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日本農業新聞5月20日
米国外交公電から読む本音と現実 中
−輸出増、実は絵空事− ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP主席交渉官は「米国との自由貿易協定は長年の目標ではあったが、広く一般に信じられているように(酪農など)国内産業によってエルドラド(理想郷)となることはあり得ない」と強調した。
(米国大使館公電から) ウィキリークスを通じて明らかになった在ニュージーランド米国大使館の外交公電から、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では、ニュージーランドの国民には輸出拡大への期待が大きいものの、実現が困難なことが浮き彫りとなった。
情報公開不足が、国民の認識と実態との隔たりを招いている。 ニュージーランド政府は1984年、核搭載米艦船の寄港を認めない政策を取り、米政府と厳しく対立した。
「オーストラリアが米国との自由貿易協定(FTA)を結ぶなど経済関係を強化したのとは対照的に、(核搭載米艦船の寄港問題を機に)ニュージーランド国内には世界最大の米国市場への輸出が伸び悩んだとの思いが強い。いじめられているという印象だ」とニュージーランド・オークランド大学のジェーン・ケルシー教授は解説する。 米国を含むTPPが実現すれば、「輸出が急成長する」との期待が国民に膨らむのは、当然の成り行きといえる。特に乳製品は、輸出額全体の2割を占める大切な戦略品目だ。
ところがシンクレア氏は、囲み記事のように「エルドラドは無理だ」との表現で、大幅な輸出の増加は難しいとの見方を示した。なぜか。
日本農業新聞の取材に同氏は「米国の乳製品市場はすでに比較的開放されているし、米国に限らず多くの国で乳製品は政治的に難しい品目だ。これまでわが国が結んできたFTAでも乳製品の市場開放は制約を受けた」と真意を説明する。
ニュージーランドに本拠を置く世界最大手酪農団体フォンテラのフランシス・レイド貿易担当が詳しく事情を解説する。 「TPPを成立させるには米国議会の承認が必要だ。米国内の酪農団体の政治力は強く、大幅な市場開放を盛り込めばTPPが議会の承認を得られないのは明らかだ」
国民の期待と現実のい難しさ。国民には知らされていない。
「交渉内容の情報公開が不十分だからだ。交渉内容がわからないまま、国や消費者にとって非常に大切なことが決められようとしている」とケルシー教授は警告する。
シンクレア氏は「交渉の節目で情報は公開している」と反論するが、ケルシー教授は「政府はどんな文書も出さない」と秘密主義を強く批判。
教授らのグループは昨年、国民へのTPPの影響をさまざまなデータから試算し『異常な契約』と題して出版した。 標題には「十分な情報が提供されない中で、国民の生活に大きな打撃を与える”契約”が行われるのは正常とはいえない」とのメッセージを込めた。 前回はアメリカとニュージーランドが組んで日本や韓国に「絶対標準」を受け入れさせ
有利な枠組みで競争をしようとしている内容でしたが、うって変わってニュージーランドのTPP反対者の記事。
やっぱりありますよね。問題点としていることは…
①情報公開が徹底されていない。
②輸出増になると思い込んでいる。
日本で抱えているTPPの問題点と同じなんですね。
特に興味深いのは…
「TPPを成立させるには米国議会の承認が必要だ。米国内の酪農団体の政治力は強く、大幅な市場開放を盛り込めばTPPが議会の承認を得られないのは明らかだ」
完全に自由化するとアメリカにも都合の悪い部分が出てくるわけで。
この辺りの整合性をどうつけるかが見ものです。
仮にニュージーランドがアメリカ市場をあきらめて日本市場を目指した場合。
なるほどTPP参加国では日本とアメリカで産国合計GDPの9割を占める。
日本市場も決して小さくない。
が、しかし。
今度はアメリカとの価格競争に陥るのではないだろうか?
TPPにはそれほどうまみがあるとは思えないのです。
※日本の経済連は関税撤廃より外国人労働者の自由化を狙っているでしょうけど。
その場合、失業率と引き換えに企業は利益を得ることはできます。
現在、世界は不景気となています。
となると対策は2つ。①輸入を少なくして内需拡大。②輸出を多くして外貨を稼ぐ。
しかし、TPPを実施した場合、思ったより輸出が増えず外貨が稼げず、しかし輸入が増えたため、国内産業がダメになり外貨として流出していくこともあり得る。
アメリカとしてはその逆、輸出が増えて輸入が減る状況を用意するに決まっています。
(自由化したいから自由化するのか、利益があるから自由化するのかどちらでしょうか?)
皆さんは普段何気なく、スーパーで日本食品を購入しています。
その代金は巡り巡って最終的に農家に入り、農家はそのお金で日本国内でお金を使います。
しかし、外国製品の場合、最終的に外貨として外国に流れていき、日本国内では循環しないということを忘れてはいけません。
明日は最後の「米国外交公電から読む本音と現実 下」です。
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NEWS批評
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日本農業新聞5月19日
米国外交公電から読む本音と現実 上
−"絶対標準"規制緩和・撤廃狙う− 日本農業新聞も有名になりましたね。
農業新聞の中の人にTPPに関しては日本の新聞じゃあ、もっとも詳細ではないですか?と聞いたことがありましたが、当然ですと言われたことがあるw 三橋さんのブログでも取り上げられていたので、「米国外交公電から読む本音と現実」ソース付きで上中下編を取り上げてみたいと思います。 ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP主席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ。」 (米国大使館公電から) 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や食品の安全性などの規制や基準を統一した「絶対標準」を定め、受け入れ国を広げることで経済自由化を進めようとしている−。
TPP交渉を主導する両国のこうした狙いが、在ニュージーランド米国大使館の秘密公電に記載されていた両国政府の交渉当局者の会話から浮かび上がった。ニュージーランドの交渉当局者は「絶対標準」を受け入れさせる国として日本と韓国を名指ししている。これは国内の規制や基準の緩和・撤廃につながり農業だけでなく国民生活の多くに影響を与える可能性がある。公電は、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公表。ニュージーランドの当局者らへの取材と合わせて分析した結果を報告する。 囲み記事は2010年2月19日、ニュージーランドのシンクレアTPP主席交渉官が、米国務省のフランキー・リード国務副次官補(東アジア・太平洋担当)に語った内容だ。シンクレア氏は、TPPの目標が農産物などの市場開放だけでなく、アジアなどで推進する米国型の経済の自由化が両国の長期的利益につながると強調した。
公電は、ニュージーランドのウェリントン市内で行われた両者の会談の概要を、統治の米国大使館がまとめた。「秘密」扱いだ。外交を担当する国務省だけでなく、農務省や通商代表部などにも送るよう記述してある。 日本農業新聞の取材に応じたシンクレア氏は、公電にある自分の発言に対する真偽については確認を拒んだ。しかし、TPP交渉では投資や金融、知的所有権など幅広い分野が対象になり、中国を含めたアジア太平洋州で、経済の自由化を進めることが交渉の目的であると強調。実質的に公電の内容に沿った発言だ。 公電によると、シンクレア氏が強調したのは、日本と韓国などに「絶対標準」を受け入れさせることの重要性だ。農地や農業関連分野への投資が米国などに比べて難しいとされるアジア市場で、TPPをてこにして、自由貿易圏を広げていくことが長期的な目標だと明言。米国と同一歩調を取る考えを明らかにした。 両国の交渉当局者が、国の違いを超え通商や経済の自由化の障害となる規制や基準を緩和・撤廃させるための仕組み作りを話し合っていたとうかがえる。 要はルールを支配することで利益を得たいということですね。
ルールと言えばバサロスタートを思いだします。
水泳の背泳ぎの泳法の一つでスタートやターンの直後に、潜ったままドルフィンキックで進む技。
1988年のソウルオリンピックで鈴木大地氏が100m背泳ぎ金メダルを獲得しました。 が、日本人が金メダルを取ったのが気に入らなかったのか、背泳ぎでのバサロが出来る距離はスタート及びターンから、15メートルまでとルール化された。 もちろん、バサロ使用者が増えすぎて背泳ぎの形骸化を招きかねないとの話だが、これがルールを制するということです。 ルール作りで利益を上げたかったらルールを作る側に回らなければいけません。現状日本では無理だと思いますよ。
農産物に関してなら放って置きましょうよ。絶対標準といっても農産物の品質が上がるわけでもありません。 といいますか、農薬の空中散布や米国の牧畜を見ていると量は作れるでしょう、価格も安くできるでしょう。しかし品質を良くできるとは思えない。 そもそも「国内の規制や基準の緩和・撤廃」って「ポジティブリスト制度」も廃止するってことですか?「ポジティブリスト制度」は基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度です。大根を作るならAという農薬を使いなさいそれ以外の農薬を使っていたら0.01ppm以上見つかったらその生産者の農産物は市場から強制的に引き上げというキツい制度です。 これは海外農産物にも適用されています。どう考えてもこの法律を撤廃しても品質を落とすだけです。しかし、外国生産者から見れば輸出の障壁にしかなってません。これを撤廃して、安全かどうか分からないけど安価な農産物を日本へ輸出したいということなのですよ。 日本の農産物は安全・安心の高品質で知られていますが、「絶対標準」とやらで作られてはいませんよ。
厳しくはありますが、自国の基準で作られているのです。 「米国外交公電から読む本音と現実 中」はまた明日。
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」
絶対標準
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先ほどの続きです。
つうか、ソースが長いです。
日本農業新聞 2月9日 3面
ここからはTPPを含む農政編です。
当たり前ながら84.9%が反対です。
この辺は企業アンケートよりしっかりした意見となっています。
そういや国民の何割賛成とかアンケートがありましたっけ?
あちこちの新聞社で特集や社説を書いているんです。注目度十分でしょう。
なんで調査しないんでしょうね。
問5の「賛成」と答えた理由は
十分な財源の確保を含めた農業対策を実施すれば、農業振興との両立は可能だから 57.5%
国全体の利益を考えると、TPPを含めた貿易自由化はやむを得ない 45.5% 国際化が進む中で、貿易自由化を進めなければ日本が取り残される恐れがあるから 35.1% 日本経済を立て直すには積極的な貿易自由化を促進する必要があるから 13.4% その他 4.5% ※複数選択のためグラフ化していません。
TPPを阻止したいのなら、この賛成の理由を削ってやることですね。
「国全体の利益を考えると、TPPを含めた貿易自由化はやむを得ない」
「国際化が進む中で、貿易自由化を進めなければ日本が取り残される恐れがあるから」
「日本経済を立て直すには積極的な貿易自由化を促進する必要があるから 」
すべてマスコミが言っていることそのまんまです。
本当にTPPが国全体の利益になるかどうか。
また、貿易に関して幻想を持っていると思われる意見が多いので現実の貿易依存度を数値で周知していくのが有効かもしれません。
問6の「反対」と答えた人は
農畜産物をはじめとしたすべての関税が撤廃され、日本農業や地域経済が壊滅的な打撃を受けるから 63.5%
※複数選択のためグラフ化していません。
日本の「国のかたち」が問われる重要問題であり、十分な検証と議論が必要で、拙速に進めるべきではないから 43.4% 食料自給率目標50%を掲げた食料・農業・農村基本計画を昨年3月に閣議決定したばかりであり、TPPへの参加は基本計画と逆行する政策だから 36.8% TPPに参加しても輸出の増加は限定的であり、農業や環境、雇用など失うもののほうが大きいから 27.4% その他 0.0% 「反対」と答えた人は恐らく反対に関しては鉄板だと思われます。
農業に関しては掘り下げるより、周知徹底に取り組むほうが結果的にTPP阻止に役立つかも。
問7がいきなり話が変わって消費税
財務省のガンバリのためか消費税賛成が42.3%もございます。
まあ、農業者は高齢のため社会保障に無関心ではいられないという事情もありますが。
回答に「この時期に消費税を上げたら死亡」がないのが残念。
最大の支持は「税金の無駄使いをなくした上〜」の56%ですか…分かっているのですかねぇ。
何が無駄で何が無駄でないかはよーく考えないと後々困ることになるのは事業仕分けで思い知ったと思いますが・・・
また、公共工事が無駄とか言い出すとロクでもない結果になりかねない。
とりあえずは、議員給与と公務員給与の大胆な棒引きでもしない限り納得することができないでしょう。
そういう意味では民主党はまっさきにそこから始めるべきでした。
公務員労組が支持母体の政党にいうだけ無駄ですが。
事実上、自民党以外農政を期待していません。
なんだかんだと自民党に実績があること、他政党の農政が不透明であること挙げられると思う。
民主党の13.1%があるじゃない?
先ほど申し上げた「民主党政権だから支持」の鉄板層と重なりますね。
民主党政権なんだから農政も民主党でなくてはいけない人たちでは?
後は農業者の求める。あるいは危惧している調査結果です。
問13 農業農村の振興に向けて、菅政権は何をすべきですか。(3つまで)
農業所得増大に向けた施策の推進 50.5%
担い手の育成・確保 43.5% 農林水産予算の確保・増額 33.8% WTPやEPAなどで、国内農業の重要性に考慮した貿易ルールの確立 33.7% 米をはじめ国産農畜産物の消費拡大対策の拡充 29.4% 個別所得補償制度の拡充 28.2% 中山間地域への支援拡充 17.6% 農林業行の6次産業化の推進 15.2% 農畜産物の輸出拡大 9.7% 基盤整備事業の拡充 8.0% 農村地域の女性の地位向上や起業などの支援強化 7.8% 品種改良や栽培技術の開発 7.4% その他 1.8% ※複数選択のためグラフ化していません
問14 管内閣の農政運営で懸念されるものは何ですか。(3つまで)
TPPなど貿易自由化の推進による国内農業への影響 75.8% 米をはじめとする農産物価格の下落 60.4% 戸別所得補償制度の財源確保 34.1% 現場の声が政策決定に反映されにくい政策決定システム 33.1% 担い手育成が進まない 25.8% JAなどの農業団体との菅家が疎遠になる 24.7% 戸別保障以外の農業予算の縮減 21.6% その他 0.6% ※複数選択のためグラフ化していません やっぱり一番のリスクはTPPでしょうか。
すべきことに「WTPやEPAなどで、国内農業の重要性に考慮した貿易ルールの確立 33.7%」
懸念事項に「TPPなど貿易自由化の推進による国内農業への影響 75.8%」
と一見矛盾したことがありますが、矛盾しません。
要は例外項目をきっちりとこなした貿易協定ならば反対はしないということです。
農業団体が感情論で自由貿易に反対していると思ったら大間違いです。
現実的には例外項目が認められるFTAやEPAを適切に締結するならばほとんど反対はありません。
他に注目すべきは「米をはじめとする農産物価格の下落」ですかね。
よほど米価急落は肝が冷えたと思われます。
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農業者で調査した支持率調査というものを一般には見ないと思いますのでご紹介。
しかも、単なる内閣支持率ではなく多岐にわたって数値があったので、今後の農業を考える際の
農家さんの考え方の参考にしていただければ。
日本農業新聞2月9日
特定業界アンケートが日経だけの十八番ではないということで。
これが結構詳細な数値が掲載されておりまして…
この辺りは普通の一般紙の調査とあまり変わりません。
だけど民主党の支持というものがどういうものかよく分るのが次の問い。
そのまんま「民主党中心の政権だから」どうして民主党中心がいいのかさっぱり判りません。
政策面とかどうでもいいのでしょうか…
要は農業者全体でも鉄板の民主党支持者は11%程度はいるということ。
民主党不支持な人の方が多様な理由があります。
「政策面より食料・農業重視の姿勢が見られない」という29%の方は政治に農業を求めていると解していいですかね。
菅首相に指導力がない…まあ当たり前のことだし。
飛んで問9
やっぱり農業層は自民党が強いのか、補助金の無駄使いと叩かれてもやっぱりそれが正統派だったのか…
概ね自民・民主・みん党で占めます。
あれだけ騒がれても元自民のみんなの党は4.1%しかないんですね。
面白いのが普段の支持率調査と比べ公明党(0.5%)が社民党(1.7%)に負けています…
でもやっぱり期待が高いのは政界再編のようです。
でお次が一番私が注目した問いです。
当初は評価していたが今は評価できない 45.8%
当初から評価していない 44.8%
合わせて民主党の農政は 90.6%評価されていないということになります。
といいますか、この45.8%は騙されて民主党に入れてしまった人なんだなぁ…
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日本農業新聞に金子勝教授のコラムがあったのでテキスト化してみた。
日本農業新聞2月7日
情報隠しは許されぬ
慶応義塾大学教授 金子勝 TPP問題の本質
菅直人首相がスイスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で講演し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加の結論を6月までに出すとあらためて表明した。 政府はTPPを「平成の開国」とうたい、経済界は「自由貿易の波に乗り遅れるな」と世論を煽っている。 しかし、TPPは米国企業が日本市場に入れないことを不公正とする「公正な貿易」の強制であって自由貿易ではない。「失われた20年」といわれる失敗を繰り返してきた官僚や経済界が責任を回避するために、失敗を一挙に挽回しようと無理やりに推し進めている。 彼らはTPPによって日本経済がいかに立て直せるかシナリオを描けないがゆえに、TPPの本質を隠す。 米国基準で緩和
TPP問題の本質は、農業の輸入関税撤廃だけでなく、24の分野での規制緩和を求められ米国ルールに従う点にある。 TPP交渉は分科会が設置され、農業のほか金融や労働、サービス、公共調達、知的財産権など24分野が対象に挙っている。 分科会での具体的な検討状況は不明だが、米国にとっての「公正な貿易」を実現する為の交渉が展開されていることは容易に想像がつく。 日本がTPP交渉に参加すれば、世界基準でも何でもない「アメリカンスタンダード」の下で、ありとあらゆる規制緩和を押し付けられるのは必至だ。 菅首相はそんなTPPを急激に推し進め、この国を破綻させようとしている。日本を壊した「小泉構造改革」以上の構造改革派として、国民に示したマニフェスト(政権公約)をかなぐり捨てて、自民党の対米重視路線を焼き直すだけの菅首相の暴走を許すわけにはいかない。 経済界は、TPP参加により日本の対外輸出が伸びることで、農業の壊滅的な打撃を越える経済効果が得られるかというが、それも大きな間違いだ。 仮に自動車などのわずかな関税をゼロにしても、米国がドル安に誘導すれば関税撤廃のメリットはあっという間に相殺されてしまうだろう。また、オバマ政権は今度5年間で、輸出を倍増して雇用を200万人増やすと表明している。TPPはあくまで米国の輸出を倍増する計画の一環であり、日本の対米輸出が増えるものではないと考えるのが自然だ。 経済界ごり押し
世界経済の中心が東アジアへシフトする中、中国と韓国がTPP交渉に不参加であることを考えれば輸出増大が期待できないことは明白だ。 衰退しつつある米国の利益のためにつくったTPPに飛びつくようでは、この国に未来はない。それが分からない経済界はまさに愚かとしか言いようがない。 さらに、TPP参加で米やこんにゃくなどの重要品目の関税をゼロにすれば、食料という最後の生殺与奪の権を米国に委ねることになる。 日本はすでに米軍の駐留で軍事を掌握され、エネルギー資源もかなりの割合を米国に依存している。 食料まで米国に握られてしまえば、日本は米国経済と完全に一体化し、「植民地」になってしまうだろう。 国のかたちを根底から揺るがすほど重大な問題であるのにもかかわらず、大手メディアは農業対他産業という単純な利害対立の構図でしか報じず、肝心の24分野についてはまったくと言っていいほど伝えていない。 一刻も早くTPPの本質を国民に伝え、この国を徹底的に滅ぼす「暴論」に終止符をうたなければいけない。 平成の開国
TPPは世界全体を対象としたものではなく、対象はたったの9カ国。
(シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア)
日本はすでに11の国・地域とEPAを締結し、インド、ペルーとは署名に向けて準備中で、EUとは共同検討作業中である。
TPP参加国でいうと・・・
ベトナム 平成20年FTA締結
ブルネイ 平成19年FTA締結
マレーシア 平成17年FTA締結
シンガポール 平成14年FTA締結
ペルー 平成22年EPA交渉完了
オーストラリア 交渉中
まったく交渉していないのは米国とニュージーランドのみ。
別に鎖国しているわけではないのである。
ただ平成の開国と言うネーミングはある意味言いえて妙だと思っている。
オバマが一般教科書演説において「雇用」「輸出倍増」を協調している以上、
TPPは黒船襲来と受け取るべきだろう。
つまり不平等条約=TPPになりかねない。
明治の開国後、日本が関税自主権を取り戻すには、戦勝の機運に乗って是正するまで待たなければならなかった…
では、平成の開国は?
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