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東京マラソンや青梅マラソン、ホノルルマラソン、各地で観光資源ともなりうることから参加型マラソンの開催数も増加の一途です。
かつては特別な能力を持つアスリートにのみ許される競技と考えられていたマラソンも、今では気軽に参加できる身近なスポーツとなりましたが、ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学などの研究チームが、BMJ・OPEN2013年4月19日付けに発表した研究で、マラソン参加前に鎮痛剤を服用すると、予想外の深刻な副作用が現れる可能性があることが明らかになりました。
研究チームは2010年に開催されたボン・マラソン参加者に質問表を配布し、競技後3.913人の参加者から回答を得て、その内容を詳しく分析しました。
レース参加前に鎮痛薬を服用していた参加者の20%は、参加前のトレーニング期間にも何らかの痛みを緩和するために鎮痛薬を服用しており、10%がレース前にどこかに痛みを抱えていました。
一方鎮痛薬を服用していない参加者で、痛みを抱えていた人はわずかに1%に過ぎませんでした。
鎮痛薬を服用していた参加者の54%が医師の処方せんではなく、個人的にジクロフェナク(ボルタレン)、アスピリン、イブプロフェンなどの市販薬を購入し服用していました。
体調不良による途中棄権率は、鎮痛薬服用者もそうでない参加者も、変わりませんでしたが、筋肉痛による棄権は、服用者よりも非服用者のほうが有意に高いこともわかりました。
しかしながら胃腸の不良での棄権率は鎮痛薬服用者が有意に高く、また胃けいれん、心血管障害、消化管出血、血尿、関節・筋肉痛などの症状での棄権率は、鎮痛薬服用者が5倍も高く、服薬量に比例してリスクが高まっていることも分かりました。
研究チームは、鎮痛薬は痛みに関わる物質であるプロスタグランジンの産生を制御する酵素を阻害することで機能していますが、プロスタグランジンはマラソンなど肉体が極度なストレスにさらされた時に、組織を保護する機能も果していることから、このような結果につながっていると考えられるので、今後も研究を進めて、マラソン参加前に服用してもよいかどうかを明確にしたいとしています。
BMJ・OPEN2013年4月19日 |
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今夜の記者セミナー。
今夜の講師、慶應義塾大学医学部教授の伊藤裕先生から久し振りにあの!モナリザの話を聞いたので、書いておこう。伊藤先生は以前から、モナリザの眼のまわりには、黄色腫(キサントーマ)があり、さらにBMIが30だったという試算もあることから、モナリザは高脂血症で肥満だったと推理している。黄色腫(キサントーマ)に関しては、私も翻訳記事を作っている。「老けて見えるのは心臓が悪いサイン?」
さて、今夜の本題…
5月最初の記者セミナーは、糖尿病網膜症で高コレステロール血症の患者さん5000人を対象に、スタチンという薬でLDLコレステロールを低下させる治療 を行った場合、どの程度、心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)の発現や、糖尿病の進行を抑えられるかを調べる「エンパシー研究」に関する研究計画の発表会。
糖尿病患者は現在急増中。2200万人が糖尿病が強く疑われるか、可能性を否定できない人だという。そのうち、約45%、1000万人が高コレステロール血症を合併し、約10〜20%、100万〜200万人が糖尿病性網膜症になる可能性がある。
糖尿病性網膜症は、高血糖により網膜の血管がもろくなり、詰まったり、こぶができたり、新しい血管が次々とできて、網膜が光を感じにくくなることで、資料が低下し、悪化すると失明してしまうこともある。日本人の中途失明原因のトップが、糖尿病性網膜症だ。
さてこのエンパシー研究。
2013年末から2015年まで研究観察が続けられる見込み。研究結果がまとまるのは、おそらく2016年頃。まだ先のことだ。
東京大学大学院医学研究科循環器内科の小室一成教授は、糖尿病の合併症のうち、大血管障害(心筋梗塞や脳卒中)は血糖値をコントロールしても、予防効果をうまく発揮できずに、心血管疾患によって尊い命を落としてしまう糖尿病患者が増えているという。
一方、海外の大規模臨床研究で、コレステロール値(LDLコレステロール)を低下させることで、心血管疾患のリスクを低下させることができるという報告があった。
これが「Lower the better」(LDLコレステロールは低い方が良い!)の根拠。
2008年から米国では、
にするという管理目標を設定した。
今回の「エンパシー研究」は、日本のガイドラインの数値が実際に即したものであるかどうかを確認するためのものでもあるという。
糖尿病網膜症は、自覚症状がないうちに進行し、気が付いたときには視力がかなり失われてしまっていたということも少なくない。
この研究成果をもとに、糖尿病性網膜症の早期発見と治療に役立てたいと慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科の伊藤裕教授は抱負を語った。
2人の医師は、血圧や血糖値に比べて、コレステロール値は薬の効果が高く、コントロールしやすいというメリットがあると述べていた。
(今夜のセミナーは、塩野義製薬が主催でした)
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007シリーズ最新作「スカイフォール」はスコットランドのハイランド地方の地名で、007の生まれ故郷であり、映画のクライマックスシーンの場所でした。
007シリーズを世界的なヒット映画にした立役者ショーン・コネリーは、スコットランド人であり、エリザベス女王からサーの称号も授与されていることも、
良く知られています。
ところでこのサーの称号の授与式に、彼がスコットランドの民族衣装キルトで正装して現れたことはよく知られています。
このキルトは通常スカートタイプのタータン柄であり、基本的には下着を着けないのが正式だということです。
さて、こうした下着なしでキルトを着用しているスコットランド男性は、精子の質が良く受精能力も高いことが、オランダ・エラスムス大学メディカルセンターErwin Kompanje博士らがScottish Medical Journal 2013年2月号に発表した研究で明らかになりました。
博士らはスコットランドの気温と男性の服装、および精子形成、受精能力に関する研究論文を複数分析しました。
博士らは近年の男性不妊増加の一因として、窮屈な下着とズボンの着用がもたらす睾丸の過熱があるのではないかと考え、下着を着用せず(現在でもスコットランド男性の70%はキルトの下に下着を穿かない)、自然な放熱に任せているスコットランド男性の精子が、元気が良い可能性が高いと考え、いくつかの研究を分析しました。
その結果、メタ分析ではキルトを着用することで、精子の質が以前よりも向上する治療的効果や、無作為抽出による実験での変化について、統計的な有意さは見出せませんでしたが、精子の質の良さと受精能力の高さについての効果を明らかにしている研究が、複数見いだされました。
博士らは、窮屈な下着とズボンは睾丸の温度を3.5度 も上昇させ、健康な精子の形成にマイナスであることも分かったこと、またキルトは睾丸の温度を自然に保つと同時に着用している男性に、自由と男らしさを強 く感じさせるという心理的効果もあるので、女性にとっても魅力的に見える効果をもたらすことなどから、さらに詳しい研究が必要ではあるが、子供の欲しい男 性にはキルトはおすすめ(!)であるとしています。
Scottish Medical Journal 2013年2月号 |


