田舎に生きる ふつうのオバサンの日常

もうすぐお別れですね 余命を言い渡されたようで張り合いのない日々です。パソコンもオンボロ カメラは行方不明になってしまいました。

旭川新聞 並木道

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終業のチャイム
  
  春一番の大仕事、田植えが今年も無事に終わった。

我が家は私たち夫婦と息子の三人で営農している。

還暦を過ぎれば世の定年にならって

少しは楽ができるかと思えば大間違いで、

年とともに体が辛くなるのに、

毎年耕作面積が増え、家族労働の限界を感じるようになってきている。
 
 今年の田植えには、若い友人に助っ人を頼んだ。

すると彼女はママ友ネットワークを駆使して知人数名を誘ってくれた。

その人達の子供さんの送迎の時間などを考慮して

人員の空きが出ないようにシフトを組んで人の手配までもしてくれ、

大変助けられた。
 
 汚くてきつい仕事に街の奥様方が大丈夫か、

と心配したがそれは杞憂に終わった。

それどころか皆さん農作業に興味津々で、

田植機に乗って苗の補充をする仕事は

田植えの花形だとまで言われたのには笑ってしまった。
 
 田植えの十日間のあいだに、

彼女たちから私に向けてかけられた言葉は意外なものだった。

「大丈夫ですか」「代わりましょうか」と幾度となく言われたのだ。
 
 その言葉はとてもありがたいのだが、

何十年も続けている仕事に私は自信があった。

しかし彼女たちの目にはそうは映っていなかったのだ。

そろそろ世代交代ですよ、

と終業のチャイムが遠くから聞こえた気がした。
動物園へ行こう
 
冬になるとどうしても運動不足になる。

家の周囲の散歩では毎度同じ景色に飽きてしまう。

そうだ、動物園へ行こう。

あそこは広い、園内を歩くだけでも良い運動になるはず。

地元なのに、地元だからか、もう10年以上も行ったことがなかった。

誕生日、自分へのプレゼントに旭山動物園の年間パスポートを買った。 

子供達と親子遠足で行った昔は動物園というより遊園地だった。

今は遊具も取り払われ、

動物たちが悠々と過ごす真の動物園になった。 
 
帽子からズボンまで防寒着をまとい、

カメラも寒さから保護して持ち、リュックを背負えば準備万端。 

正門から入って東門まで歩く。

それを二往復するのが目標。

冬の開園は10時半、入るとまずペンギンの散歩のコースに陣取る。

何度か行くうちに良いシーンが撮れる場所を発見。

ペンギンの散歩は冬の動物園の華だ。

ヨチヨチと歩く足元にも表情がある。
 
アザラシ館に同居するカモメは今日も元気だろうか。

ヒグマがここにいる理由をボードから教えられ考える。

あっちで止まりこっちで引っかかる。

カレーの匂い、お汁粉の看板、パン屋さんの前を素通りするのは

勇気がいる。

運動のために通っているはず、だったが・・・。
収穫の秋に思うこと
         
 長年農業をしていると、過去にもいろいろありましたが、

今年はまたひとつ記憶に残る年になりそうです。

お客さんにお米を配達するたびに

「大丈夫だったのかい」と心配してもらいました。

次から次へ災害がありすぎて、

お客さんがいつのことを言ってるのか一瞬考えるほどでした。
 
 我が家の経営の二本柱である米とソバは

どちらもかなりの生育不良で

ついに挽回できぬまま秋が終わりそうです。

ソバはあまりに収量が少ないためにたちまち終盤戦。

稲は生育が遅れているので順調な年なら、

とっくに終わっているような時期から稲刈りが始まりました。

終盤には雪の予報が気になります。
 
 露地の作物はおおかたが不作だったものの

ビニールハウスの野菜は今年もたくさん食卓を賑わしてくれました。

春一番のアスパラに始まり、

待ちに待ってきゅうりが実りトマトが赤くなり、

友人から預かったハラペーニョもたくさん実をつけました。

まだまだ収穫が出来そうではありましたが、

また台風が来るというので予定より早くビニールを剥がしました。
 
 なんだかいつものような充実感を感じられぬまま今

年の秋は終わりそうです。

せめて怪我などしないよう

最後の大仕事である稲刈りを終わらせたいと思っています。
  年末に生けたお花が、暖かい部屋の中で思いのほか長く咲いて、

半月ほど楽しんだあとに片付けた。

だめになった花を少しずつ入れ替えようと

予備の花も買ってあったのに、

その花は予備の花瓶の中で枯れてしまった。

かわいそうなことをした。

この花たちも愛でるつもりだったのに。
 
 暮れの大掃除は早くから始めて、

清々しいお正月を迎えるつもりだったのに、

まだ余裕があると油断して一部屋は手つかずで新年を迎えてしまった。

 元日も早朝から仕事の娘に、

早起きをしてお弁当を詰めて持たせようと、

紅白を途中から録画して早く寝たのに、

何故か録画開始から十九分で終わっていた。

退屈な元日にゆっくり歌合戦を楽しむつもりだったのに。
 
 ああするつもりだった、こうするつもりだった、

と一日が過ぎ一年が過ぎ一生が過ぎていく。

 二歳上の従姉妹が終活を始めたという。

まず手始めはお正月に、普段は離れて暮らす家族が揃ったのを機に

家の中の断捨離をしたらしい。

アルバムは10冊以上、本と紙類でトラックに2 台、

手放して後悔したものは何もないと言う。

あっぱれ!

私も見習おうと新年ひっそり誓う。

ひっそりと言うところがまだ駄目だ。

また年末に「つもりだった」を繰り返さぬように、ここで誓おう。

今年もイチゴの苗を植えました。

イチゴは秋に植えて次の年の初夏に収穫します。

 イチゴには特別な思い入れがあります。

子供の頃、畑に入ることは許されませんでした。

きっと勝手に入って踏みつぶした前科者だったのでしょう。

でも、だからといって採ってもらった記憶も食べた記憶もありません。
 
 ある日友達の家に行ったとき、そこのお母さんに「イチゴなってるから

採っていいよ」と言われ、嬉しさより畑に入っても良いことに驚いたことを

覚えています。記憶なんてあいまいなもので、親に聞けば、食べさせた

と言うのかもしれませんが、大人になったら自分で育てて好きなだけ食

べたいとずっと思ってきたのです。
 
 今まで、私の育てたイチゴの苗はあちこちに貰われていきました。

お節介承知で肥料も持参して友人の畑に植えてきたこともありました。

それを友人は「愛のイチゴ」と名付けて喜んでくれました。
 
 家から車で数分のところにイチゴが大好きな孫がいます。

今年のイチゴはタヌキに狙われ、ネットをかけて必死で守って辛うじて一

度だけ食べさせることが出来ました。

二番目の孫はまだ赤ちゃんですがいつかお兄ちゃんのように回らぬ口

で「いちごある?」なんて言ってくれるでしょうか。

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