宇山恵子の取材日記

オールアバウト「アンチエイジング」ガイド宇山恵子が取材した健康、医療、ヨガ、エンタメ情報などをお伝えします。

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皆さん、微小粒子PM2.5やSPM10による大気汚染、忘れていませんか? ときどき「そらまめ君」 (環境省大気汚染物質広域監視システム)で自分の居住エリアの大気汚染の状況をチェックしてください。
 
ヨーロッパの研究によると、大気中に浮遊している微小粒子(日本で言うところのPM2.5やSPM10などの髪の毛の30分の1ほどの微小な粒子)が、肺がん、特に近年、タバコを吸わない女性に増えている「腺がん」のリスクを高めていることが明らかになり、ヨーロッパにおける微小粒子による大気汚染と肺がんの因果関係が指摘され、2013年8月のThe Lancet Oncologyで報告されました。
 
この研究はデンマークがん研究センターの研究者らが「ヨーロッパにおける大気汚染の影響に関するコホート研究(ESCAPE)」の中の17の研究結果がベースで、12.8年間にわたり約400万人のヨーロッパの各国に居住する人を対象に調査を行った結果をもとに分析しました。
 
調査期間の12.8年間に、2095人が肺がんと診断され、10マイクロメートル未満の微小粒子が10マイクロ立方メートル増えると、肺がんのリスクが1.22倍に高まり、2.5マイクロメートル未満の微小粒子(PM2.5)が5マイクロ立方メートル増えると、肺がんのリスクが1.18倍増えることが明らかになりました。
 
注目したいのは、肺がんの中でも女性の発症が近年増えている「腺がん」とのリスクがPM10で1.51倍、PM2.5で1.55倍と因果関係があることが指摘されました。
 
研究者らは、窒素酸化物や交通量との関係も分析しましたが、因果関係は薄く、PMの浮遊が多いエリアに引っ越しをせずに長期間住んでいることが関係しているのではないかと指摘しています。
 
 The Lancet Oncology, Vol. 14 No. 9 pp 813-822 (Aug. 2013).
 
PM2.5は、マスクをかけるぐらいでは避けられない厄介な物質。世界規模で環境改善に取り組まなければいけない問題。国際政治と深く絡む複雑な側面がありますが、私たちの大切な肺をむしばんでいる可能性があることを忘れずにいましょう。日本でもPM2.5の疫学研究、進めて欲しいですが、研究費が縮小されているようです。
 
 
恵比寿の老人ホームで書道レッスン。
お手本は「浴衣盆踊」。
 
 
懐かしそうに子供の頃の昔話が盛り上がりました。
 
でもどの方も終戦の思い出が絡むのが少し悲しいです。
 
十人十色とは好みや考え方が人によって異なることを示しますが、実は香りも人によって異なって感じていることがニュージーランドの研究者らによって明らかになり、2013年8月1日付のCurrent Biologyという科学雑誌のオンライン版に発表されました。
 
研究は一般の食品に含まれるごく一般的な香りを10種類、200人に嗅いでもらい、10種類それぞれの香りを嗅ぎ分けられる人と嗅ぎ分けられない人のDNAの特性を分類しました。
 
その結果、β-イオノンというスミレの花の香りに含まれる成分を感知する嗅覚受容体遺伝子OR5A1の突然変異型を持つ人は、β-イオノンを嗅ぎ分けにくい性質を持ち、同時に酸っぱい香り、辛い香りなどに対して、好ましく感じない傾向があることがわかりました。
 
ほかの動物よりも嗅覚が劣っている人間でも、嗅覚受容体遺伝子は、遺伝子全体の約1%を占めています。それだけに香りに対する感受性に遺伝子が関係しているという仮説は、非常に興味あるものです。
 
同じリンゴやバナナの香り、焼き肉、ウナギの蒲焼の香りなどを嗅いでも、もしかしたら全く違う感覚でその香りを嗅いでいるのかもしれません。
 
香りの世界、深いですね!
 
Sara R. Jaeger, Jeremy F. McRae, Christina M. Bava, Michelle K. Beresford, Denise Hunter, Yilin Jia, Sok Leang Chheang, David Jin, Mei Peng, Joanna C. Gamble, Kelly R. Atkinson, Lauren G. Axten, Amy G. Paisley, Leah Tooman, Benedicte Pineau, Simon A. Rouse, Richard D. Newcomb. A Mendelian Trait for Olfactory Sensitivity Affects Odor Experience and Food SelectionCurrent Biology, 2013
 
 
カナダのカルガリー大学の研究によると、短期的に高濃度のオゾンを浴びることで、虫垂炎のリスクが上昇していることが明らかになり、2013年7月31日のオンライン版Environmental Health Perspectivesで紹介されました。
 
研究者らは2004年から2008年の間にカナダ12都市で虫垂炎になった35,811人の患者のデータと、12の都市の最大オゾン濃度の関係について解析しました。
 
その結果、7日間の累積オゾン濃度が16ppb上昇することで、虫垂炎の発症リスクが7%高まり、さらに虫垂炎のうちの「穿孔性虫垂炎」の発症リスクが22%上昇するという結果になりました。
 
オゾンは、大気中で「OHラジカル」という非常に反応性が高く不安定な分子を生成させ、これがメタンなどと反応するため、温室効果ガスの大気中濃度に影響を与え環境(大気)汚染物質として心配されています。
 
日本ではオゾン濃度の上昇による健康への悪影響がほとんど紹介されていません。メカニズムなど詳しいことは明記されていませんが、ちょっと怖い研究結果だったので紹介しました。
 
Kaplan GG, et al "Ambient ozone concentrations and the risk of perforated and nonperforated appendicitis: A multicity case-crossover study" Environ Health Perspect 2013

 
アメリカ人の女性を対象とした調査結果によると、背が高い閉経後女性は、さまざまながんになるリスクが高いことが明らかになり、2013年7月のCancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionという雑誌で紹介されました。
 
この調査はアメリカアルバート・アインスタイン大学のGeoffrey C. Kabat博士らが、「女性の健康イニシアチブ(WHI)」という144701人を対象とした大規模調査の結果を分析。そのうち20,928人が12年間の調査期間中に1度以上がんと診断され、その人たちの身長、体重、身体活動性などを分析しました。
 
その結果、10センチ背が高いくなるごとにがんになるリスクが13%も上昇することがわかりました。この傾向は、19種類の異なるがんごとに調べた結果を見ても違いはなかったそうで、背が高くなるにつれてどのがんもリスクが高くなったそうです。
 
さらに、皮膚がん乳がん卵巣がん、子宮がん、大腸がんのリスクに13%〜17%の増加、腎臓がん直腸がん、甲状腺がん、血液のがんのリスクに23%〜29%の増加がありました。
 
この結果について研究者らは、背の高い女性の方がよりホルモン分泌や成長因子の分泌が活発で、それががんの発生にも関係しているのではないかと分析しています。
 
多民族国家のアメリカだと、背が高い人種と、背が低い人種があり、人種差がどう関係しているか気になりました。
 
日本で行われた体格と乳がんの関係に関するコホート研究では、
閉経後の女性のBMIと、閉経に関係なく身長の上昇とともに乳がんのリスクが高くなることが明らかになっています。
 
Geoffrey C. Kabat, Matthew L. Anderson, Moonseong Heo, H. Dean Hosgood III, Victor Kamensky, Jennifer W. Bea, Lifang Hou, Dorothy S. Lane, Jean Wactawski-Wende, JoAnn E. Manson, and Thomas E. Rohan. Adult Stature and Risk of Cancer at Different Anatomic Sites in a Cohort of Postmenopausal WomenCancer Epidemiol Biomarkers Prev, July 25, 2013


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