宇山恵子の取材日記

オールアバウト「アンチエイジング」ガイド宇山恵子が取材した健康、医療、ヨガ、エンタメ情報などをお伝えします。

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理化学研究所脳科学総合センターの中原裕之博士らは、ヒトの脳が「他人のココロのシミュレーションによる学習」と、「他人の行動観察による学習」を 統合して、他人の価値観を学ぶことをfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を使用した実験で、計測された脳活動を意思決定の脳計算モデルで解析することによ り、世界で初めて科学的に解明したことをNeuron 2012年6月20日オンライン版に発表した研究で明らかにしました。
 
私たちは他人 の心をどうやって理解しているのでしょうか? 実はこの問題は古くから議論されていて、大きく2つの説に分かれていました。一方は他人の心のプロセスを自 分のプロセスとして再現する「シミュレー ション説」、他方は他人が何に反応するかのパターンを学習する「行動パターン説」です。
 
ただ、いずれも科学的な検証が難しく、どちらが正しいのか、人間の脳でどう実現されるのかは解明できていませんでした。
 
博士らは、ヒトの脳の活動に関わる血流の動きを視覚化できる「fMRI(機能的核磁気共鳴画像法)」を使い、この謎解きに取り組みました。2つの説の脳計算モデルを構築し、30人以上の被験者が他人の価値判断を予測するというfMRI実験を行いました。
 
結 果は興味深いものとなり、どちらかが正しいというのではなく、シミュレーション説と行動パターン説の2つの説を合わせた脳計算モデルが最も適切だと分かり ました。さらに、脳活動データをモデル化解析手法で調べると、シミュレーション学習が前頭葉の「自分の価値判断をする」領域と同じ領域で行われ、行動パ ターン学習は 同じ前頭葉でも別の領域で行われていることも突き止めました。
つまり、2つの脳機能が補完し合うことによって、多様な価値観 を持つ他人に応対できるようにしている、ということになります。この研究成果に関して研究チームでは、多様な価値観をもつヒトの社会性の一端を科学的に解 明できたことで将来、政治・経済・社会の問題に対して、ヒトの脳機能からのアプローチへの貢献、対人関係障害などの疾患の究明や、社会性を持たせたコン ピューターやロボットへの応用も期待されるとしています。
 
Neuron 2012年6月20日オンライン版
理化学研究所 プレスリリース 2012.6.20

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