宇山恵子の取材日記

オールアバウト「アンチエイジング」ガイド宇山恵子が取材した健康、医療、ヨガ、エンタメ情報などをお伝えします。

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睡眠の質を高めるのは、昼間に運動するなどしっかり体を動かすことが重要であり、効果的であることはさまざまな研究で明らかになっていますが、米国・ペンシルベニア州ピッツバーグ大学のRebeccaThurston博士らが、Menopause 2013325日オンライン版に発表した研究で、体をよく動かすことがホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)や寝汗で悩む更年期女性の睡眠の質を改善するのにも効果的であることが明らかになりました。
 
博士らは運動が睡眠の改善効果を持つ事は明らかにされていましたが、ホットフラッシュに悩む更年期女性に関しての実証研究がなかった事から、52人の更年期女性(白人27名黒人25名年齢5463歳)を対象に調査を行いました。
 
被験者は4日間昼夜アクテイグラフという睡眠や身体活動を細かく記録できるセンサーを身につけ、また被験者自身でその間日誌に睡眠の時間や質と運動時間やその強度、日常の家事や育児に関わる作業とその労働強度などを記入しました。
 
得られたデータを分析した結果、日中に高い強度の身体活動をすることが、睡眠の質を高め、睡眠途中での目覚めなどを減らすことがわかりました。
 
詳しく分析すると、スポーツなどで体を動かすよりも、日常の家事育児に関わる作業が、より睡眠の質に対して影響力が大きいこと、白人女性で肥満していない人に関して、特に上記の傾向が高いことなども明らかになりました。
 
博士らは今回の研究結果から、更年期で睡眠の質が低下している女性は、家族の世話や家事などの日常作業でしっかり体を動かすことが改善につながるので重要だとしています。
 
Menopause 2013325日オンライン版
 
 
 
わが国ではメタボリックシンドロームの予防啓発キャンペーンで、腹囲が強調されすぎたせいか、残念ながらメタボという言葉が意味も把握せずに肥満した太鼓腹の人間を揶揄する表現として使用されるような傾向もあります。
 
メタボリックシンドロームとは、お腹の内臓脂肪の増加による中心性肥満(わが国では腹囲が男性85cm、女性90cm以上)と高血糖、高血圧、脂質異常症(高脂血症)の2つ以上を合併した状態で、動脈硬化2糖尿病などの生活習慣病の発症に?がるため予防と対策が必要となるわけです。
 
このメタボリックシンドロームの予防と治療にローズマリーの抽出物が効果を持つ可能性のあることが、世界最大のスパイスメーカーである米国・マコーミック社の研究チームが、Journal of Agricultural and Food Chemistry 2013320日号に発表した研究で、明らかになりました。
 
研究チームはこれまでのマウスを使用した研究で、ローズマリー抽出物が血糖値とコレステロール値を下げ、高脂肪食を与えた実験では、ローズマリー抽出物を一緒に与えたグループは、そうでないグループよりも60%以上も体重を減らす効果があったことなどから、ローズマリー抽出物が、どのようなメカニズムで機能しているのかを詳しく分析しました。
 
マウスを使用した実験の結果、与えられたローズマリー抽出物の量に比例して、ブドウ糖の消費量が増加し、最大で21%も増加していることがわかりました。
 
研究チームは、ローズマリー抽出物は脂肪酸と糖代謝の経路を活性化することで、肝臓での糖の分解と、脂肪酸酸化を促進する一方、脂肪の同化を抑制するで、このような結果になることがわかったので、さらに研究をすすめたいとしています。
 
Journal of Agricultural and Food Chemistry 2013320日号
 
 
 
日本と違い米国では、従業員の福利厚生として、企業が一括して民間の団体医療保険に加入していることが多く、生産性の低下を防ぐ目的だけでなく、医療保険の増大を防ぐ目的もあり、従業員の健康管理に関して大きな関心が払われています。
 
特に生活習慣病の原因となる肥満の問題は、大きな課題となっているようですが、ミシガン大学などの研究チームが、Annals of Internal Medicine 201342日号に発表した研究で、成功報酬による減量インセンティブは、個人単位よりもグループ単位で与えるほうが、効果的であること明らかになりました。
 
研究チームはフィラデルフィア小児病院の肥満従業員(BMI30-40105人を対象に成功報酬インセンテイブを2タイプに分けて減量実験を行いました。
 
実験ではAグループの従業員は、毎月の減量目標をクリアすると100ドルが成功報酬として与えられるという条件、Bグループの従業員は、5人一組で毎月の減量目標をクリアすると500ドル貰えますが、脱落者がいた場合は成功者だけで分けるという条件(この場合成功者は100ドル以上貰える)でした。
 
6ヶ月継続した後の減量結果を、両グループで比較したところ、5人一組のBグループが平均4.4kg減だったのに対し、Aグループは平均3.2kg減で、Bグループのほうが統計的に有意に体重の減少が大きいことが分かりました。
 
研究チームは、米国内での肥満対策がなかなか進まない現状において、さまざまな方略が検討されるべきであり、今回の結果はオプションの1つとなりうるのではないかとしています。
 
Annals of Internal Medicine 201342日号
 
以前は公衆浴場、温泉、プール、などで「刺青の方はご遠慮下さい」と掲示されていましたが、最近は「刺青、タトゥーの方はご遠慮下さい」と表記が変わっているところが多くなりました。
 
若者は日本の刺青と海外のスポーツ選手やミュージシャンのタトゥーが、まるで異なるものであるかのようにファッションの1つと考えて、気軽に彫ってしまうようですが、手法やデザインが違うだけで同じものです。
 
わが国では江戸時代に大流行し、明治に入って刺青が法的に禁止されたため、アンダーグラウンドな世界で生きる人間のシンボルとも、看做されるようになった経緯があります。
 
さて上記のように最近では若者が気軽に彫ってしまうタトゥーですが、英国・ロイヤルブラックバーン病院のCaroline Owen医師が、2013315日に米国・フロリダ州マイアミビーチで開催されたアメリカ皮膚学会71回総会で発表した研究で、英国ではタトゥーを入れた人の約三分の一が後悔していることが明らかになりました。
 
Owen医師は16歳以上の皮膚科の患者に対し調査を行い、無記名で580人のタトゥー入れ墨者の回答を得て分析しました。
 
その結果、①男性は女性よりもタトゥーを入れたこと後悔している人が多いこと、②16歳以前に若気の至りでタトゥーを入れた人は、それ以降の年齢で入れた人よりも後悔している人の割合が3倍以上であること、③後悔している人の約半数近くが消したいと考えていること、④後悔している人が最も少ないのは21歳以上でタトゥーを入れた女性であること、⑤目につきやすいところに入れた人ほど後悔していること、などが明らかになりました。
 
また若いときほどきちんとしたプロの手ではない事が多く、後悔も多くなる傾向もわかりました。Owen医師は消してしまいたいタトゥーが引き起こす心理的なダメージがあることを考えると、皮膚科医は早すぎるタトゥーの弊害などについて啓蒙活動をすべきだろうとしています。
 
American Academy of Dermatology (AAD) 71st Annual Meeting: Abstract P7114. Presented March 2, 2013.

緊急ではない大きな病気の手術などに際しては、検査などの必要もあり、手術日の23日前から入院して、病院食を摂るのが一般的ですが、米国・ハーバード大学医学部のC. Keith Ozaki博士らが、Surgery 20134月号に発表した研究で、手術前の食事内容が手術後の脂肪組織の回復に影響を与えていることがわかりました。
 
博士らは外科手術では疾患のある臓器、心臓や肝臓などを最小限傷つけるだけで、手術を成功させることが、術後の回 復にとって最重要であると考え、常に手術が行われているのに対し、目標に到達する前に、切開される脂肪組織の回復には、あまり注意が払われていないことか ら、脂肪組織の回復について研究をすすめてきました。
 
今回の研究で博士らは、脂肪組織の回復に関して、手術前に摂取される食事の脂肪分の量が関係するのではないかと考え、マウスを使用して実験を行いました。
 
実験では、高脂肪食(脂肪分60%)で育てられた肥満マウスと、通常食(脂肪分10%)で育った普通体マウスを使用して、一般的な手術方法と同様のセッティングで手術を実施し、手術後の経過(脂肪組織の傷口の回復の進み方、感染の影響)を観察しました。
 
さらに実験では、肥満マウスグループの一部が、手術前3週間だけ高脂肪食から普通食にシフトされ、その影響も調べられました。術後の脂肪細胞組織の反応を詳しく分析したところ、肥満マウスは普通体マウスよりも、術後の脂肪組織の回復を妨げる炎症反応に繋がる、化学的なアンバランスが促進されていましたが、3週間前から低脂肪の普通食に変更した肥満マウスでは、普通体のマウスに近い、よりノーマルな反応に戻っていました。
 
こうした結果から、今後さらに詳しく研究する必要がありますが、人間の場合も肥満した人の手術前に、低脂肪の食事制限をすることが、術後の回復を妨げる反応を弱める戦略として有効である可能性があるのではないかとしています。
 
Surgery 20134月号


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