宇山恵子の取材日記

オールアバウト「アンチエイジング」ガイド宇山恵子が取材した健康、医療、ヨガ、エンタメ情報などをお伝えします。

海外の健康ニュース

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わが国の統計データによると40歳時点で未婚の人は既婚の人に比べて男女とも平均余命が短いことが分かっています。米国での疫学調査でも男女とも独身者が既婚者よりも寿命が短いというレポートが発表されています。

生涯未婚率が高まっているわが国の将来が気になるところですが、長寿を期待してとにかく結婚しさえすれば健康によいのかといえば、必ずしも常にかつ皆がそうであるとは言えないという調査結果が米国・オハイオ州立大学のHui Zheng博士らがJournal of Health and Social Behavior 2013115日オンライン版に発表されました。

博士らは米国・国民健康聞き取り調査として1986年から2006年に集められた789.096人(2006年までに対象者のうち24.095人が死亡)のデータを分析して、結婚と健康、死亡リスクの関係を分析しました。

健康状態の自己評価を含むデータを分析した結果、①たとえ既婚者本人が良好な健康状態に結婚がプラスであると見な していても、実際の健康状態の悪化による死亡リスクの防御作用はないこと、②すでに健康状態が良くない人は結婚しても健康にプラスのメリットがないこと、 ③既婚者は未婚者や単身者に比べて自分の健康状態を過大評価する傾向が高いこと、などが分かりました。

今回の研究結果について博士らは、結婚は良好な健康状態を維持する予防機能としては重要だが、重篤な疾患に陥った 場合には助けにはならないこと、既婚者は配偶者のサポートがあるため、単身者よりも健康状態が極端に悪化しないと自己の健康状態の評価を下げず、下げると きには致命的な状態であることが多いことも明らかになったとしています。

しかしながら、確かに結婚が健康な生活を維持し長寿に寄与していることは明らかで、あくまでも今回の結果から考えるべき点は結婚が万能ではなく、結婚しても健康状態が改善するわけではないこと、死に至るような重篤な疾患を回復させるまでの力はないことであるとしています。
 
Journal of Health and Social Behavior 2013115日オンライン版
 
加齢に伴う筋肉の減少は、45歳頃から始まるともいわれています。高齢者では加齢による体内の筋肉の合成と分解のバランスの崩れによる筋肉量の減少と筋力低下(サルコペニアといわれます)が生じ、ついにはロコモティブシンドロームを経て、寝たきりにまで至ることもあります。
 
したがって中・高齢者にとっては、生活の質を維持する上で重要な健康上の問題であり、どうやって筋肉量の減少を防ぐかが大事になりますが、カナダ・マクマスター大学のStuart M. Phillips博士らがApplied Physiology, Nutrition, and Metabolism 20132月号に発表した研究で、運動の後にしっかり(170g)牛肉を食べることで、筋肉タンパク質の合成が効果的に進むことが明らかになりました。
 
博士らは35人の被験者(平均年齢59歳)を対象に実験を行いました。実験では被験者が牛挽き肉(赤身85%)を、170g(タンパク質36g)、113g(同24g)、57g(同12g)、0gの5段階の量を食べて、その上で運動を行ったときと、運動を行わないときの筋肉タンパク質の合成に与える効果が調べられました。
 
データを分析した結果、運動の有無に関わらず、170g食べたときに最も筋肉タンパク質の合成率が高いこと、つまり最も効率よく筋線維が形成されることがわかりました。
 
博士らはカナダで健康のために推奨される摂取量の2倍の量ではあるが、170g牛肉を食べることが、筋タンパク質合成率を上昇させる刺激として必要なのだとしています。
 
Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism 20132月号


 
 
女性の妊娠前や妊娠中の喫煙は、生まれてくる子供の健康に、さまざまな面で大きなマイナスの影響を与えることは良く知られていますが、米国・ロサンゼルス生物医学研究所(LA BioMed)のJohn S. Torday博士らが、Review of Obstetrics & Gynecology 20133月号に発表したラットを使用した実験研究で、母親が妊娠中に喫煙して、その影響を受けて生まれた子供から生まれた、すなわち喫煙祖母の孫は母親が妊娠中に喫煙しなくても、祖母の影響で、ぜん息を起こすことが明らかになりました。
 
博士らは妊娠中のラットにニコチンを投与し、後の世代のぜん息の発症との関係を調べ、上記の結果を得ました。
 
博 士はこの結果は、ニコチンが胎児のゲノムにエピジェネティックス(遺伝子自体の変異ではなく後生的に遺伝子に新たなマーキングが生じる)を生じさせ、その 結果として後の世代までより敏感で変化に感応しやすい呼吸器の状態をもたらしてしまうことを示唆しているとしています。
 
そして今回の結果は、妊娠中の環境因子は胎児のみならず、後の世代まで影響してしまう1例であり、なぜ遺伝性の病気の98%もが、遺伝特性の伝達の理論であるとされるメンデルの法則では説明不可能なのかが、今回のエピジェネティックスによる複数世代間伝達で説明できることも示しているとしています。
 
博士らはぜん息は子供の病気の中で最も多く見られる慢性疾患であり、妊婦の喫煙はその原因の1つで、かつ他の要因よりも容易に避けることが可能である、また子孫にまで影響を及ぼすことも明らかになったので、絶対に止めるべきであるとしています。
 
Review of Obstetrics & Gynecology 20133月号


 
心肺持久力とは全身持久力とも呼ばれ、心臓や肺の機能に依存する身体のスタミナや粘り強さのことで、有酸素運動の能力と密接な関係があります。
 
 
したがって心肺持久力は最大酸素摂取量を指標として評価さてれます。この心肺持久力が中年期の4050歳代で高い人は、将来の認知症リスクが低いことが、米国・テキサス州ダラス市クーパー研究所(有酸素運動のプログラムとしてエアロビクスを開発した運動生理学者ケネス・クーパー博士が設立)のLaura F. DeFina博士らが、Annals of Internal Medicine 201325日号に発表した研究で明らかになりました。
 
 
 
博士らは19.458人の被験者の心肺持久力と、健康状態に関する長期間のデータを分析しました。
 
 
 
その結果50歳前後の時期に心肺持久力が同世代の上位25%に属する人は、下位25%だった人に比べて、65歳以降で認知症と診断される率が、36%も低いことが分かりました。
 
 
 
そしてこうした心肺持久力による認知症のリスクの差は、50代以降に生じた脳血管疾患の有無とは無関係でした。
 
 
 
博士らは、①中年期の心肺持久力の高さは認知症のリスクファクターである糖尿病や高血圧のリスクを低下させている こと、②心肺持久力の高さは脳の大きさや脳神経の可塑性、神経栄養素などの要因とも関係していることが示唆されている、などの背景によって、こうした認知 症リスクの低下につながっているのではないかとしています。
 
 
Annals of Internal Medicine 201325日号
 
呼気検査といえば飲酒運転の検問で使用されるアルコール検査が良く知られていますが、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのPaul Thomas教授らが、Journal of Breath Research 20133月号に発表した研究で、呼気を検査するだけで、被験者のストレス度を測定できる方法が、開発可能であることが、明らかになりました。
 
教授らは青年22人(男性10人女性12人)を被験者として実験を行いました。被験者は実験を通してずっと心拍数と血圧が測定され、開始時点で呼気のサンプルが採取されました。
 
そして被験者に対し、ストレスを誘発することで知られている暗算テストが実施され、この暗算テスト終了後に、再度呼気サンプルが採取されました。
 
呼気サンプルはガスクロマトグラフィー質量分析法を用いて詳しく分析されました。
 
データを詳しく解析した結果、ストレスにより呼気中の6つの物質の増減が確認されました。
 
暗算テストによるストレスを受けた後の呼気には、開始時点よりも「2メチルペンタデカン」と「インドール」という物質が増加しており、また4つの物質が開始時点よりも減少していました。
 
教授らは今回の結果がわずかな人数と限定されたストレス環境によるものであることから、もっと多くの被験者によって、さまざまなストレス状況での調査をする必要があるが、呼気のストレスマーカーで、その人のストレス度が測定できるようになれば、言語機能を失った人や、認知症の患者のストレス度を測定したりできるようになって、介護にも役立つことも考えられるなど、利点がたくさんあるので、実用化へ向けてさらに研究を進めたいとしています。
 
Journal of Breath Research 20133月号


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