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ジェリー・マリガン(GERRY MULLIGAN)の「ザ・コンサート・ジャズ・バンド」(THE CONCERT JAZZ BAND)です。VERVEのオリジナル盤、モノラル仕様になります。
盤にはややスレが認められますが概ね良好で、VERVE特有のプチパチもあまり感じられず、快適に再生できます。モノラル・カートリッジでの再生をお薦めします。ジャケットには左上に角当たりがあり、天地ともに7〜8cmほど一部が抜けています。また裏面にスレがありますが、全体的には中くらいかなと思います。
パーソネルは、サックスズ(いろんなサックスという意味でしょう)にジェリー・マリガン、ディック・メルドニアン、ズート・シムズ、ジーン・アレン、ジム・レイダー、クラリネットとアルト・サックスにジーン・クイル。
トランペットにニック・トラヴィス、ドン・フェラーラ、コンテ・カンドリ、ダニー・スタイルズ、フィル・サンケル、トロンボーンにボブ・ブルックマイヤー、ウェイン・アンドレ、アラン・ラフ、ベースにバディ・クラーク、ビル・タカス、ドラムスにメル・ルイス、デイヴ・ベイリーという、今回もピアノレスによるグループによる編成です。
このレコードは1960年に録音、リリースされたもので、パーソネルが多いように見えますが、収録曲の最後の1曲だけ収録日が異なっているためです。とは言うもののすべての曲が13人の編成で収録されていますから、決して少ない人数ではありません。ビッグ・バンドというよりはコンボの拡大版と理解した方が的を射ているようです。
収録曲は、A面に「Sweet And Slow」、「Bweebida Bobbida」、「Manoir Des Mes Reves (Django's Castle)」、「You Took Advantage Of Me」の4曲、B面に「Out Of This World」、「My Funny Valentine」、「Broadway」、「I'm Gonna Go Fishin'」の4曲、計8曲になります。
この当時のマリガンが何を意識していたのかはよく分かりませんが、一応ピアノレスでアンサンブルの重厚さを追求していたような感じではあります。テーマからソロへの導入部における演奏は、おそらく前もっての楽譜が存在しただろうことは明らかで、その後のインタープレイに活路を見出したかったというところでしょうか。マリガンはバリバリのソロを展開します。
裏面のライナーは、かのレナード・フェザーが担当しており、稚拙に訳しても、新しいジャズ・オーケストラの形態を提示しているとか何とか言っています。それが正しかったかどうかは別として、旧来にはないコンサート・ジャズ・バンドには違いないでしょう。1960年の秋にはノーマン・グランツのアレンジで最初のツアーを行ったとの記載があります。
どちらかというと、A面よりB面の方が聴き応えがあると思います。最後の「I'm Gonna Go Fishin'」だけメンバーが異なり、おそらくはこれがコンサート・ジャズ・バンドの初公開曲に当たるのではないでしょうか。「魚釣りに行くぜ!」で正しいかどうかは分かりませんが、曲調は魚釣りとどんな関係があるのかちょっと不明です。
ジャケットの表面はいかにも愛想のない文字だけ(ただし金文字?)のデザインですが、何かを感じさせるには中々のインパクトがあったんだろうと思わせます。裏面にはマリガンの微笑んだ写真が載せられており、全くのプレイ・ボーイ振りを彷彿とさせます。ニューヨークに出てきて、さぞかしもてたんでしょうな。こういう2枚目を放っておきませんからね、世のご婦人方は…。
マリガンでもう一儲けしようというノーマン・グランツの下心がミエミエなんですが、演奏自体は楽しめる逸品かと思います。当時既にオーネット・コールマンが世に出ていましたが、未だフリーっぽい演奏に耳を傾ける聴衆は少なかったんでしょう。こういう編成のジャズが革新だったかもしれません。今聴けば、別にどうということもない普通の演奏なんですが…。
アメリカでの評価は日本よりも高いような感じで、ニューヨークに進出してそれなりの地歩を固めつつあるマリガンを評価すべき1枚なんだと思います。
どうやら日本では廃盤化されているようで、CDでもお見かけしないレア品のようです。このアルバムに対する世間の評価はよく知りませんが、持っていて決して損はしません。これも何故に廃盤扱いになっているのかが分からない、不思議アルバムの一つです。
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