英国ロンドンで起きた高層マンションの火災は、マンション1棟が丸焦げになってしまうというショッキングな出来事でした。マンション住まいのアシモモ〜にとって、決して対岸の火事ではありませんから、極めて強い関心をもって報道を注目していました。
ロンドンの高層マンション火災事案の概要
○6月14日午前1時(日本時間午前9時)頃に火災発生
○4階から出火、15分で24階建て建物全体に延焼
○スプリンクラーは設置されず、火災報知器は鳴らず、非常階段は1つだけ
○少なくとも79名が死亡
○昨年の改装で使用された安い外装材が延焼を早めた可能性
○出火原因は冷凍冷蔵庫
○炎が迫ってくるまで部屋にとどまるよう管理会社が住民に指導
○一部住民からは防火設備の不備の指摘が繰り返しあった
○マンションは1974年建築、労働者や移民向けの公共住宅
○マンション周辺は貧困層が居住する地域
○メイ首相の対応を巡り、政治の道具にされている
英国の高層マンションとは設備も構造も異なりますので、一概に比較して論ずることはできませんが、月並みなことを言えば、平素から火の元確認を実践して自分が火元にならないように徹底すること、万一の場合は慌てずに避難することが重要だと思います。
そのような観点から、マンションの避難訓練にも積極的に参加して、万一の場合の避難ルートを確認するとともに、非常持ち出し袋について点検をしたところです。
参考として、英国の火災について、以下のとおり報道をまとめてみました。
【火災に係る事実関係】
〇火災は4階から出火後、急速に建物全体に広がった。耐火性が低いとして米国では禁止されている安価な外装材が昨年、外壁に取り付けられ、延焼を助長した疑いが指摘されている。(6月18日・東京朝刊4面)
〇火は、わずか15分で24階建て住宅の上部まで広がった。古いコンクリート壁を覆って設置された外装材は、同じメーカーが生産する3タイプで最も安い、可燃性の製品だった。(6月22日・東京朝刊3面)
〇共用部分の火災報知器も鳴らなかった。(6月22日・東京朝刊3面)
〇火災の被害は英史上最悪となった。警察発表によると少なくとも79人が死亡。(6月29日・日経朝刊8面)
〇黒こげとなった住宅内部で撮影した写真や映像を公開した。がれきが散乱した室内と原形をとどめない家具が火災の激しさを物語っている。(略)家具などはほとんど原形をとどめておらず、洗濯機やオーブンなどの電化製品がようやくわかる程度。(6月19日・日経夕刊13面)
【火災の原因】
〇高層住宅では、昨年までに約2年間、約1000万ポンド(約14億円)をかけ、防水効果を高める外壁工事も行った。英メディアは、「外壁で使用された樹脂が火のまわりを早めた可能性がある」との専門家の分析を紹介している。(6月16日・毎日朝刊29面)
〇この建物では2013年に漏電による火災が発生。大事には至らなかったが、有志住民で作る組織は、繰り返し防火設備の不備を指摘していた。(6月16日・毎日朝刊29面)
〇1974年に建てられたこの住宅は、スプリンクラー設置を規定した規則改正前の建築物のため、防火設備が不十分だった。にもかかわらず管理会社は、建物はコンクリートで防火性が高いとして、住民に火災の際は炎が部屋に迫ってくるまでは、室内にとどまるよう指導していた。(6月16日・毎日朝刊29面)
〇(ロンドン)警視庁はまた、出火原因は捜査中としつつ、「出火が意図的だったと示す証拠はない」として、放火が原因の可能性は低いとの見方を示した(6月17日・朝日朝刊11面)
〇外壁に使われていた断熱材やタイルも、火災後の耐火性テストで安全ではないとの結果が出たという。(6月24日・毎日朝刊28面)
〇ロンドン警視庁は23日、火元は米家電大手ワールプールのブランド「ホットポイント」の冷凍冷蔵庫だったと発表した(6月24日・産経7面)
〇昨年の改装で使われた耐火性の低い安い外壁材が延焼の大きな原因になった。非常階段は1つだけで、スプリンクラーもなかった。(6月29日・日経朝刊8面)
〇1974年に低所得者向け高層公営住宅として建てられたグレンフェルタワーは老朽化などで防災に不備があると専門家から度々指摘されていた。(6月29日・日経朝刊8面)
【マンションの周辺】
〇グレンフェルタワーがある一角だけは、古くからの貧困地域で、労働者や移民らが押し込められるように住む公共住宅が隣接する。(6月29日・日経朝刊8面)
〇120世帯、約600人とされる住民の多くは中東やアフリカ、アジア、南欧などから集まった多様な人種の移民たちで、イスラム教徒の姿も多い。(6月29日・日経朝刊8面)
【政局への波及】
〇メイ氏は15日、現場を訪れた際、救急隊としか面談せず、警備上の懸念を理由に住民を慰問しなかった。これに被害住民らの不満が集中した。メイ氏は公開調査を約束し、その後テレビでお悔やみの声明を発表した。一方、最大野党労働党のコービン党首やロンドンのカーン市長は、被害住民らをすぐに訪問。16日にはエリザベス女王とウィリアム王子も住民らを慰問。批判が高まるなかで、メイ氏は16日に再び現場を訪れ住民らと面談したものの、一部から「出ていけ」などといった罵声を浴びせられた。(6月17日・日経夕刊3面)
〇メイ首相は火災の翌15日に「私的な訪問」として現場入りしたが、警察や消防関係者と会っただけ、同じ日に視察し、住民らの肩を抱いて慰めた労働党のコービン党首と対照的に映った上、16日には91歳のエリザベス女王も被害者を慰問し、メイ氏の失策が目立っている。(6月18日・東京朝刊4面)
〇火災は格差拡大などの陰で隅に追いやられた労働者たちの怒りの象徴とみられ、政権を揺さぶっている(6月29日・日経朝刊8面)
〇住民たちが防災対策の不備を何度も行政に警告したにもかかわらず、なんら対策が取られなかったグレンフェルタワーの火災は英国の緊縮策への怒りの対象となっている。
(7月4日・日経朝刊2面)