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ルース・オーレイ(RUTH OLAY)の「イッツ・アバウト・タイム」(IT'S ABOUT TIME)です。ZEPHYRのオリジナル盤、モノラル録音になります。
レコード番号はZP12004。盤にはややスレが見受けられますが、目立つようなキズはなく、ほぼ問題はなく快適に再生できます。ジャケットには若干のスレがあり、天は小口から12cmほど、底も小口から6cmほど割れています。当方で補修は敢えていたしません。またジャケット裏面左上部に人名の書き込み(BARBARA FREDRICKSON)があります。
このレコードは1956年後半頃に録音されたもので、おそらくは彼女名義のファースト・アルバムです。タイトルが「IT'S ABOUT TIME」というだけあって、タイトル曲と同様に、曲名に「タイム」という語句を含む曲が12曲収録されています。
このアルバムの後が、結構有名なMERCURY/EMERCYの「OLAY!」になります。収録曲の主なところでは、「Coffee Time」、「Supper Time」、「Better Luck Next Time」、「Bidin' My Time」、「Everytime We Say Goodbye」、「As Time Goes By」、「It's About Time」などがあり、それぞれに中々特長を活かした歌唱になっています。ビル・ヒッチコックによるアレンジと指揮で、バックバンドは不明ですが彼女の歌唱を引き立たせるためか抑え目のバッキングのようです。いわゆるクラブで歌っているような雰囲気を大事にしたのでしょう。
彼女は1951年にベニー・カーター楽団に入り、いくつかのバンドを経てキャリアを磨きますが、この時点でブレイクしたわけではなく、結局はLA、ハリウッドやサンフランシスコのジャズ・クラブなどで歌っていたようです。
1956年、彼女は「キャバレー・コンサート・シアター」でウェイトレス兼シンガーとして働いていました。2、3曲歌っては、またウェイトレスに戻るという、中々にハードな労働でした。ある晩、一人の男性が彼女に近寄ってきて言いました。「レコードを作りたくないか?」、彼女は「もちろん!」と答えました。彼がビル・ヒッチコックだったのです。という映画の1シーンの如き出会いの後、ビルのアレンジで仕事をし、数ヵ月後に出来上がったのが、このアルバムなのです。
ところが、ビルと彼女の関係がどうだったかは知る術もありませんが、この後彼女はアビー・リンカーンの代わりに、あるクラブに雇ってもらったといいますから、また暫くはクラブ・シンガーで生計を立てていたようです。
このアルバムに興味を持ったビル・バートンが彼女に接近するのが1957年です。またしてもビルで、どうもビルに弱いルースのようで、なんだかよく分かりません…。ビル・バートンがマーキュリーへ彼女を売り込んでリリースしたのが前述した「OLAY!」なのでした。
彼女の歌唱は、ブルース・フィーリングに根ざしたと思われるシャウトが粋で、通常のテンポをやや変化させて歌い込む懐の深さも聴かせてくれます。彼女自身はジャズ・シンガーであることを第一に考えていたようですが、この当時に流行だったフラット・トーンをわざと避けたような微妙なビブラートも実は聴きものです。
彼女はその容姿も含めて、いずれ何らかの形でデビューしただろうとは思いますが、一応世に出る契機になった二人のビルに、この際拍手でもしときまひょか。後日談ですが、二人目のビルとはどうもデキてたようでっせ…。まあ、よーある話しとゆーことで。
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