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≪ダイジェスト≫
前節、最大のチャンスだった山形戦をモノに出来ずに迎えてしまった最終節。追う者・追われる者の立場がはっきりしたレギュレーションでの「心理的強さ」を問われた試合は、東京の脆さ・ひ弱さを露呈する結果になります。立ち上がりから明らかに動きのおかしい東京は、選手間のパスが回らずにピッチ上で「ズレ」を感じさせる内容。それでも今野を中心に最悪の事態だけは避けようとするも、ここまで散々チャンスを逃してきたチームに遂にサッカーの女神はそっぽを向いてしまいます。34分、スローインが基点となり上げられたクロスをFWドゥトラに合わされて致命的な失点。ただでさえ心理的な弱さをさらけ出していた東京に更なるプレッシャーが襲うと、ベンチはゲームの組み立てをあきらめて幸運頼みのスクランブル手段に出ます。この判断自体は間違っていないものでしたが、当然サッカーの女神に見放されている東京に幸運は訪れずに沈黙。今シーズンを象徴するかのような「自滅」と言っていい試合内容によって最終節を落とし、遂にJ2降格が現実のものとなってしまいました。
≪選手評価≫
SYSTEM 4-5-1
GK 権田 (5.5)
…PKは仕方なし。相手が上手かったと思う。
DF 椋原 (5.5)
…ミスは少ないものの、攻守両面において見せ場を作れず。バランスの取りづらい試合でカバーには奮闘していた。
DF 森重 (5.5)
…2年連続で降格を味わうことに。素質あるも、プレイヤーとしての自信を失うことが怖い。
DF 今野 (6.0)
…序盤のガチガチだったフィールドプレイヤーの中で、唯一安定したプレーを見せていた。
DF 北斗 (5.5)
…強気で攻め上がるもフォローが足りずに、結果として裏のスペースに引っ張られる場面が多かった。
MF 徳永 (5.5)
…ボールへの競り合いで気を吐くも、中盤の主導権を握れず。
MF 米本 (5.5)
…ミスが多い上に動き出しも遅く、米本らしいセカンドボールの奪取シーンが少なかった。
MF 達也 (5.0)
…ボールに足がつかずチャンスメーカーにもフィニッシャーにもなれず。守備での貢献も少なく、チームを片翼にしてしまった。
MF 梶山 (5.5)
…トップ下で先発も、相手プレスに晒され好機を作れず。ゲーム終盤は最後尾に下がったロングボールを送り続けたが…願いは叶わず。
MF RICARDINHO (5.5)
…サイドでボールを受ける機会あったが味方のフォローをほとんど得られずに、無理な突破を仕掛けるしかなかった。
FW 平山 (5.0)
…最大の決定機を決められず。内容はいらない試合で、求められる結果を出せなかったことがすべて。
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FW 大黒 (5.5)
…停滞してた前線に動き出しを加えたがシュートチャンスまでには持ち込めず。
MF 大竹 (-・-)
…先発させてフラットな状態で戦わせてあげたかった。出場時間あるも既にパワープレー状態で、ボールに触る機会も少なかった。
MF KIM young gwon (-・-)
…フィードと高さを求めてパワープレー要員に。
≪point!≫
スタジアムでは最後まで声を出して応援しましたが、一方で心の中では開始5分くらいで敗戦を覚悟している冷静な自分がいました。選手の足にボールがついてない…というより地面に足がついてすらいない状況が目の前で繰り広げられていました。京都と戦っていたというより、自分自身たちと戦っていた90分間。大熊監督は早い段階でパワープレーに踏み切りましたが、自分もあれで正解だったと思います。というより、他に可能性のある選択肢はなかったと思います。ハンド・誤審・相手のミスetc…どんなハプニングでもいいから、何かが起きないか期待していました。
このチームはすごく分かりやすくて、しっかり集中しながら東京らしく泥臭く戦えている時と、そうでない時の差が…スローインに表れる。J2降格の致命傷となったドゥトラのゴールもスローインが基点となっていたのが、何とも東京の抱える根深い問題点を象徴しているように感じます。
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前回の山形戦で「120%の力で戦えば、どんな結末でも受け入れる」と書きましたが…残念ながら120%どころか50%の力も出せませんでしたね。戦う前から勝負は決まっていたかのような印象すら受けます。磐田戦・大宮戦・仙台戦との降格争いの直接対決にはすべて破れ、最大のチャンスとなった山形戦もモノに出来ず、それでもまだアドバンテージがあった京都戦では自滅に近いサッカーで敗戦…。これで残留できるほど、プロの世界が甘いはずがない。降格は当然。そういう意味で(ココロでは受け入れられませんが)この結末はアタマでは納得しています。
こういう事態になってしまった責任はフロントや強化部、監督にあるという人も当然いますが、自分は一番の責任はやっぱ選手たちにあると思う。今シーズン「相手より走った」「もう動けなくなるまで闘った」と胸を張って言える試合がどれだけあったか。降格の最大の原因は、リーグ戦で「逆転勝ち」が1試合もなかったこと、「連勝」が1度もなかったことを含めて、このチームの根幹にある「最後まであきらめない」という部分がいつの間にか欠落してしまっていた事だと思う(そこに気付けなかったとういう意味においては、フロントにも責任はあるかもしれません)。浅利や藤山が去っても、東京のDNAはしっかり受け継がれていると思っていましたが…残念ながらそうではなかったということです。こうなってしまったことにはいろんな要因があるはずで、例えば恵まれた練習環境や敗戦を重ねても集まる観客、トウチュウやテレビ東京などへのメディア露出、東京という立地がもたらす選手獲得の優位性etc…などいろいろなことが挙げられるでしょう。村林社長は「エリート」について公式HPで語っていますが、問題なのは“エリート意識”が選手だけではなく、観客を含めたFC東京に係わる人間に(無意識でも)いつの間にか染み付いてしまっていたことだと思う。
むかし、JリーグによってJ2クラブ無視の強引なスケジュールを押し付けられ、例えば夏場の平日に平然とデイ・ゲームをさせられた事とか、土むきだしのグラウンドで普通に公式戦を戦っていた事とか…とにかく、良くも悪くもあの頃に培われた強烈なメンタリズム。
それはいい意味での劣等感。
それらに反発する姿勢がこのクラブにはあった。
華やかなJ開幕の裏で、観客ガラガラの状態で戦っていたJFLでの黎明期。NKK(日本鋼管)など他の社会人チームが経済的な理由で退部を余儀なくされるなか、「最後まであきらめない」東京のサッカーでナビスコ準決勝の場にJリーグ王者(鹿島)を引きずり出して行われた国立での試合。そんな魂を揺さぶられるような試合を、最近では味の素スタジアムであまり見られなくなってしまいました。このクラブは一度、根本から造り直さなければいけないと思う。
自分にとって東京は、いつまでも「アンチ・エリート」「アンチ・Jリーグ」の象徴であって欲しいです。
(余談)
あと東京はJ1に上がったシーズンでの西京極で「京都J2」コールをしたことがあるのね。あの時はツゥットの大活躍や、攻め上がった小峯が敵陣で勝手に転んだのにPKをもらうなど…ゴール裏はもうお祭り状態。で、調子に乗って当時降格争いしていたサンガに対して「J2コール」をしたんだけど、帰りの電車内で涙ながらに東京サポに対して激怒する京都サポの姿を覚えています。同じことは味スタでC大阪にもしたことがあるんだけど、その下地にあったのは『J1とかJ2とかは、Jリーグが勝手にカテゴリー分けしたことで、自分たちはどこで戦っていても東京を応援して楽しむ』というスタンスがあったからだと自分は思っています。当時は「J1なんてラララ〜ララ〜♪」というチャントがあったんだけど、それが東京支持者のスタンスを一番現していたんじゃないのかな。もちろん、東京が味の素スタジアムで試合をするようになってからのサポーターには伝わりにくい感覚なんだけど、Jリーグに対するアンチ意識が、もともとこのクラブのサポーターには確実にある。
もちろん、そんなコールをした東京の降格を「ざまぁみろ」と思う人間の気持ちも理解するけどね。そりゃ怒るわな。
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