音楽・美術など

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鐘の音が聴こえる

 
 目が覚めると季節は日本中に和楽風を吹かせる。
 新しい年に向かって師走は一気に駆け抜ける。

 
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 町は今 眠りの中
 あの鐘を鳴らすのは あなた
 人はみな 悩みの中 
 あの鐘を鳴らすのは あなた

 紅白がどう和田アキ子がどう、という前に阿久悠である。
 昭和の時代、あらゆる角度から言葉を編んだ多彩と多才は天才の冠を与えられた。
 それは上の上ではなく、私たちと同じ空気の中に息づいた言葉であり、美しい日本語だった。
 阿久の言葉は隣のその人の言葉だったのだ。

 破壊的な初恋、ひきずった中年者の恋、回想の花火(開高健『五千人の失踪者』より)
 激しさも痛みも狂おしさも、若さも勢いも
 阿久は躊躇することなく言葉に編み景色を映した。
 
 町は今 砂漠の中 
 あの鐘を鳴らすのは あなた
 人はみな 孤独の中
 あの鐘を鳴らすのは あなた

 絶望を詩おうとしなかった阿久の言葉は時代をこえて生きている。
 それが嬉しくて、そこに感動して書いている。
 
 つまづいて 傷ついて 泣き叫んでも
 さわやかな希望の匂いがする

 阿久の詩には希望の匂いがある。

 

 
 

 



 

灯る灯る、クリスマス

 
 待ち合わせに現れた半袖姿のアメリカ人、
 ブーツ姿の女の子はモコモコロシアの帽子、クリスマスである。

 
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 『NUT CRACKER』の会場ではオーケストラの楽器に子ども達が目を丸くし、
 ミラーボールに歓声を上げる。
 目の前に広がるお菓子の国の夢の世界に笑顔をこぼす人たちに年齢も性別もない。

 奏でられる音に心が灯る。
 華やかに踊る姿に心が灯る。 
 優しい歌声に心が灯る。
 隣の人がシアワセそうに拍手を送り、こちらもなんだかシアワセになる。

 誰かのことを想う心は温かい。
 想ってくれる人の心は温かい。
 すぐそばに誰かがいなくても、12月はちゃんと灯る。
 
 言葉が届くと心が灯る。
 言葉が届くと感謝が生まれる。
 人ごみの中にいなくても、街の灯りにいなくても、そこはクリスマスだ。
 
 世界中で12月は灯る。
 気づいた心にクリスマスは届く。


 

 
 

 

 
 

 

土曜の夜、泉谷に帰る

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 初めて見た泉谷しげるは、一言も喋らず夏の月夜に気持ちよさそうにギターを鳴らしていた。
 ピンクの声援なんてどこからも聞こえなくて、気がつくとオッサン声の大合唱に参加していた。
 
 今日ですべてが終わるさ
 今日ですべてが変わる
 今日ですべてがむくわれる
 今日ですべてが始まるさ
 
 あれから、こんな「今日」を何回むかえただろう。
 何度もぶち当たり
 何度もくじけ
 何度もやけになった

 それでも
 何度も決心し
 何度も覚悟し
 何度も腹をくくった

 「何度も」を何度繰り返しても…
 時折、不安に潰されかかる。
 
 「ハっ…」泉谷が腕を組み、鋭さと優しさでジロっとこちらを見るはずだ。
 「このヤロー! バカヤロー! 俺なんかはよ〜〜」
 その後の肝心なところを言わないまま、哀愁の後姿だけを見せる。 
 
 今日ですべてが終わるさ
 今日ですべてが変わる
 今日ですべてがむくわれる
 今日ですべてが始まるさ
 
 今日までと考えるか、今日からと考えるか。
 そこに大きな違いがあり、そこに気づけば「生きる」は再び奮い立つ。

 春夏秋冬の優しさと春夏秋冬の厳しさが、自分の中でゆるやかに弾けた。
 

 


 


 
 

 
 

 

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 自分のスタイルに反するだろうか、私らしくないだろうかと悩んだが、
 とりあえずチャレンジすること半日。
 ようやくユーチューブアップにこぎつけた。
 この満足感、この達成感、感動である。
 苦手を克服する姿勢はきっと次につながるはずだ。
 (不器用なだけであるが…)



 『ブルース.ブラザーズ』
 何度か紹介してきた映画であるが1980年の古さは感じさせない(と思う)。
 
 街中が踊り始めるこの歓喜!!
 教会、酒場、レストラン、ホール、監獄、どこであろうとブルースブラザーズの演奏がはじまると、
 踊り歌い酔いしれる、まさに街中ショータイムである。

 映画はもちろんハチャメチャ。
 観てる私はハッピーである。
 
 
 

 

 
 

 
 
 
 
 『ブロードウェイ♪ブロードウェイ』を観た。
 『コーラスライン』のオーディション映画、ドキュメンタリーである。

 
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 3000人のうち残るのは19人。
 8ヶ月にわたるオーディションは過酷で強靭な足と強靭な心が必要である。
 シトシトと続く雨の中、オーディションを目指す長蛇の列。
 控え室は熱気と荷物に溢れ、会場も狭そうだ。

 技術はもちろん、ダンス、歌、台詞には高いものが求められる。巧いだけでは足りないのである。
 例えばダンス、歌、台詞には表情が必要で、顔の表情で表現するものではない。
 19人は個性的だ。
 従って、手足の長いスレンダーなバレエダンサーとは違うものが求められる。
 マニュアルにはない配役と重なる決定的な何かを持ち合わせているかどうかである。

 オーディションで、確かに同じ歌を歌っているのに、歌い手により歌が全く違うことに驚く。
 キャシーなのかそうでないのか、明確に伝わってくる。技術の問題でも勝負強さでもなく。

 光る何か、伝わる何かがあるかないか、最後はそこに行き着くのだろうか。
 おそらく光る何かは本人たちにはわからない。
 光る何かが、重ねてきた月日によるものなのか、精神的な訓練で手に入るものなのかもわからない。
 ただ不思議なもので、観客席の目はその何かをはっきり見ることができる。プロでも素人でも。

 光は舞台で輝きとなる。作り手と観客の力で輝きとなる。
 その瞬間の感動を求めて『コーラスライン』に人は集まるのだと強く感じた。

 全力を出し切ったはずのダンサーたちに余力、伸び代を感じられたことが不思議だった。
 コニー役のユカはキュートでパワーがあって、全身でコニーを感じ放っていた。
 その2点を加えておきたい。
 
「不合格になっても、僕の人生は続くんだから」、青年の言葉が鮮明に気持ちよく残っている。 


 
 
 

 

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