宇山恵子の取材日記

オールアバウト「アンチエイジング」ガイド宇山恵子が取材した健康、医療、ヨガ、エンタメ情報などをお伝えします。

海外の健康ニュース

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
カロリー制限で認知症の発症が防げる可能性!
 
 
 
カロリー制限することがさまざまな生物種の寿命を延ばしたり、加齢ともに増加するアルツハイマー病などで見られる神経変性に伴う脳の変化を遅らせたり少なくさせる可能性などがこれまでの実験研究で示唆されていますが、マサチューセッツ工科大学のJohannes Gr?ff博士らがThe Journal of Neuroscience 2013522日号に発表したマウスを使用した実験研究でカロリー制限することが、老化に伴って生じる脳の劣化を防ぐ働きをしているのではないかとされているサーチュイン1という酵素を活性化することが明らかになりました。
 
これまでの研究からサーチュイン1が脳の劣化を防ぐことが示唆されており、カロリー制限がこの酵素の活動と繋がっているのではないかと考えた博士らは加齢に伴う脳神経の劣化がより早く進むタイプの遺伝形質を持つように操作して生まれたマウスを使用して実験を行いました。
 
これらのマウスに通常より30%カロリーを減少させた食事を3ヶ月与え、学習と記憶のテストを行い、通常のカロリーを与えたマウスと比較しました。その結果、30%カロリーを制限された食事を与えられたマウスは通常よりも脳神経変性が遅く始まっただけでなく、学習と記憶能力の劣化からも免れていました。
 
次に博士らは同種のマウスにサーチュイン1を経口投与したところカロリー制限と同様の効果があることが分かりました。
 
博士らは今後、マウス以外でもこうした効果があるのかどうかについて詳しい研究を実施したいとしています。
 
The Journal of Neuroscience 2013522日号
 
 
サッカーの国際大会コンフェデレーションズカップのブラジル戦では残念な結果に終わってしまった日本代表ですが、サッカーのエキサイティングな魅力のひとつに、ヘディングがあります。
 
ニューヨークのアルバートアインシュタイン医科大学のMicheal M Lipton博士らの研究によると、サッカーのヘディングを繰り返すことで、脳の白質が損傷され、記憶力が低下する可能性があることがわかり、2013年 6月11日付のオンライン版「Radiology」に発表されました。
 
この研究は平均年齢31歳で、サッカー歴22年のアマチュアサッカー選手37人を対象に行ったもので、練習中と試合中のヘディングの回数、脳震盪を起こした経験の有無、記憶力テスト、MRI検査などを行いました。
 
その結果、選手たちは平均して1試合に6〜12回ヘッディングをしており、年間では32回から5400回ヘディングをするという、選手ごとの大きなばらつきが見られ、今回の被験者のヘディング回数の平均は432回でした。
 
結果を分析した結果、年間1800回以上のヘディングを行う選手は、脳の白質に損傷が見られ、記憶力に問題があることがわかりました。脳震盪の経験の有無は関係していませんでした。
 
この結果について、研究者は、今すぐにヘディングの危険性を指摘する必要はないものの、選手の健康と安全なプレーのために、さらなる研究が必要で、その結果をもとに適切なヘディングの回数などを推奨する必要があることを指摘しています。
 
Lipton M, et al "Soccer heading is associated with white matter microstructural and cognitive abnormalities" Radiology 2013
 
音楽に色を感じるのは情動が媒介しているため!
  
私たちは歌詞のない音楽、例えば明るい長調の曲に明るい色を感じたり、短調の暗い音楽に灰色を帯びた色を感じたりすることがあります。

歌の場合は歌詞がさまざまなビジュアルイメージを喚起させるので、それがさまざまな色を持つイメージに繋がるのは容易に理解できますが、歌詞のないインスツルメンタル・ミュージックでも色を感じるのは、なぜなのかあまり明らかになっていませんでした。

米国カリフォルニア大学バークレー校のStephen Palmer博士らは音楽と色彩の関係について実験を行い、音楽が色彩のイメージを喚起するのは、共通の情動が媒介しているためであるとの研究結果を、Proceedings of the National Academy of Sciences 2013513日オンライン版に発表しました。

博士らはサンフランシスコ近郊に住む米国人と、メキシコ・グアダラハラ市に住む合わせて約100人の被験者を対象に実験を行いました。

被験者はまず最初にオーケストラの演奏するバッハ、モーツァルト、ブラームスのテンポが遅い、中ぐらい、速いの3種類、曲調が長調、短調の2種類からなる合計18曲のクラシック音楽を聴き、目の前にある複数の色彩プレートからその曲を聴いて、マッチすると感じる色彩プレートを5枚選択しました。

色彩プレートは赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、青緑、青、紫で、それぞれ彩度が4段階に分かれていました。

そして色彩プレートを選択した後で、被験者は18曲のそれぞれの曲を聴いて生じた感情を、幸福か悲しみか、強さか弱さか、快活か物憂いか、怒りか冷静か、の4つの尺度で評価しました。

次の実験では被験者は同じ18曲を聴いて音楽にマッチしたさまざまな感情を表出した顔の写真を選び、さらにその表情にマッチした色彩プレートを選びました。

データを分析した結果、米国人とメキシコ人は同様にテンポの速い長調の曲には鮮やかな黄色やオレンジ色を感じ、また幸福な表情に結びついていました。

一方、遅い単調の曲には鮮やかさがない暗い色調の青を感じ、悲しげな表情と結びついていました。第二の実験から幸福な表情には黄色などで明るい色が、怒りの表情には暗い赤が連想されることも明らかになりました。

こうした結果から、博士らは音楽か喚起される色彩は音楽が生じさせる共通の情動が元になり媒介することで生じていると考えられることが分かったとしています。ちなみに今回の実験で使用されたモーツァルトのフルート協奏曲第1番ト長調からは明るい黄色やオレンジ色が選ばれ、ニ短調のレクイエムからは暗い青灰色が最も多く選ばれたということです。
 
Proceedings of the National Academy of Sciences 2013513日オンライン版
 
 
日本では一般にセクシャルハラスメントの被害者は女性、加害者は男性という事例がほとんどであり、またそうしたステレオタイプな見方が定着しています。しかし女性がより積極的だったり、性的志向の多様性を許容する文化を持つ地域や国では、当然のこととして男性もセクハラの被害者になり得ます。
 
米国・ミシガン州立大学のNiCole Buchanan博士らがBody Image 2013419日オンライン版に発表した研究で、セクハラを経験した男性は、必ずしも女性よりもタフなわけではなく、嘔吐したり、体重を減らすために下剤や利尿剤を使用したりする傾向は女性よりも高いことが明らかになりました。
 
ボディ・イメージに対する評価と学生同士の評価、特に体型に対する他者からの言葉はセクハラであり不安障害、抑うつ、摂食障害と密接な繋がりがあることが、これまでにも示唆されています。
 
そこで博士らは自己のボディ・イメージ(体重や体型)に対する評価、摂食に関する行動(摂食障害に通じる異常行動も含む)、セクシャルハラスメント経験の関係を明らかにするため、大学生2.446人(男性731人女性1.715人)を対象に調査しました。
 
データを詳しく分析した結果、女性のほうがよりセクハラ経験を持ち、体重や体型を気にしており、セクハラ経験が過食や拒食などの摂食行動に影響を及ぼしていることが分かりました。
 
しかしながらセクハラを受けた男性は、女性以上にセクハラ経験が増加するにつれて、食べては嘔吐したり、下剤や利尿剤を使用して体重を減らそうとする代償性行動が、より増加する相関性が高いことが明らかになりました。
 
この結果について博士らは、伝統的に男性はセクハラに動じないと考えられてきたが体型に対してのセクハラで減量することに関しては女性以上に大きな影響を受けてしまう可能性があることが分かったことは大変興味深く今後さらに研究を進めたいとしています。
 
 
 
日本では江戸時代から武士以外の庶民でも子供の将来のために読み書きそろばんを身につけさせることが大事であるとして寺子屋教育が普及していましたが、その入学年齢は通常6歳から8歳頃だったといわれています。

わが国を含めて多くの国の初等教育が満6歳頃を入学年齢としていますが、英国・エディンバラ大学のStuart Ritchie博士らがPsychological Science 201352日オンライン版に発表した研究で、7歳のときの算数と読解読字能力が、数十年後における社会経済的地位に大きく関係していることが明らかになりました。

博士らは英国内で1958年以降に生まれた17.000人のデータを使用して、子供時代の算数と読解読字能力と将来の社会経済的地位との関係を分析しました。

その結果、7歳時点での算数と読解読字能力が高かった人は、35年後の42歳時点で、より高所得で、より良い家に住み、より社会的評価の高い職業に就いていることが分かりました。

そして他の要因を考慮しても、長期的にこうした相関性が統計的に有意に存在することが明らかになりました。

博士らの分析結果によると、例えば7歳時点の読解読字力の成績が1段階上がるごとに、42歳時点で5.000ポンド年収が高くなる関係が見出されたということです。

博士らは今回の結果は学齢初期の段階での算数能力と読解読字能力を向上させることは、子供の将来の社会経済的地位に大きく影響を与えられることを示唆しているとしています。
 
Psychological Science, 201352日 オンライン版


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事