|
英国・エクセター大学Christopher E. Clark博士らがLancet 2012年1月30日オンライン版に発表した研究で、測定された血圧が左右の腕で異なる場合、それが心血管疾患と、死亡リスクの危険信号であることが明らかになりました。
博 士らはこれまでの研究で、左右の腕で測定された収縮期血圧が異なることが、末梢血管疾患に関連していることが示唆されているため、発表された関連する研究 をメタ分析し、左右の血圧の違いと、心血管および末梢血管疾患、鎖骨下動脈狭窄症と、死亡リスクとの関係を分析しました。
2011年7月ま でに発表された、左右の腕で測定された血圧の違いと鎖骨下動脈狭窄症、末梢血管疾患、脳血管疾患、循環器疾患、および生存率に関する18歳以上を分析対象 とした、20の研究からデータを得て、調査分析した結果、収縮期血圧が左右で15㎜Hg以上異なると、心血管系の原因による死亡リスクが70%も高くな り、また原因を問わず死亡リスクが60%高いことも明らかになりました。
また末梢血管疾患の場合は96%、脳血管疾患の場合は93%がこの左右の収縮期血圧の15㎜Hg 以上の違いが見られることもわかりました。
博士らはこの結果から、こうした血圧が左右の腕で15㎜Hg 以上異なる人はハイリスク・グループとして心血管疾患の詳しい検査を行うことが求められリスク要因を徹底的に管理する必要があるだろうとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Lancet 2012年1月30日オンライン版
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2013年12月04日
|
締め切りに追われつつ老人ホームで書道レッスン。ここ数ヶ月、短気ですぐに怒鳴るおばあちゃんが今日はおとなしく10枚書いた。こういうちっぽけないいことがハッピーな気分にしてくれる。でも来週はまた忘れちゃうだよね。まあいいや。原稿作成がんばる気になりました。
http://antiaging1.iza.ne.jp/images/user/20120212/1712987.jpg |
|
米国・テキサス州ブルック陸軍医療センターのStephen Harrison医学博士軍医中佐らがHepatology
2012年2月号に発表した研究で、カフェイン入りのコーヒーを飲み続けることが、非アル コール性脂肪性肝炎から肝線維症に進行するリスクを低減させる効果があることが明らかになりました。
米国では肥満の増加が著しく、それに伴い非アルコール性脂肪肝がB型C型肝炎を凌ぐ慢性肝臓疾患の最大の要因となっています。そして脂肪性肝炎患者の約10%が15年ほどで肝炎からより深刻な病態である肝硬変へと進行していくと考えられています。
博士らはこれまでの研究で、コーヒーが肝疾患リスク低下と関係があると示唆されていたため今回の研究を企画し、脂肪肝と非アルコール性脂肪性肝炎で通院治療中の患者306人のコーヒー消費状況と肝臓の状態に関して調査しました。
被 験者は、①超音波検査で異常がないことが明らかな対照グループ、②脂肪肝のグループ、③非アルコール性脂肪肝炎ステージ0〜1(線維症がある)、④非アル コール性脂肪肝炎ステージ2〜4(線維症がより進んでいる)、以上4グループに分けてコーヒーの消費量とカフェインの摂取量と病態の関係を詳しく分析しま した。
その結果、コーヒー消費量と非アルコール性脂肪肝炎の肝臓の線維化進行に、負の相関があり、コーヒーを多く消費しているほど、肝線維 症リスクが低下することが分かりました。博士らはこの結果から、非アルコール性脂肪肝炎の患者は、適度にコーヒーを飲むことで、肝線維症の進行による肝機 能の増悪のリスクを低下させる可能性が高いので、今後はコーヒーの効果について、臨床でさらに継続的に研究を進めたいとしています。
|
|
アイスランド・レイキャビク大学のLara G. Sigurdardottir博士らが、2012年2月2〜4日まで米国・サンフランシスコ市で開催された2012年尿生殖器がんシンポジウムで発表した 研究で、不眠症など睡眠に重篤な問題を長期間抱える高齢男性は、そうではない男性よりも前立腺がんに罹患するリスクが約2倍も高いことが明らかになりまし た。
博士らは前立腺がん患者ではない2102人の男性を継続的に調査し、不眠などの睡眠上の問題と前立腺がんリスクとの関係を分析しまし た。調査開始時点で調査対象者全体の8.7%が、入眠と中途覚醒に大きな問題を抱えており、非常に重い睡眠障害が5.7%でした。調査開始から平均5年経 過した時点で、調査対象者の6.4%が前立腺がんと診断されました。
睡眠に関する問題を抱える男性とそうではない男性の前立腺がん発症リス クを、年齢、家族歴、その他の発症リスク要因を取り除いた上で比較した結果、睡眠に問題を抱える男性は70%も前立腺がん発症リスクが高いことが明らかに なりました。さらに非常に重い睡眠障害を抱える男性の場合は、さらにリスクが高く2.1倍でした。また前立腺がんの進行状態との関係では、ステージT3以 上に進行した患者に関して、睡眠に問題を抱えるものは2.1倍、非常に重い睡眠障害は3.2倍もリスクが高いことも明らかになりました。
こ の結果について博士らは、短期間の睡眠の問題ではなく10年、20年も睡眠に問題を抱え続けた場合、免疫システムなどに問題が生じ、前立腺がんリスクが高 まるのではないかとし、今後は睡眠に関して抱えた問題を治療して改善した場合には、リスク低下しうるのかどうか検証する必要があるだろうとしています。
|
|
紫外線をたくさん浴びると皮膚がんなどのリスクが高まることはすでに報告されていますが、1万6千人にも及ぶ研究データを分析した結果、十分に紫外線を浴びないと脳卒中のリスクが56%も高まることが、米国アラバマ大学のLeslie McClure博士らによって、アメリカ脳卒中協会の国際脳卒中会議で報告されました。
ビタミンDは、ヒトの皮膚が紫外線B波に接したときに体内で生産されるビタミンです。食品ではキノコ類、乳製品、卵黄、ウナギなどに含まれています。
これは45歳以上の16529人を対象にした、REGARDSと呼ばれる研究で、居住地域および人種の違いによる心臓病の発症について調べたものです。参加者は6か月ごとに心血管病の発症の有無を検査し、生まれた場所や現在住んでいる場所について、質問表に回答し、5年間フォローアップされました。また、日光に曝露された量や温度を正確に測定するために、NASAからの衛星と地上のモニターのデータも活用しました。さらに年齢、人種、教育水準、収縮期血圧、性別、所得、身体活動、テレビの視聴時間、BMIなどを考慮して調整・分析した結果、日光に曝露された時間が短いこと、極端に温度が高い地域や低い地域に住むことが、脳卒中のリスクを高めている可能性があることが明らかになりました。
さらに研究者らは、21400人の65歳以上の研究参加者に、5年間にわたり、半年ごとに脳卒中が起きたかどうかと、認知機能の低下について調べつづけました。この研究では、参加者に1年間、食生活に関する質問も実施。その結果、食生活の内容を分析してみると、ビタミンDのレベルが高い人はそうでない人に比べて、脳卒中のリスクが11%低く、認知障害のリスクも 24%低いことが明らかになりました。
もともとビタミンDは、骨の健康に必要なものであると言われていましたが、さまざまな研究の結果、ビタミンDには、炎症を抑制したり、免疫機能を高めたり、血管や心臓の機能を改善したり、認知や情緒に関する脳の機能も改善することが報告され、細胞そのものの老化予防のために、注目されているビタミンで、さらなる研究結果が待たれるとことです
|


