宇山恵子の取材日記

オールアバウト「アンチエイジング」ガイド宇山恵子が取材した健康、医療、ヨガ、エンタメ情報などをお伝えします。

海外の健康ニュース

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イヌやネコなどのペットを飼うことで、心臓病の発症リスクが低下することが、米国ヒューストンベイラー医科大学のGlenn N. Levine教授らが行った過去の研究データの分析によって明らかになり、510日付のCirculationに掲載されました。
 
  研究者らは、過去に実施された研究データを分析し、ペット、特にイヌを飼うことで飼い主の運動能力が高まり、肥満が予防され、総コレステロール値が改善 し、血圧の上昇を抑制し、ストレスを引き起こす原因のひとつである交感神経系の働きが高まるのを抑制するということを突き止めました。
 
 一方で、ペットを飼うことによる心血管リスクの低下は、特に動脈硬化の発症リスクが高い人には効果がありますが、健康な人ではペットがいてもいなくても差異は見られませんでした。
 
 またネコを飼うことについての詳細な健康効果のデータは少なく、イヌも大型犬か小型犬かなど、イヌの種類に関する詳しい分析はされていなかったので、今後のさらなる研究成果が待たれます。
 
 
Levine GN, et al "Pet ownership and cardiovascular risk: A scientific statement from the American Heart Association" Circulation 2013; 127.
 
 

 
いじめの問題は、わが国のみならず、欧米各国でも問題とされどのようにこの問題に対処すべきかさまざまな議論がなされているようですが、英国・コヴェントリー市にあるウォーリック大学のDieter Wolke博士らが、Child Abuse & Neglect 2013425日オンライン版に発表した研究で、親の子供への虐待、放置放任、過保護が、いじめの背景に存在することが明らかになりました。
 
博士らはいじめと子育てなどに関する総計2万人以上の子供を対象とした70以上の研究をメタ分析しました。その結果、親が虐待したり放置したり、非適応的な子育てをしていると子供がいじめの被害者と被害者でもあり加害者にもなるリスクが増大していることが分かりました。
 
さらに詳細な分析の結果、親の子供に対する否定的、もしくは厳しすぎる養育態度は、いじめの被害者でもあり、いじめの加害者にもなる子供になるリスクを中程度増加させていること、また被害者になるリスクを少程度増加させていることが分かりました。
 
一方親子のコミュニケーションが良く、あたたかい中にも筋の通った養育態度の家庭の子供は、いじめの被害から守られていることも明らかになりました。
 
今回の研究結果から博士らはいじめを予防するためには学校内のみならず、家庭まで含めて対策を講じる必要があること、そして予防対策は子供が学齢に達してからではなく、就学以前の家庭内に及んで開始する必要があるとしています。
 
 
Child Abuse & Neglect 2013425日オンライン版
 
摂食障害は重篤な場合は死に至る疾患ですが、こうした摂食障害の患者は多くの場合、摂食障害ではない人々と比べて、過度に痩せた体型を美しいと感じる身体認知の歪み、ボディ・イメージの障害を持っているといわれています。
 
こうした身体認知の歪みを背景としてやせるために、より過剰な節食、拒食に陥るだけではなく、過度な運動を行う場合もあります。
 
米国・オハイオ州オックスフォードにあるマイアミ大学のApril R. Smith博士らがPsychiatry Research 2013430日号に発表した研究で、摂食障害患者の過度な運動は自殺の予兆であることが明らかになりました。
 
自殺研究の第一人者で「人はなぜ自殺するのか」の著者であるフロリダ州立大学のトーマス・ジョイナー教授によると、自殺者には自傷・自殺未遂など恐怖や痛みを伴う体験を繰り返すことで身につく自殺を決行するに至る能力である「身についた自殺潜在能力」があるとしていますが、今回の研究でApril R. Smith博士らは、摂食障害患者の過度な運動は上記の「身についた自殺潜在能力」と密接な関係があることを明らかにしています。
 
博士らは今回の研究で摂食障害患者と女子大生を対象に4回(調査対象者は合計1354人)の調査を実施し、過食と過度な運動と「身についた自殺潜在能力」と実際の自殺企図の関係を分析した結果、非常に危険な摂食障害患者の過度な運動が苦痛と苦痛に対する耐性に結びつき、それが「身についた自殺潜在能力」に収束していくことが分かったとしています。
 
Psychiatry Research 2013430日号
 

 
 
 
メタボリックシンドロームによって生じる体組織のダメージが、ブドウを食べることで防げることが、米国・ミシガン大学のE. Mitchell Seymour博士らが201342024日にボストンで開催されたExperimental Biology 2013で発表した研究で、明らかになりました。
 
博士らは肥満したラットにアメリカンスタイルの食事内容と同様の高脂肪・高カロリーのエサを90日間与え、ブドウの効果を調べました。
 
実験で肥満ラットは上記のアメリカンスタイルのエサのみでブドウなしのグループと同じエサに加えてフリーズドライのブドウ(赤、緑、黒の各種ブドウのブレンド)を与えられたグループの2グループに分けられ、心臓、肝臓、腎臓、脂肪組織にどのような影響が出るかを詳しく調べられました。
 
その結果、ブドウを食べていたグループの肥満ラットの炎症マーカー値が有意に低下しおり、特筆すべきこととして、腹部と肝臓の脂肪組織が減少していました。
 
これらのラットはブドウなしのグループと比較して、肝臓、腎臓、腹部の脂肪の総量が減少しており、肝臓と腎臓の抗酸化を防いでいることを示す数値が上昇していました。
 
この結果から博士らは、メタボリックシンドロームによる酸化ストレスと炎症が、心血管疾患や2糖尿病の進行に大きな役割を果していることは良く知られているが、ブドウを食べることが、こうした炎症作用を防ぐ効果があることが分かったので、ぜひブドウをたくさん食べるよう心がけて欲しいとしています。
 
Experimental Biology 2013
ミシガン大学プレスリリース 2013.4.22

 
 
東京マラソンや青梅マラソン、ホノルルマラソン、各地で観光資源ともなりうることから参加型マラソンの開催数も増加の一途です。
 
かつては特別な能力を持つアスリートにのみ許される競技と考えられていたマラソンも、今では気軽に参加できる身近なスポーツとなりましたが、ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学などの研究チームが、BMJ・OPEN2013419日付けに発表した研究で、マラソン参加前に鎮痛剤を服用すると、予想外の深刻な副作用が現れる可能性があることが明らかになりました。
 
研究チームは2010年に開催されたボン・マラソン参加者に質問表を配布し、競技後3.913人の参加者から回答を得て、その内容を詳しく分析しました。
 
レース参加前に鎮痛薬を服用していた参加者の20%は、参加前のトレーニング期間にも何らかの痛みを緩和するために鎮痛薬を服用しており、10%がレース前にどこかに痛みを抱えていました。
 
一方鎮痛薬を服用していない参加者で、痛みを抱えていた人はわずかに1%に過ぎませんでした。
 
鎮痛薬を服用していた参加者の54%が医師の処方せんではなく、個人的にジクロフェナク(ボルタレン)、アスピリン、イブプロフェンなどの市販薬を購入し服用していました。
 
体調不良による途中棄権率は、鎮痛薬服用者もそうでない参加者も、変わりませんでしたが、筋肉痛による棄権は、服用者よりも非服用者のほうが有意に高いこともわかりました。
 
しかしながら胃腸の不良での棄権率は鎮痛薬服用者が有意に高く、また胃けいれん、心血管障害、消化管出血、血尿、関節・筋肉痛などの症状での棄権率は、鎮痛薬服用者が5倍も高く、服薬量に比例してリスクが高まっていることも分かりました。
 
研究チームは、鎮痛薬は痛みに関わる物質であるプロスタグランジンの産生を制御する酵素を阻害することで機能していますが、プロスタグランジンはマラソンなど肉体が極度なストレスにさらされた時に、組織を保護する機能も果していることから、このような結果につながっていると考えられるので、今後も研究を進めて、マラソン参加前に服用してもよいかどうかを明確にしたいとしています。
 
BMJ・OPEN2013419


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