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たなかじゅんのヨモヤマ日記
漫画家たなかじゅんのブログです。ツイッターもやってます juntnk FBもやってます。

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上高地さん

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よく、会社の営業さんとかが、営業トークの最中に
同業他社(同業とは限らないかも)の名前を出すときは
たいてい「○○(会社名)さん」さん付けで呼びます。

たとえば松下電器の人が話の流れで東芝の名前を出すとき
「東芝さんの製品はねぇ」とかいったぐあいに。

また近所に「港北の湯」というスーパー銭湯があるのですが
第三京浜港北インターを降りてすぐのところにある
港北の湯までの道順を示す地図看板には
「IKEAさん」「ヤナセさん」とこれまたさん付け表記で書いてあります。

こういう「個人」じゃない「法人」に「さん付け」するのは
まるでその会社や組織に人格があるようで、なんだか奇妙な気がしないでもありません。

しかし他社の名前を呼び捨てにするのは失礼に当たるという真理が働いて
こういう慣習になっているのは、まぁなんとなくわかります。
(日本独特の)ビジネス社会の暗黙のルールなんでしょう。

郵便物などの宛先だと会社などの場合は「様」ではなくて「御中」という
便利な言葉がありますが、
会話の中で普通に他社の名前を呼ぶのに「御中」はおかしいですしね。

ここまでは前置きです。

このあいだの中央アルプスでのこと。

千畳敷に上がるロープウェイ駅のあるしらび平までは
一般車両は進入禁止で、路線バス&タクシーしか
通行が許可されていません。
なので、ロープウェイ駅までは行きも帰りもバスを利用することになります。

その帰りのバスでのこと。

そのときのバスの運転手さんは、サービス精神が旺盛なのか
なぜかよくしゃべる運転手さんでした。
まるでバスガイドのように話し、お客を楽しませてくれます。

「ガードレールがところどころ切れているのは、バスが転落事故を起こしたわけではなく、
冬場の雪を除雪するためのものですから安心してください」とか
「これは路線バスだから冬場お客が誰一人いなくても走るんだ」とか
「駒ヶ根市はロープウェイばかり宣伝するけど、他にも見所はいっぱいあるんだ」とか

そんな中、お客さんが上高地もバスでしか行けないんですよね的なことを言います。

天下に誇る中央アルプスの観光に携わっているバスの運転手として
同じ県内にありながら人気の上では若干負けている(負けているとは思っていない)
ライバル・北アルプス穂高連峰を望む上高地の名を出されちゃ、
意識しないではいれません。
たぶん同業他社という意識が働いたのでしょう。

「上高地さんはねぇ…」

出た!さん付け。しかも会社でも法人でもなんでもない、ただの場所なのに
「上高地さん」ときたもんだ。

「上高地さん」という言い方を初めて耳にしたものだから
その違和感というか不思議な感じになんだかゾクゾクしました。

わかります。
ただの場所・地名にすぎないのに「上高地さん」と「さん付け」する気持ち。
つまり「上高地さん」は「ただの地名」のみならず
そこの地で観光業を営んでいるバス会社・タクシー・ホテル・みやげ物屋その他
もろもろをひっくるめて、上高地という観光地で成り立っている商売全体
一つの会社・法人のように捉えた「上高地さん」なのです。

しかし、中央アルプスのほうは、上高地を宿命のライバルのように思って
意識しているでしょうが、
「上高地さん」のほうは多分想像するに、中央アルプスなど
なんとも思っていないのではないでしょうか。
まるでどこかの国とどこかの国の関係のような。そんな気がします。

そう考えるとどこか哀しいものがあります。

写真はそのバス内のもの。
「コンピューター」を、その業界に詳しい人ほど「コンピュータ」と伸ばさないように
(他にもプリンタ・プロッタ・ディレクトリなど)
「ブザー」もブザーに詳しい人の間では「ブザ」というのでしょうか。
そんな「ブザマな」名前でいいのでしょうか。

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おまけの写真をアップ。

千畳敷カールはちょうどお花の季節なので
高山植物のお花畑はキレイでした。

あと空の青さに感動して撮った写真。

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駒ケ岳を下るとき、空を見上げましたが
なんという空の青さなんだろうと感激することしきり。

しかし中岳を越え乗越に戻ってきたころには
雲行きが怪しくなってきました。
千畳敷カールのほうからドンドン雲が湧きあがって来てます。

宝剣岳に登ろうか登るまいかとギリギリまで躊躇していたボクですが
その宝剣岳もだんだん雲に包まれようとしています。
初めて宝剣に登ったときはものすごい雲で
視界が数メートルしかないそれはもうまるでミルクの中にいるような
そんな感じでしたが、それじゃぁ登ってもつまらないし
なにより、ロープウェイ駅での脅しがアタマをよぎります。

落雷の直撃を受けて即死した

宝剣はその名の通り尖った岩山です。
雷も落ちるならそこに落ちるでしょう。

怖気づいたボクは早々に山を降りる判断をします。
まぁもう十分堪能したんですけどね。

最初に登ってきた八丁坂を降り始めて後ろを振り返ると
稜線がすっかり雲に包まれてて見えなくなっているではありませんか。
あの状態だと乗越浄土なんか真っ白で何も見えないんじゃないかなと
自分が早朝の晴れ渡った時間に登ってよかったことを再確認します。
宝剣なんかもスッカリ雲の中です。

10時過ぎぐらいにロープウェイ駅に到着。
臨時便が増発されて常に折り返し運転をしています。
そのロープウェイの登りのゴンドラには観光客がギッシリ。
団体を含めものすごい数の観光客を次から次へと
千畳敷カールに運んでいます。

今頃来たって混んでるし雲の中なのにバカだなぁ…フフンなんて
福田首相のように鼻で笑いながら
少し勝ち誇ったような気分で下りのガラガラのゴンドラに乗ります。

ゴンドラからは次々と湧き上がって来る雲が見えます。

地上に降りると、山頂の雲だらけの景色はどこへやら
カンカン照りの炎天下です。気温は30度は越えています。
山頂は19度しかなかったのに。

で、山麓にある、いつも行くこぶしの湯という日帰り温泉施設で汗を流しました。
山&温泉…なんという気持ちのよい組み合わせなんだ。

しかし朝2時に起きて中央自動車道と飛ばしてきたので眠たくなり
露天風呂の石畳の上で寝てしまいました。


とりあえず「ひと夏ひとアルプス」は決行できたので
もうこの夏に思い残すことはありません。
いや、まだどこかへ行きたいのはあるのですが、
もし行けなかったとしても後悔しなくて澄みそうです。

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いやホントに気持ちがいいもんです。

去年も実感しましたが
ビリーによるマイナス10キロと心肺機能上昇によって
昔はあれだけヒーヒー言いながら死ぬ思いで登った山が
楽々スイスイと登れるではありませんか。

そうすると周りの景色を楽しむ余裕も生まれ
山登りががぜん楽しくなります。

千畳敷で標高2612メートル
駒ケ岳山頂で標高2931メートル、ほぼ3000メートルですから
気温も19度とかしかありません。真夏なのに。
日差しが強いですから日向では暑いですが、日陰になると結構涼しい。
そういえばところどころに雪渓が残っています。真夏なのに。

しかしなんですか、この空の青さといったら!
下界(登山をするとこういう言葉を使いたくなります)でこの青さの空は
日本ではまずないのではないでしょうか。

乗越浄土から中岳を経て中央アルプス最高峰木曾駒ケ岳山頂に到着です。
時間は8時半〜9時前ぐらいでしたでしょうか。
もちろん山頂オニギリ、山頂コーヒーはかかせません。
至福の時です。
普段はコーヒーはブラックのボクですが、
このときはミルクと砂糖がタップリ入ったコーヒーが美味いのです。
インスタントですけどね。

で山頂でゆっくりしたあと、下山します。
心の中では宝剣岳に行こうか行くまいか葛藤している自分がいます。
宝剣岳から極楽平コースは、両側が切り立った断崖絶壁の峰を歩く
鎖場だらけのとても面白いコースなのですが(2度行ったことがあります)
一方で毎年何人も滑落事故で死人が出ているコースでもあります。
しかし天気も気になるし…

…つづく

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行ってきましたよ中央アルプス。

ボクは「やると言ったらやる男」なのです、ひと夏ひとアルプス

天気がどうもよくないのでイライラしていましたが
「夏山天気予報」のサイトを見ながら
ギリギリ大丈夫の判断をし、決行したのでした。

ただし晴れるのは午前中だけで、午後からは曇り〜雨&雷の予報。

しかし!
ボクはここで強く言いたい。
山は早朝が鉄則だと。

夜や明け方は多少雲が出ていても、朝日が昇ればたいていスカッと晴れます。
これは科学的に説明すると、大気が日光で温められて温度が上がることにより
空気中の水分が水滴の状態にならずに気体(水蒸気)の状態で居られる量が増えるということです。

しかしその晴れ間も、昼近くになって太陽で大地がドンドン温められると
そこからの水分をタップリ含んだ上昇気流が山頂で冷やされ
ドンドン雲が湧く…ということになるのです。

だからこそ晴れ間の多い早朝登山なのでした。

ここは有名な観光地で、山頂付近までロープウェイで一気に上がることが出来るという
一般のお客でも手軽に来れることから観光客がものすごく多いのですが
みんな朝10時とか、そんな遅い時間に来たってだめです。
もうその時点で雲がモクモクですよ。

今回も朝一番、6時発のバスに乗ったので
登頂開始は一番でした。
目の前に誰も居ないし、いい天気だし、それはもう最高でした。

そうそう、ロープウェイ駅で注意事項がありました。
このごろ天気の状態がよくなく
昼以降は雲が出たり雷も落ちるから十分注意してくださいと。
昨日も一人落雷の直撃を受け即死されたと!
ロープウェイも1時間近く止まったと。

これは天気のいいうちにさっさと降りてこないと。
落雷に注意といったって
木も生えていない山頂では注意しようがありませんからね。

しかしこの晴れ渡った空を見ると、落雷とか想像できないんですけども。

…つづく

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