原発がどんなものか知ってほしい、ね。V

「原発がどんなものか知ってほしい」のホントとウソを検証しよう。

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 週刊ダイヤモンド9/1号の特集記事が「原発大解剖」だったんで、買ってみました。

 「Part1/安全」「Part2/産業」「Part3/エネルギー」の3つの章立てで、「Part2/産業」「Part3/エネルギー」の箇所は中立の立場で書かれており、まぁまぁ良い記事やないかと思いました。

 しかし、「Part1/安全」の部分にはなんやらおかしな記述が何箇所もありました。このパートだけ少しばかり違和感があるのは、章毎に違う記者が書いたからなんでしょうか。
 一部には(週刊現代や週刊ポストや女性自身みたいな)ゴシップ誌のような記述もあり、「週刊ダイヤモンドらしくないやんけ」などと苦笑してしまうところも。

その1:P33二段目
「迅速で的確な情報開示が望まれるのだが、不完全な情報を小出しにするほど不信感を与える行為はない。」

 この記事を書いた記者、発電所の職員も被災していることや、事務所も滅茶苦茶になっていることがわかっとらんのではないでしょうか。ほんで、7基もあるわけでしょ。
 「迅速」な情報には不確定さが伴うし、「正確」にするには調査のための時間がかかる。「迅速で正確」なんて、まるで、粒子の位置と運動量を同時に表せ、みたいに無理な注文に思えるんは私だけですかね。
 東電さんのプレス文に目を通してみましたが、地震直後は1日1回、その日までに判明したことを纏めて報告していたようです。これは「とりあえず第一報を入れよう」という東電さんの地元に対する誠実さ(嘘みたいだけど)の表れやないかと思うんですけど・・・
 もし、各々の事象について完全に調査が済むまで発表しないでいたら、また「隠していた」なんて言われていたんではないかと思うんですが・・・
 ひょっとしたら、中には国や地元から「我々が見に行くまで現場を保持しろ、手をつけるな。」と言われていたものもあったかも知れないですね。(この辺はよくわからんので想像ですが)

 P35で会田柏崎市長にも「だが、なぜ情報が少しずつ出てくるのか。東電には過信を捨て、もっと謙虚になって欲しい。」なんて言われているし(これで「情報を直ぐに出す」のが地元との安全協定で決められていたりしたら・・市長の立場ないですな)。


その2:P33図
「柏崎刈羽原発で起きた主な事故」

 いや、「事故」なんちゅうレベルのもんは一つもないじゃないですか。
 「主排気筒からヨウ素および粒子状放射性物質の検出」「非管理区域へ微量の放射性物質を含んだ水の漏えいおよび海への放出」「所内変圧器で火災」とかはまぁ人によっては「事故」と言いたくなるかも知れませんが、「天クレ軸継手破損」とか「ドラム缶が転倒」とか「ダクトがずれる」とか・・・これって「事故」?
 良くわからんのが、「定期検査中の1号機は格納容器のふたが開いていたので、原子炉部分の水が外に溢れ出た。当初、東電はこの事故を公表しなかった。」ってとこ。「当初、東電は〜」がわざわざ赤字になっとるんやけど、なんでか良くわかりません。
 発電所は定検中は燃料移動のために原子炉の上に水を張って燃料プールとつうつうにするわけで、原子炉も燃料プールも一体。我々からしてみると当たり前のことで、おそらく東電さんも隠そうなどという意識は全くなかったんではないかなぁ・・・と思います。
 ただ、マスコミや一般市民がそんなこと知るわけないんで、これは東電さんの凡ミスですか。(「原子炉の水」に対するマスコミの大きな反応には私も驚きましたが、・・・やっぱり知らない人から見たらこわいよね。)

 ま、なんにせよこの記事のあちらこちらにある「事故」はどう考えても書き過ぎで、「事象」とか「問題点」とした方が正確なんではないかと思います。



その3:P34三〜四段目
「東電は最初の数日間に限って、敷地内のほんの一部を公開したあとは、「事故の傷跡」にブルーシートをかぶせたり、砂をブチまけたりして覆い隠している。」

 建屋内の機器にブルーシートをかぶせたり砂をブチまけたりする訳はないんで、これは屋外の斜面やら道路の亀裂のことなんではないかと推測できます。
 崩れた斜面にはブルーシートをかけておかんと、余震で崩れたり雨で流れたりして危険なんではないでしょうか? 普通、土砂崩れの場所でもブルーシートは水よけに使いますよねぇ。
 屋外の機械にかけている場所があったとしたら、それは「破損した場所に雨がかかっては困る」からだと思うんですけど・・・違うのかな?(東電の中の人、help!)

 また、砂をブチまけたのは、道路の段差や亀裂を埋めるためなんではないでしょうか? 地震で波打ったり凹んだりした道路をいち早く直すのは、発電所に限らず、被災地はどこでも一緒なんでは?
 だいいち、道路を一番初めに直さないと、建屋内外の機器の点検のための機材も運べないじゃないですか。(苦笑)

 なんでもかんでも「隠そうとしている」とこじつけるのには少し無理があると思いました。



 この他にも、運転年数と基数を無視して危険度ランキングを作ったり(1基しかなくて運開したばかりの東通と、4基もあって30年以上運転している美浜を比較)するなど、全く意味のない数字を意味ありげに出してたり、ため息が出てしまいました。
 トラブル数を炉・年で割らないと全く意味がないんではないでしょうか?


 他にも変なところが幾つもあるんですが、面倒くさいのでやめます。

 P41以降はまともな内容なので、その前の記事のおかしさがこれまた際立つんですよ。
 なんでこんなことに。

閉じる コメント(3)

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「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」の声明というのは読まれましたか?

2007/8/30(木) 午前 9:39 [ 加藤晃生 ]

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こんばんは。

hokulea2006様、それ、うちの職場で回されてきました。(^_^;)

「閉鎖」はともかく、(私感ですが)結構良いこと書いているなぁ、と思いました。安全が確認されるまで運転再開してはならないのは当然のことで、そのために必要なことはしっかりと書かれていますね。

ところで、私ももともとは材料屋、かつ安全系の耐震設計を少しばかり齧った身であります。一部では「原発の安全係数は3なので危険」等と言われておりますが、実はこの安全係数以上に裕度を取り入れています。(残念ながら、柏崎について確認したわけではないのですが・・)

個人的な相場感としては、「配管やポンプに、塑性域に達するほどの力が加わるのかなぁ・・」と思いますが、現時点であまり無責任な事は言えませんね。今後の評価に注目したいところであります。

2007/8/31(金) 午前 2:25 [ あぁさぁ ]

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>だが、なぜ情報が少しずつ出てくるのか。

東電や原燃では、以前、通報の遅れにより自治体から散々叩かれ、「不確かな情報でも早く連絡するように」と苦言を呈された経験から、「とりあえず第一報」が社の方針となっています。
ただ、そのことが不信感を持たれる原因となっている、というのもあるようで、情報の提供の仕方については、いろいろと考えなければならないのでしょうね。
柏崎市長を責めないでください。


>おそらく東電さんも隠そうなどという意識は全くなかった

聞いた話ですが、実はその通りらしいです。

2007/8/31(金) 午前 2:39 [ あぁさぁ ]


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