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■ 頑固オヤジのレコード評 ■ ※前回の続きは「3曲目が・・・」からご覧ください。 盤には輸入盤特有の軽いスレが見受けられますが、おそらく最初からこういうもので、ほとんど問題ない程度です。気になるプチパチ・ノイズなども感じられません。 ジャケットは若干スレがありますが、天や底には割れはありません。表はビニールコーティングされた立派なジャケットです。中古盤としては上の部類でしょう。 ●この商品は 『GOODチョイス!通販』で販売中です!(2009.02.22現在)●『GOODチョイス!通販』はこちら⇒http://www.blue-p.co.jp/shop/87_586.html3曲目が「Desafinado」で、アントニオ・カルロス・ジョビンの作になる有名曲です。これを知らずにジャズやボサノバを聴いている人はいないでしょう。1962年にスタン・ゲッツとチャーリー・バードのアルバム「Jazz Samba」に収録されて大ヒットしました。ここではフルートやフレンチホルン、チューバの響きがヨガラセマス。その後で出てくるのがジム・ホールのギター。デスモンドとの共演でも有名なホールのボサノバも堪りません。 4曲目は「Exodus」です。アーネスト・ゴールド作曲の映画音楽で、邦題は「栄光への脱出」でした。アカデミーも受賞しているこれを料理してみると、ソロは冒頭からズート・シムズです。相変わらずのスムーズトーンで迫ります。眠くなるじゃないの? ご心配なく、バックのアレンジが効いてます。しかし「Exodus」は「え、クソ出す?」に通じるものがあって日本人には近寄り難い雰囲気を醸し出します。オマケにソロが「ズーッとします」だから尚更ですね。やーね、それってスカトロじゃん! ちなみにジャケット表の表記は「Exodus In Jazz」ですね、何なのこれ? 要は原曲の荘厳な雰囲気はこれっぽっちもないスインギーなジャズ曲に様変わりしてますから、そういうことなんでしょう。おそまつ。 5曲目が「Cast Your Fate To The Wind」で、ヴィンス・ガラルディの作になります。1963年にグラミー最優秀ジャズ楽曲賞を取ってます。時期的にもクインシーが時流を見るに長けていた証左ですね。ガラルディは後年にピーナッツのシリーズ盤(スヌーピーだよ)で編曲などを担当して、CDを出してました。ここではそれらを髣髴とされるアレンジで、スコットのピアノが中々に聴かせます。このアレンジを憶えておいて、後に活用したんかいなと思わずにいられません。それに、クインシー自身も後年の「Smackwater Jack」で再びこの曲を採り上げています。よっぽど好きだったんでしょうね。ついでに「Smackwater Jack」にもボビー・スコットはピアノで参加しており、クインシーとの繋がりは如何ばかりか。後年のはエレピを用いたソフト&メロウの先鞭みたいなアレンジですけど、ここではピアノトリオにブラスの特性を加えたイカしたアレンジでグッと来ます。ジャズ的な要素が濃くていいよね、っと思っていたらいつの間にか終わっていました。 6曲目が「A Taste Of Honey」。よく聴くメロディなんですけど、作者はボビー・スコットです。1960年代前半に流行りました。邦訳「蜜の味」なんで、メロウに迫ります。そりゃあ甘いだろ、辛い蜜ならプーさんも食べんわな。スコットはこの曲でグラミー賞を取ってます。ところで「A Taste Of Honey」と言えば、70年代後半だったかに「Boogie Oogie Oogie(邦題:今夜はブギ・ウギ・ウギ)」でヒットしたグループを思い出しますね。真正美形ではないもののセクシーに着飾った女性2人が、フロントでギターとベースを引っ掻きながら、ちょいと顔をしかめながら「ブギウギウギ〜」と歌ってたんですけど、その頃は阿呆な学生だったので案外ヨガって聴いていたものです。この曲はビルボードでもトップになり、グループはグラミー新人賞まで取ってますから、かなり受けが良かったんですね。今はどうしているんでしょう? もうとっくに50代の真正オバハンですけどね。 閑話休題。少々抑えめのアレンジが却ってイイ味出してます。だし汁は控えめにって感じですね、入れすぎるとくどくなります。曲の最後に出てくるサックスは誰なんでしょう? ここらで意外とローランド・カークだったりしてね。さて、ジャケット表には「Taste Of Honey」の表記で「A」が抜けてます。冠詞の扱いは難しいんですけど、そういうのって、あかんしー。 続いてB面の1曲目が「Back At The Chicken Shack」です。これもジャケット表には「Back To The Chicken Shack」の表記になってまして、どっちがホントなんでしょう? また寝られなくなりそう、って春日三球か!もう亡くなりましたけど、地下鉄ネタは一世を風靡しました。 ジャケット表の表記は左右のバランスゆえに適当に配分したみたいで、アメリカのいい加減さを思い知らせてくれる好例ということで辛抱しましょう。正解は「At」で、ジミー・スミスが1960年に同名のアルバムに収録したオリジナルです。きっと60年代初頭には流行っていたんでしょうね、でなければクインシーが採り上げないでしょう。残念ながら原曲を聴いたことがないので、これしか知りませんけど、原曲の黒さを髣髴とさせる演奏ではあります。冒頭の楽器は何なんでしょう? 弦楽器かなと思いますが、よく分かりませんでした。ブラスの切れ味が中々で、ジョー・ニューマンのトランペットとスコットのピアノが好対照。「鳥小屋へ戻って」からナニしたのかは謎です。 2曲目が「Jive Samba」、ナット・アダレイの作です。彼からはファンキーしか頭に浮かびませんので、コテコテの曲と思っていましたが、やっぱりコテコテみたいです。それなりのアレンジを施してもコテコテさは消えませんでした。サンバのリズムで始まりますが、ブラスが盛り上げて、ここでアルトを吹いているのは何とズート・シムズです。スムーズネスが真骨頂のズートにしてこの濃さですから、アレンジの妙が楽しめます。トロンボーンはクエンティン・ジャクソンでした。クエンティン・タランティーノとは違います。 3曲目は「Take Five」です。ご存知ポール・デスモンド最大のヒット曲です。ブルーベックの「Time Out」に収録された原曲は変拍子のリズムで、これまた一世を風靡しましたね。アルト奏者はフィル・ウッズとズートだそうで、へーそうなのって感じですが、聴いてみれば納得のプレイでした。デスモンドのような浮遊アルトとは違うクールさが垣間見えます。ブラスの盛り上げが良いような悪いような、ご判断はお任せします。 4曲目が「Walk On The Wild Side」で、これはルー・リードのそれとはちょっと違います。ルー版は1972年に発表されてますから、このレコードの時にはまだ陽の目を見ていません。これはエルマー・バーンスタイン作曲の映画音楽からの登用になります。クラシックの指揮者であるレナード・バーンスタインとは親戚なんでしょうか? 多分違うと思います。エルマー・バーンスタインは「ゴーストバスターズ」のサントラにも関わってたそうで、その筋では中々著名な人物だったようで2004年に死んでます、合掌。この曲は上記のジミー・スミスも彼のアルバム「Bashin'」の中で演奏しています。それくらいだからアーシーに進みます。イェーイ、ファンキー、アーシーってなもんで、ボビー・スコットもオルガンを弾いてます。思うに、クインシーはスコットを買っていたみたいですね、結構な数の曲に彼のソロが出てきます。映画音楽だからそれなりの大層さでアレンジしたみたいで、オルガンのソロを挟んで劇的に終わりました。「野蛮な側を歩こう」って、ナニが野蛮なのか、これも謎でした。 5曲目は「Watermelon Man」で、ハービー・ハンコックのこれも最大のヒット曲でしょう。ハービー自身が「Takin' Off」で発表した後、1973年に「Head Hunters」で再演しています。単純に西瓜売りの曲ですけど、何だか暑そうです。西瓜は夏のものですから止むを得ませんが、ホントに暑苦しい。チャカポコとチューバのバックでブラスが吠えて、ボーカルまで入ってますから、あ〜暑い。ここでのアルトも、フィル・ウッズとズート・シムズだそうで、クールにはなりきれなかった後悔が見え隠れ。西瓜売りだと、麦わら帽子に天秤棒みたいな風体を想像して、汗だく以上の何者でもありません。 最後の曲が「Bossa Nova U.S.A.」です。これは、何とデイブ・ブルーベックの作です。ご時世には逆らえずボサノバもやってみたんですね。出だしからズートのテナーが快調で、後を受けたホールのギターも軽快で、流石はソフト&スムーズの両巨匠でした。で、それだけかい? 12曲も入っているので、ご紹介が長くなり、失礼いたしました。結構クインシーは好きなもので、ついつい書いてしまいます。あっ、掻いてるんじゃないんでね、誤解のなきよう。ここまでご覧いただいて有難うございます。我ながらホンマに疲れました。あ〜しんど。 いずれにしても、クインシーの才能が溢れ出た1枚であることに疑いはありません。癪だけど、昔からクインシーは大したものでした。財を成すのも当然だったんですね。あ〜羨ましい。 しかし、ジャケットのクインシーはイカシてます? 両手を広げて自信たっぷりですね。人差し指の立っているのがご愛嬌。 MERCURYにしては、かなりいい録音です。変なプチパチもなく、快適に再生できますので、ちょいと驚きでした。 ※前回の「続きは明日へ」から5日・・・お待たせしてすんまへんm(_ _)m ブログ管理人:のと2より |

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