のとnoノート(JAZZ編)

超!長文の♪ジャズレコード評♪ですが、ジャズ好きの方にはお楽しみいただけると思います。

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チャーリー・ミンガス(CHARLIE MINGUS)の「直立猿人」(PITHECANTHROPUS ERECTUS)です。ATLANTIC原盤で、RHINO RECORDSによるアンダー・ライセンス復刻盤の新品・未開封です。

パーソネルは、ベースにチャーリー・ミンガス、アルトサックスにジャッキー・マクリーン、テナーサックスにJ.R.モンテローズ、ピアノにマル・ウォルドロン、ドラムスにウィリー・ジョーンズという2管のクインテット構成です。

このレコードは1956年に録音された、ミンガスの最高傑作との呼び声が高いものです。ミンガスはジャズ・ワークショップというグループで、現代音楽の流れをも踏まえた実験的な創作を行っていましたが、この中において、作品に対する表現方法を徹底的にリハーサルする手法を採っていたと考えられます。

したがって、ミンガス自身の、ある種強烈な個性や熱意をグループ・サウンドとして表出することができたと推測されます。こういったミンガス独自の音楽が初めて結実し世に問うたのが、このレコードかと歴史的に解釈されるでしょう。

1950年代半ばから後半と言えば、ハード・バップ全盛期に当たりますが、この時期に単なるハード・バップの形式を凌駕したグループ・サウンドを実現し得たことは、確かにミンガス・ミュージックの一つの頂点を形成したと言えます。1950年代最後期には、正に唐突にオーネット・コールマンが出現し
ますが、今から思えば、アヴァンギャルドの特異性は既にこのミンガスの活動によってもたらされていたようにも思えます。

誰がこのサウンドを聴いて、クインテットで演奏されていると想像するでしょうか。もっと大編成のオーケストラによる演奏のように聴いてしまいます。勿論譜面があっての成果でしょうが、ミンガスのバンド・リーダーとしての優秀性を意識しないわけには行きません。実力や実績の割りには人気の乏しいミンガスですが、異色性も踏まえて、持っていて損はないレコードの1枚です。スタジオ録音において到達しえた一つの頂点であることは、繰り返しますが間違いありません。

ちなみに私はミンガスのライブ盤が結構お気に入りで、タウンホールやモンタレー、あるいは欧州楽旅での演奏に痺れています。


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