三条通日記

新聞記者の極私的日記、映画評、アルバイトの日本語講座レジュメなど

日記

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日記ですが、必ずしも現実を写したものではありませんので。
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ボートリヤール死去

 ジャン・ボードリヤール氏がパリの自宅で亡くなった。「湾岸戦争は起こらなかった」という文章はある種のスキャンダルになったが、パリで、「その戦争をこれで見ていた」というテレビを置いた自宅リビングルームでインタビューした際の、優しく親切な話しぶりを昨日のことのように思い出す。

 ボードリヤールといえば「商品の記号化」とか、「シミュラークル」といった言葉づかいがすぐ浮かぶが、インタビューしてみて思ったのは、彼も構造主義以降の時代に忠実に生きた反=歴史主義者ではないのか、ということだった。

 「われわれの現実は生きている今の時間であり、歴史的時間は別次元に存在する。われわれから切り離された歴史的時間を認識する作業には困難が伴う。だから否定論者に道徳的非難を浴びせるだけでは、溝を埋めることはできない」とボードリヤール氏は言った。

 またこうも言っている。湾岸戦争のように遠隔地で起きている戦争や、見知らぬ研究室の中で行われているクローン実験なども、同時代の出来事でありながら、われわれから切り離され、実体をつかむことができないバーチャル・リアリティーになってしまった、と。だからそこには道徳的な、あるいは情緒的な言葉が届かない。

 こうした異次元世界の「バーチャルなもの」によって、逆にわれわれの現実が動かされているのだ。これは歴史によってはかることのできない“異常事態”だ。人が人に働きかける昔ながらのやり方は廃れ、今やインターネット上の人格や、コンピューターが発する指令が世界を動かそうとしているのだ。

 こうした世界に多くの者は違和感を感じるだろう。そしてその違和感の絶対的表現者として21世紀のテロリストは現れたのではないだろうか。テロリズムとは、歴史を自分たちの側に引き戻そうとする者たちの半ば絶望的な表現−−自爆テロによるなら、行為そのものは残るが、肉体は消え去るしかないのだから−−といえるだろう。最近のボードリヤール氏は、そんなことを考えていたように思うのだ。

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ジェームス・ブラウン

 ジェームス・ブラウンが死んだ。明日の朝刊に死亡記事が出て、その後もいくつかの追悼文を読むことができるだろうが、それはその方の専門家に任せるとして、私のささやかな思い出を書いておきたい。4年前、取材で米・シアトルのロック・ミュージアム「Experience Music Project」(http://www.emplive.org/)を訪れた。目的は、ビルバオ・グッゲンハイム美術館でも有名なフランク・ゲーリー設計の建物を見ることにあったのだが、それはさておき、館内でバーチャル案内人をしていたのがジェームス・ブラウンだったのだ。展示の主役は地元出身のジミ・ヘンドリックスだったのだが、そこはやはり「帝王」が案内するのが適当ということか。

 今、翻訳で「ブラック・アトランティック」というポール・ギルロイの本を読んでいるが、ここに「ブラック・ミュージックと真正性の政治学」という章がある。ジミ・ヘンもその真正性を問われ、大いに揺れ、苦悩したという記述があるのだが、「帝王」ジェームス・ブラウンがどうだったのかは分からない。

 続きは後ほど

河野美砂子さんからコンサートのお知らせをいただいた。

『モーツァルトに会いたい』 ― ピアノ曲でたどるモーツァルトの生涯 ―

*京都芸術センター共催事業    ピアノ・河野美砂子                    
・2006年11月7日(火)夜7時開演(6時30分開場)

・京都芸術センター 四条烏丸 24番出口から西北へ徒歩5分
             (室町通錦上がる東側)

・モーツァルトのもっとも身近な楽器であったクラヴィア(鍵盤楽器)のため
の作品は、 5歳から、死の年35歳まで、数多く残されています。それらを
作曲年代順に、隠れた名曲もまじえて演奏します。

・今回は、コンサートホールではなく、もと明倫小学校の歴史ある空間を使用、
約100年前の楽器・ペトロフの響きとともに、新しい音楽会の形をどうぞ。

・詳細は、HP「紫野通信」に。→ http://music.geocities.jp/misakn95/

・ブログ「モーツァルト練習日記」(ほぼ毎日更新)             
            http://d.hatena.ne.jp/nana69/

・一般2000円 学生1000円(当日各500円増)  200名限定 

◆申込・問い合わせ
 コンサートモーツァルト 

 ・電話 090-1208-0484(月〜金 10時〜5時)

 ・メール conmoz69@ybb.ne.jp

 ・ファクス 050-1359-4384    

吉田玉男さん

 人形浄瑠璃文楽の人形遣い、吉田玉男さんが亡くなった。87歳という高齢だったし、入院もしていたし、ああ、そうかと受け止めたが。それにしても生の舞台をもう、見ることができないのは残念だ。

 高齢になってからの舞台しか知らないが、それでも花がある人だった。「曽根崎心中」の徳兵衛、「仮名手本忠臣蔵」の大星由良之助、「菅原伝授手習鑑」の菅丞相......。

 そういえば、立花隆が「『花』のない新総裁 安倍晋三」と書いている(http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060922_hana/)のを読んだ。比べるのも変だが、たまたま同じ日の新聞の一面に両者の記事が並んでいるのを見ていると、そう言いたくなる。A級戦犯容疑岸信介、勝共連合コネクション、歴史教科書問題、北朝鮮問題......。

メイド・イン・香港

 先週、香港に行ってきた。高速道で40分から50分の郊外である空港周辺にまで高層マンションがにょきにょき建っている光景に驚いたが、もう一つ目を見張ったのが日曜日、繁華街の中環に集うフィリピンからのメイドさんたちの“集会”だ。

 ご存じの通り、働くのが当たり前の香港の女性たちは、家事をしてもらうためメイドを雇う。その多くはフィリピンから来ている。彼女らは週一回の休み、日曜日に中環にやってきて、数人から十数人のグループで道ばたに座り込み、朝から晩までおしゃべりをして時を過ごす。それが一番、安上がりの娯楽だからだ。節約したお金は、故国の家族に送る。その全体の人数が、数年前に比べて格段に増えているのだ。

 平日も、中国系の赤ん坊を抱いて町を歩くフィリピン人と思われる女性を何人も見た。こういうことが最近、フィリピンとFTAを結んだ日本でも、何年か後には見られるようになるのだろうか、と想像してみた。東京・上野の公園に集まる彼女らの姿を。彼女らに育てられる子どもたちの外国人に対する感覚の変容を。

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