のとnoノート(JAZZ編)

超!長文の♪ジャズレコード評♪ですが、ジャズ好きの方にはお楽しみいただけると思います。

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ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)の「ジ・イン・クラウド」(THE IN CROWD)です。ARGOのオリジナル盤、ステレオ仕様です。レコード番号はLP−757。

盤には、若干のスレキズはありますが、目立つようなキズはありません。年代からすれば良好な程度かと思います。大体快調に再生できる程度です。
ジャケットには割り合いにスレが見受けられ、裏面は角から一部剥れが認められます。ヌケや割れはありません。

パーソネルはピアノにラムゼイ・ルイス、ベースとチェロにエルディー・ヤング、ドラムスにレッド・ホルトの、おなじみシカゴ三人衆です。ジャケット裏面に3人の写真が載っていますが、いやあ若いですね。ジョージ・ベンソンじゃないですが、ラムゼイ・ルイスも後年になっても老醜を知らず、若い頃と似たような雰囲気を維持していた稀有な例です。努力のほどが窺えますな。

このレコードは、別に殊更の説明も必要ないような有名盤で、1965年に録音され、その年だったか翌年だったかにグラミー賞を受賞しています。このアルバムの直後にリリースされたのが同時に出品している「HANG ON RAMSEY」になります。これもいいレコードです。

しかし、日本語発音でタイトルを聞いたら「寺院・蔵人」じゃないですかね。何だか有りそうなフレーズでしょ? 昔の寺院に蔵人が居たのかどうかは知りませんが(私は世界史選択者)、居たのかもしれないなと思わせるのが思わせぶりな傑作タイトルでした。

この頃のラムゼイ・ルイス・トリオは正に全国的ブレイク時だったんでしょうね。聴衆と一体となった熱気がビシバシと伝わってきます。シカゴではなくワシントンでのライブ盤でこれだけの声援ですから、ほかの土地でも推して知るべしでしょう。

収録曲は、A面に「The In Crowd」、「Since I Fell For You」、「Tennessee Waltz」、「You Been Talkin' 'bout Me Baby」の4曲、B面に「Spartacus」、「Felicidade」、「Come Sunday」の3曲、計7曲です。

聴けばその場でピタリと当たる「ライブ盤なんや、これ」という典型的なアルバムでして、注意力のある方なら、ジャケットの下の方に「RECORDED LIVE AT THE BOHEMIAN CAVERNS / WASHINGTON, D.C.」 とありますから、聴かずとも実は分かります。ボヘミアンの巣窟とか訳せる「BOHEMIAN CAVERNS」、要するに何処かの(ってワシントンD.C.ですが)レストランかクラブかにおけるライブなんですな、これが。

ジャケットの写真がその店だとすれば、いかにも「高級」を絵に描いたような風情なんですが、これはきっと違うでしょう。店頭にたむろする群集のショットを何処かから拝借しただけのように思います。車種は分かりませんが、こんな高級車が出入りするような場所に当時のラムゼイ・ルイスが出演したとは思えません(失礼!)。

それはさて置いて、1曲目がタイトル曲の「ジ・イン・クラウド」なんですが、文字通り群衆の真っ只中という雰囲気が噴出してまして、とにかく賑やかな周囲を露骨に感じさせます。で、演奏の方もノリノリで、拍手や手拍子なんぞも聞かれて、何ともアメリカ的エンタを満喫させてくれます。

エルディー・ヤングも曲の途中でスラム・スチュアートを真似た「ウィーン、ベンベン」一人二役攻撃をかましますし、それに呼応している聴衆の様子も結構リアルに分かります。終わりそうで終わらないエンディングの聴かせ方も、聴衆を見つつウケを狙っているという軽薄さ(周到さ)が感じられて微笑を誘います。こういう楽しいのはアメリカで流行るエンタですよね。

ところで、アルバム・タイトルは「THE IN CROWD」で、裏面の曲目紹介にある1曲目のクレジットは「THE 'IN' CROWD」なんですが、気付かれてました? 「’’」が付くと「流行の群集」みたいな意味になるはずで、ちょいと変化してるようですが残念ながら真相は不明でした。

ラムゼイ・ルイスは、ちっちゃな頃から悪ガキで〜というチェッカーズの歌じゃなくて、ちっちゃな頃からクラシックをまともに学習していた学究派だとの説がありまして、ホントらしいのですが演奏を聴く限りでは信じられません。きっとクラシックを勉強したものの肌に合わず、シカゴニアンの血が騒いだんでしょうね。体に染み付いたブルース・フィーリングを抑えきれず「オラは、これでいくだ」と決心したであろうことが窺えます。

それ以来、どっちかというと硬派ジャズ・ファンからは「真っ黒けだけれど、正味下品なノータリン・ピアニスト」とバカにされた人なるんですが、そう断じるのはあまりにも偏狭に過ぎるんじゃないでしょうか。

最近、とある本で、かのT島氏とかいうお方がこのアルバムをお取り上げになり「昔は純粋ジャズ・ファンを標榜していたのでバカにしていたが、最近聴き直したら強靭なブルースに出会えたので、嬉しい再発見…云々」みたいなことを書かれていましたが、単に昔は純粋で狭隘な精神しかお持ちじゃなかったということじゃないですかね。まあ、年中無休で宗旨替えみたいですから、こういう文章が横行しても今更驚きもしませんが、お里を知れて楽しませてくれます。

閑話休題。2曲目はガラッと変わってバラード(T島氏言うところの強力バラード)です。「俺っち、ノリノリだけじゃないもんね」とでも言いたげなムードで進行しまして、凡百のケーハク野郎ではないところを示そうと足掻きます。中間を過ぎた頃からやっぱり我慢できなくなって、根っからの気質を表してくれるのも可愛げがあっていいですね。おそらくはここでも聴衆の反応を横目で睨みながら演奏していたはずで、ウケ狙いの芸人根性が天晴れなんで、座布団1枚進呈しましょう。この曲におけるヤングのベースが中々にエゲツナイ音で迫ります。ゴーン、ゴーンと有名な日産の会長じゃなくて、そう言うが如き音を奏でています。スピーカーが壊れたわけではありませんので、ご心配なく。

3曲目ではヤングがチェロをギターの如くかき鳴らし、ビェーン、ビェン、ベンとあたかも琵琶法師です。演奏と一緒に歌ったり吠えたりし、これも聴衆のウケ狙い路線で、芸人魂炸裂です。でも、楽しくていい気分になるから許しましょう。これが許せないと聴く気が失せてバカにせざるを得なくなります。ああ、可哀相に…。

4曲目は、正に面目躍如たる真っ黒けサウンドです。ブラックそのまんまなんですが、変に暗さを感じる陰鬱な雰囲気にはならず、ノリノリに終始します。皆さん聴衆を喜ばす術を心得たエンタさんに違いありません、イェーイ…ということで。

長くなりましたが、もう1曲だけご紹介すると、B面冒頭の「スパルタカス」。これなんぞは、映画の「愛のテーマ」だそうで、随分落ち着いた出だしで何か違うものを予感させといて、いつの間にかおなじみのファンキー・コテコテ・プレイに転じていき、また最後だけシミジミ路線に戻るという常套手段で、これも笑わせてくれます。生来の根性は中々変えられないもんじゃと、またしても実感させられます。表題曲もいいんですが、こっちも聴きものですから、決してA面だけで終わらないようにされた方が賢明です。曲名のまま「スパルタはカス」とでも言わずにおられません。いや、お粗末。

ということで、純粋ジャズ・ファン(何なんだよ、このフレーズは?)からはケーハクの一語でバカにされる性を背負ったアルバムですが、実は非常に楽しめる好盤だったのでした。長々と綴った背景には、私が結構好きなことの表れでして、何卒ご容赦願います。

今風のイケイケ姉ちゃんにジャズを聴かせて手懐ける場合には、このアルバム辺りが向いているかもしれません。間違っても陰鬱情念アルバムを持っていかないように気を付けましょう。

いずれにしても、聴衆の熱気とともに非常に楽しめる演奏で、「HANG ON RAMSEY」と一緒に楽しむのも粋でござんした。そこが狙い目なんだと勝手に解釈しています。


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『GOODチョイス!通販』 http://www.blue-p.co.jp/shop/59.html

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投稿したら、ラムゼイ・ルイスの記事が載っていて、自分の持っているLPとCDをながめる事になりました。ここ10年以上聞いて無いので、今夜あたり聞いてみようかと思う。貴殿の持っているものとは違いますが・・・

2008/1/27(日) 午後 6:58 [ - ]


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