれません。 足元をよく見てなかったのでしょう。
それは仕方のないことです。 人間だもの、そういうことはままあります。 ここでボクは彼女からボクに発せられるであろう「あ、すみません」という言葉を
無意識に待っていたようです。 それは普通の日本人ならそれこそ無意識に出る言葉であろうからです。 しかし彼女の口から出た言葉は予想を裏切るものでした。
「チッ!」
まさにハッキリ聞きました。
こんなにハッキリと舌打ちを聞いたのは初めてです。 ムカムカと怒りがこみ上げてきたのは言うまでもありません。 オンドレ人の荷物を蹴り飛ばしといて「チッ!」とは何やねん! …と叫びましたよ、ええ、もちろん心の中で…ね。
もちろんボクは本来おだやかな性格で、決して声を荒げたりするような男ではないので
実際にそんなことを口に出したりするようなことはしません。 しかし腹の中ではムカムカムカムカ…ですわ。
これが東京に出てきてすぐのころなら
「東京はなんて冷たいんや!」なんて思ったことでしょう。 しかし今でもたまに思い出してムカムカするぐらいですから、ボクも相当ねちっこい性格ですな…
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