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40年の年月を超えてメトロン星人が再登場!
幻覚宇宙人から対話宇宙人へとスタイルを変えて。
「ウルトラセブン」第8話「狙われた街」の完全な続編である。
当然、登場するメトロン星人も40年後の「同一人物」である。
では「狙われた街」のおさらい。
メトロン星人はタバコの中に幻覚を見せる赤い結晶を混入。
北川町の自動販売機を使って侵略開始。
そのタバコを吸った人々は周りがすべて敵に見え、凶暴化する。
そうやって人と人との信頼関係をなくさせ人類を自滅させようとした。
そこには「地球人はお互いを信頼し合って生きている」という前提があった。
その話のラストでこんなセリフがある。
「このお話は遠い遠い未来の物語なのです。え?なぜって?
われわれ人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから。」
この話では「信頼」がテーマであり、「タバコ」は手段である。
放映当時の喫煙率は今の2倍はあっただろう。
(昭和42年の男性の喫煙率は80パーセントを楽々超えている)
最も普及した嗜好品として「タバコ」が選ばれたわけだ。
では、40年後の世界で最も個人に普及しているモノは?
それは「携帯電話」である。
冒頭で暴れる人の描写は「セブン」を彷彿とさせる。
そして、楢崎刑事は鏡越しに黒い服の男を目撃する。
世間では至るところに「禁煙」の文字。若い刑事も楢崎にタバコを吸わせない。
タバコはこの40年の間にすっかり嫌われ者になっている。
喫煙マナーをうるさく言う人はいるが携帯電話のマナーには何も言えない。
喫煙率の低下により喫煙者がマイナリティーとして社会の攻撃を受ける。
これでは弱い者イジメという感すらある。
(運転中・歩行中の携帯電話の使用を禁止する条例もあるが・・・。)
40年前にも同じような事件があったという隊長の話で関連づけているがタバコは「無実」。
ベテラン楢崎刑事も40年前の証言者として登場。
彼は携帯電話嫌い。
電車内の描写はおそらく某雑誌でも取り上げられた「女性専用車両」での醜態であろう。
車内放送を無視して携帯電話を使用する女子高生。
人前で堂々と化粧をするOL風の若い女性。
そのバックに流れる猿の叫び声。
その後の描写でも歩きながら大声で携帯で話す若い男性がある。
楢崎は現在の若者を「猿」に退化したように見ているのだった。
前頭葉の萎縮によって人間らしい思考が不可能になるという研究員。
カイト「喫煙が前頭葉に影響するということは考えられませんか?」
40年前の事件との関連性を研究員に聞くカイト。
「タバコがですか?特にないと思いますよ。」
そう言っていた研究員が携帯電話に出た途端凶暴化した。
凶暴化した人々はある共通のアンテナのある携帯電話を使用していた。
カイトがそのことに気付き、3人はエイリアン反応を辿ってビルの屋上へ。
そこでは電波の受信テストをしているアンテナの開発者たちが。
楢崎はアンテナではなく「電波」が問題だと看破した。
実相寺監督は「携帯電話の電磁波が人を猿に退化させる」と言いたかったのだろう。
カイトの行く手にひとつの携帯電話が落ちていた。そして、着信音。
電話に出たカイトは凄まじい音に悶絶。
そこに現れた黒い服の男。
「もう何の目的もなくなった。もう地球もこの町も狙わないさ。」
楢崎刑事と彼はお互いを「メトロン」「ゲンちゃん」と呼び合った。
40年前、セブンのアイスラッガーでやられたメトロン星人。
ゲンちゃんと怪獣倉庫のおじさんに治療してもらいメトロン星人は助かった。
ここでセブンに斬られる映像が挿入される。
ミズキを40年前にメトロン星人が住んでいたアパートに案内する楢崎。
黒い服の男に誘われるままカイトは「怪獣倉庫」へ。
そこには40年前と似た風景があった。
(40年前はアパート住まいだけど。)
2人は「眼兎龍茶」を飲む。正体を現すメトロン星人。
ジャンケンをしようと言うメトロン星人。
「バカな奴だ」と呟くカイト。
対決1回戦はカイトの作戦勝ち。メトロン星人は「チョキ」しか出せないのだ。
帰り支度をするメトロン星人。なんかかわいい。
「40年間潜伏して見守ってきたが、もう攻撃しなくても人類は俺たちの手に落ちると確信したんだ。」
「人間は便利なツールを手に入れ、どんどん退化し始めたからさ。町中猿だらけ。」
「放っておいても滅びるよ。新しい道具で人間の脳は萎縮し始めている。」
怒鳴り散らすカイト。
「低能化して環境を破壊して礼儀も知らない人類を物好きに守る必要もなかろう。」
またジャンケンをしようと言うメトロン星人。
「宇宙人に二言はないな。」「その言葉地球人に教えてやれ。」
2回戦は一瞬で人間体に戻ったメトロン星人は「パー」を出して勝つ。
「いつまでもあると思うな仇桜ってな。イェ〜イ。」と巨大化。
「セブン」と逆の向きだけど水面に映るメトロン星人。
40年の月日が経ち、街は様変わりしても美しい夕焼けの北川町。
メトロン「地球の夕焼けは美しいなあ。
とりわけ日本の黄昏はこの陰影礼讃が何よりのおみやげだな。」
マックス「つべこべ言うんじゃない!」(カイトの声のマックスって初めてじゃない?)
その場でなぜか走るポーズのメトロン。首を傾げるマックス。
迎えに来たメトロン円盤。(←おお、同じデザインだ)
マックスに手を振って去っていくメトロン星人。手を振り返して見送るマックス。
楢 崎「・・・俺も連れてって欲しかったな。」述懐する楢崎刑事。
カイト「事件が山ほど待ってるんでね、宇宙人よりもやっかいな(猿の叫び声)・・・。」
カイト「奴はこの星に見切りをつけて故郷の星に帰っていったんだ・・・。」
ミズキ「でも・・・。」
〜END〜
実相寺昭雄監督の第2弾。
「胡蝶の夢」よりはわかりやすいストーリー仕立て。
「セブン」ではアイスラッガーで斬られた後、エメリューム光線で爆発する。
しかし、その爆発シーンに「彼」の姿はなかった。
つまり「彼」は爆死してなかったという解釈もできる。
ということは「彼」が生きていてもおかしくない。
そのへんもオールドファンなら納得させられる。
どうせなら大木淳(現・淳吉)氏に特技監督をやってほしかった。
子供が見たらどうかな、という疑問符をつける方もいるだろう。
ご安心ください。今の子供は案外しっかり受け止められるものですよ。
え?なぜって?
それは私たちより前頭葉が萎縮してないですから・・・。
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現代に考えさせられる話ですね…。対話星人「メトロン星人」が言った「人間は便利なツールを手に入れ、どんどん退化し始めたからさ。町中猿だらけ。放っておいても滅びるよ。新しい道具で人間の脳は萎縮し始めている。低能化して環境を破壊して礼儀も知らない人類を物好きに守る必要もなかろう。」と事は携帯電話、スマートフォン、ネットゲーム、LINE、ツイッター、フェイスブックとかが最大の敵になっているとは…。まぁ、携帯電話、スマートフォン、PC、ゲーム機に罪はあるのかは否定するかはどうか…、分かりません…。何かの絵を描く、アイデアを考え機械として使用する分ならまだ良いけど…(やっぱりだめか…)。
2014/3/25(火) 午後 11:36 [ マイケルたかお ]