「暴力の連鎖止めよう」 9・11テロ被害家族が訴え
01年の米国同時多発テロの被害者の家族らで作る団体「ピースフル・トゥモローズ」は8日から14日まで、テロから5年を迎えるニューヨーク各地で、世界各地のテロ、紛争などの被害者約30人を招いた国際会議を開く。テロへの武力による対応は新たな暴力を生むだけだとして、その連鎖から抜け出すよう訴えるのが目的だ。
国際会議は7日間に大学、教会など市内各地十数カ所で、「悲劇にどう耐えるか」「戦争か平和か」などテーマを変えながら開かれる。中東紛争やテロ、ルワンダの虐殺などの被害者の家族らが集まる。
ピースフル・トゥモローズの中心メンバーの一人、ニューヨークに住む看護師コリーン・ケリーさん(44)の弟は世界貿易センターで死亡した。家族を失った深い悲しみと憤りの中でも、「暴力に暴力で応えていては、何も解決しない」という従来の考えは変わらなかった。同じようにテロ実行者の司法による裁き、対話と協調による暴力の根絶を訴える被害者家族約200人とともに、団体を作った。
(後略)朝日2006年09月08日
九日深夜NHKで「9.11テロ五年」という番組で「ピースフル・トゥモローズ」の活動を紹介していた。「9.11テロ」で弟を失った姉はアフガンを訪ね、アメリカの爆撃跡、被害をみて「私の弟はこんなために命を落としたのではない」と。国防省で亡くなった軍人の奥さんは「ピースフル・トゥモローズ」の活動の中で保守的な地元地域から迫害をうける話など、どれも切実で心痛む話題であった。
この「ピースフル・トゥモローズ」が、八日ニュヨークで他の各国の戦争被害者、平和団体と共同で記者会見し「紛争の非暴力の解決をめざす」「国際ネットワーク」を設立したことを明らかにした。日本から「日本被爆者団体協議会」が参加した。
設立宣言では「われわれは、暴力と復讐のサイクルを断ち切るために力をあわせ、犠牲者の思い出と生き残った人々の尊厳を守ることに全力をあげる」「紛争を解決する最も効果的な戦略としての非暴力を促進する」とありました。
英国の国際戦略研究所(IISS)が五日に発表した「二〇〇六年版戦略概観」では、「米国は対テロ戦争なるものを主に軍事的手段で追求し、過激主義の炎を拡大した」として、対テロ戦争の名の下で行われたイラク戦争やキューバ・グアンタナモやイラク・アブグレイブの収容所での収容者虐待が米国への敵意を増し、世界に過激主義を広げたと指摘。米国の対テロ戦争が過激主義に勝利できるかは「明確でない」と結論付けています。
さらに、テロの要因について報告は「欧州のイスラム教徒テロリストは国内で養成されたものだ」と強調し、「社会的、経済的、政治的な排除によって、多くの欧州諸国では、イスラム教徒の不平を増幅している」として、少数派のイスラム教徒を排除する欧州の社会制度に問題があると。
非暴力の呼びかけこそがテロ撲滅の道
つまり、英・国戦研は「テロ撲滅に軍事行動が有効でない」ことをのべている。「ピースフル・トゥモローズ」の「非暴力が紛争を解決する効果的な戦略」と合致している。
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