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ジミー・ジュフリー(JIMMY GIUFFRE)の同名アルバム「ジミー・ジュフリー」(JIMMY GIUFFRE)です。CAPITOLのオリジナル盤になります。当然ながらモノラルです。レコード番号は、T549。
盤にはややスレキズが見受けられますが、モノラル・カートリッジで再生したところ、大した影響はありませんでした。ほぼ快適に再生できます。
ジャケットにはリングウェアによるスレがあり、また天部分はほぼ完全に割れています。底も5cmほど真中が割れています。敢えて補修はしませんので、ご落札者様で対処していただければ幸いです。まあ、50年以上前の真正オリジナルですから、この程度は目をつぶっていいかもしれません。小口にはシールが貼られていますが、これは販売店のシールのようです。剥がそうと思えば剥がせると思います。
パーソネルは、テナー・サックス、クラリネット、バリトン・サックスにジミー・ジュフリー、アルト・サックスにバド・シャンク、トランペットにジャック・シェルドン、フリューゲル・ホーンにショーティー・ロジャース。
バルブ・トロンボーンにボブ・エネヴォルドセン、ベースにラルフ・ペナとカーティス・カウンス、ピアノにラス・フリーマン、ドラムスにシェリー・マンとアーティー・アントンとなっており、録音日時が3回に分かれていますので、クァルテットからセプテットの範囲での演奏になります。錚々たるウェストのメンバーで、ライトハウス・オールスターズかジャイアンツみたいな感じでもあります。
このレコードは1954年から1955年にかけて収録されたもので、最も初めの録音にはラス・フリーマンのピアノが加わっていますが、後2回の録音はピアノレスです。この後、ドラムスすら外して変則トリオを率いたジュフリーの、実験的な取り組み前段階を感じさせなくもありません。
ちなみにこのアルバムの次にCAPITOLからリリースされたのが、世紀の問題作、はたまた偉大な失敗作の「Tangents In Jazz」だったはずです。ジャズにタンジェントを持ち出すんですから、頭脳は優秀なようです…。そのせいか、このとき33歳だった彼の頭髪が、年に似合わず見事に後退している様子をジャケット写真から窺えます。
収録曲は、A面に「Four Brothers」、「Someone to Watch Over Me」、「Sultana」、「A Ring-Tail Monkey」、「Nutty Pine」、「Wrought Of Iron」の6曲、B面に「Do It!」、「All For You」、「Iranic」、「I Only Have Eyes For You」の4曲で、ピアノが加わった演奏はB面の「Iranic」を除いた3曲です。
トップの曲が、ウディ・ハーマンのセカンド・ハードで有名な「Four Brothers」で、だんご3兄弟ならぬサックス4兄弟が一世を風靡しましたが、実はこれの作曲およびアレンジが、ジミー・ジュフリーだったので、要は自作自演になるのでした。当時のハーマン・バンドでアレンジに徹したということは、ジミー・ジュフリー当人はサックス4兄弟に交ぜてもらえなかった程度の力量だったと想像されますが、何せ相手が悪い。ゲッツにズートにアル・コーンにサージ・チャロフだったら、大概は尻込みしますな…。で、「俺はアレンジだもんね」という賢明なところも垣間見せたジミー・ジュフリーでした。
ジミー・ジュフリーといえば、後年の変則トリオによる演奏や実験的ジャズとかが有名ですから、どうにもスイングしないウェスト・頭デッカチ派の代表選手みたいなイメージですが、「Four Brothers」はスイングしてるんじゃないですかね?
また、A面2曲目の「Someone To Watch Over Me」やB面最後の「I Only Have Eyes For You」はスタンダードとして有名ですから、正にアレンジを楽しむべきでしょう。私は個人的に「Someone To 〜」が好きですから、案外堪能しましたね。
ジュフリーその人は、テナーにバリトン、おまけにクラリネットまで奏する、いわゆるマルチ・リード奏者ですが、器用貧乏とはよく言ったもので、果たして普通の演奏以上には聴こえません、残念ながら…。やっぱり「おいらはアレンジャー」(同時出品している「アバレンジャー」ではありません)という選択は正しかったようで、このアルバムもアレンジの掛かった演奏こそが肝ですね。
当ったり前のウェスト・コースト・アレンジではあるものの、例えばユニゾンからアドリブまでの更なる調和を目論んでいるのは確実です。難しく言うと計算されたコレクティヴ・インプロヴィゼーション(集団即興演奏なんて邦訳になるそうな)とかいうやつですが、当時はこういう言葉はなかったようで、裏面のライナーには「with a singular creative touch」などと書かれています。アレンジと計算は前もってしておく用意周到なジュフリーでした。
後の変則・変態トリオだけ聴いていると、どうにも何をやっているのかよく分からない退屈演奏が続きますし、「思索するミュージシャン」などという、ミュージシャンとしてはあんまり有難くない別名も頂戴していたジュフリーですが、この時期のジュフリーは、普通のジャズ・ファンにも普通に楽しめると思います。
2002年だったかに紙ジャケCDで復刻されていたようですが、ここはレアなオリジナルLPでいかがでしょうか。本国では100ドルを超える価格で売買されているようです。
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