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アルフォンスは甘えん坊だった。
ミュッシャと同じくベランダが好きで、
よく「出して〜」とせがまれた。
夏場は虫が入ってくるのが嫌で、
とりあえずアルを出したまま網戸を閉める。
するとしばらくして「おうちに入るの〜」と鳴いて知らせる。
ところが…
たまにその声が聞こえないことがある。
すると、ちゃんと自分で開けて入ってくるではないか。
…。
彼にとって「出る」ことより「入る」ことの方が
どうやら切実らしい。
決して自分で出ることはなかった。
だから、短時間のお留守番のときに
換気のために、網戸にしておいても心配もなかった。
さて、思い出したことがもうひとつ。
こたつだ。
マロンは難なく、自分で出入りできる。
ミュッシャもできるが、中の様子をうかがいながら人の顔もうかがう。
アルフォンスは人の横に来て
「おこたに入れて〜」と鳴き
「お外に出して〜」と鳴く。
そのころはこたつ自体が小さくて人の足が邪魔だったのかも…
いやいや、反対側から出られたもん。
たぶん
人の手を煩わせる=手のかかるかわゆい子
ということを心得ていたに違いない…。
ある時外で野良猫が鳴いた。
なんの躊躇もなく彼は飛び出していった。
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