三条通日記

新聞記者の極私的日記、映画評、アルバイトの日本語講座レジュメなど

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YEBI大王

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 劇団「新宿梁山泊」(http://www5a.biglobe.ne.jp/~s-ryo/index.html)が取り上げた「YEBI大王」は韓国の作家、洪元基(ホン・ウォンギ)の作品で、4年前にソウル芸術祭で戯曲賞と作品賞を受けたという。今回の公演は韓国に引き続き東京、大阪をまわってきた。うたい文句に「アジア版リア王ともいうべき叙事詩」とあるが、いい意味でも悪い意味でも、これは現代劇だと思った。 

 古代アジアのある国で、王、エビは世継ぎの男子に恵まれず、娘ばかり7人も産まれたことに腹を立て、最後に産まれた7番目の王女を川に捨ててしまう。そこへ3人の死神が現れ、「おまえの寿命は尽きた」と告げるのだが、王は「息子が産まれるまで死ねない」と巧みな弁術で死神たちを丸め込む。

 子作りに専念し、国政を娘たちに預けるのだが、権力争いの果てに国は分断、民は戦と疫病で死んでいく。一方、捨てられた王女は船頭に救われ、自らの素性を知らずに成長。運命のいたずらで父親であるエビ王と再会する。

 娘たちに裏切られてさまようエビ王の姿は確かに「リア王」だ。そして分断国家、朝鮮の現実も映している。

 一番気になったのがリズムだ。神話的な物語であるなら、神話のリズムで、と思うのだが、ここにあるのは国家分断の戦争、あるいは権力簒奪の革命物語にふさわしい、きわめて現代的な時間の流れなのだ。

 これを是とするか非とするかで、この公演の評価は大きく変わってくる。

 −−9月30日、大阪・ウルトラマーケット


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