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梅雨に入って、ようやく雨が降ってきた。
勇気は、親からの仕送りとアルバイトでどうにか部屋代を支払い、携帯電話代を
支払っていた。
80以上の会社に履歴書を送り試験や面接を受けたが、何処からも採用の声が
かからなかった・・・
こんな生活が2年以上続いている。
学生時代に就活をしたが、希望が高かったのか、出た大学がレベルが低すぎたのか
コネが無かったせいか、成績が悪かったせいか、面接の態度が悪かったのか
何処にも採用されず、就職浪人を始めて2年が過ぎた。
1年は、就活専門の予備校に通ったが、上手くいかなかった。
2年目は、親の仕送りが減ったので、アルバイトの時間が多くなり、新聞等を
読む時間が少なくなり、世間の動向に疎くなった。
壁にかかった百金の時計が10時半を示していた。
顔を洗って髭を剃ると服を着替えて、職安に向かった。
財布の中には、千円札が3枚と小銭しかなかった。
アルバイトでも何でもしないと飢え死にしてしまう。
親からの仕送りは、20日ごろなので、まだ2週間もある。
勇気はチャリンコのぺタルを力いっぱい踏んでいるが、昨夜から
食事をしていないのフラフラしている。
若い割に痩せているのは、栄養不良によると思われる。
目だけがギラギラして、髭が剃って無ければ、指名手配写真の男のようだ。
続く
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短編小説
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