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=====6/12 産経新聞=====
「濃度30%の食塩水」「一晩で別の生物に変身する生き物」−。私立中学の算数の入試問題で、科学的にありえない状況設定に基づいた入試問題が多数出題されていることが、東京理科大の芳沢光雄教授(数学教育)らの調査で分かった。読み方によっては正解が変わる、あいまいな問題文も目立つ。相次ぐ国際調査で日本の子供たちの「読解力不足」が指摘されているが、教師たちもそれを責められない状況が生じている。
調査は首都圏を中心とした私立中学校百校の算数の問題を対象に、状況設定や問題文の正確さを検証した。特に、理科的な内容を題材にした問題で不備が目立った。
「割合」の単元では、食塩水を題材にした問題で、塩は百グラムの水に最大二八・二グラムしか溶けないにもかかわらず、食塩水の濃度を30%以上と設定している問題があり、中には40%以上と設定している部分もあった。
都内の有名中学では、「正六角形の頂点の一つを、他の辺につくように折った」とし、できた角の角度を求める問題を出題した。しかし、出題の条件に合うように正六角形を折ると、頂点は他の辺には付かないため求める角が存在しなくなり、科学的に実在しない状況が設定されていた。
また、「偶数匹の生物Aは、一晩で半分の数の生物Bに変身する」など不必要に非科学的な例を挙げる問題や、条件設定を示す問題文が複数の意味にとれる問題も目立った。
こうした問題について、芳沢教授は「当然ながら、自然界に一晩で数が半分になる生物は存在しない。偶数個の赤い玉を一晩で半数の白い玉に入れ替えるといった内容にすれば、不自然ではないのに」と指摘する。
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私も過去に模擬試験の問題を何度か作問したことがありますが、ココで挙げられた実例は作問時にもっとも注意を払う内容で、普通模擬試験の作問はチームを組んで行いますから、こういったことはほとんど起こりえません。
私立中学の入試問題作成もそうですが、入試問題の作成の仕事は「面倒」と考えている学校関係者が非常に多いと聞きます。特に大学入試では。先日、懇意にしていただいている国立大学に勤められている先生からも、入試問題作問の担当になった教授から「面倒だから君つくらないか?」と冗談で言ったのだろうけど、冗談にならないぐらいの発言をした教授の話をお聞きしました。
入試問題は我々の仕事ではある意味「ベンチマーク」的存在です。その入試問題が「本当は絶対にあり得ない」状況で設定された問題であったり、いい加減な取り組み方でしか作られていないのはいかがなものでしょうか。ちょっとガッカリです。
まなりんの高校数学の森 http://manarin.net-campass.com/
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