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キャノンボール・アダレイ(CANNONBALLADDERLEY) の「フィドラー・オン・ザ・ルーフ」(FIDDLER ON THE ROOF) です。CAPITOLのオリジナル盤、ステレオ仕様になります。レコード番号はST2216。
盤には若干のスレが見受けられますが、目立つようなキズはなく、再生に影響のあるダメージはそれほど見当たりません。一部プッツンを感じますが、概ね快適に再生できます。ジャケットも概ね良好な程度を維持しており、小口部分に少しヤケが認められるくらいで、スレやヌケや割れはありません。まずは良質な中古盤です。
パーソネルは、アルト・サックスにキャノンボール・アダレイ、トランペットとコルネットに弟のナット・アダレイ、テナー・サックスとフルートにチャールズ・ロイド、ピアノにジョー・ザヴィヌル、ベースにサム・ジョーンズ、ドラムスにルイス・ヘイズで、「IN NEW YORK」のメンバーからユゼフ・ラティーフが抜け、代わりにチャールズ・ロイドが加わったという構成になります。
このレコードは1964年にニューヨーク(!)のキャピトル・スタジオで録音されたもので、録音年月日の前後はあるものの、CAPITOLへ移籍してからセクステットとしての初アルバムになるようです。
収録曲は、A面に「Fiddler On The Roof」、「To Life」、「Sabbath Prayer」、「Chavalah」の4曲、B面に「Sewing Machine」、「Now I Have Everything」、「Do You Love Me」、「Matchmaker」の4曲、計8曲です。
アルバム・タイトルの「Fiddler on the roof」とは、すなわち邦訳「屋根の上のヴァイオリン弾き」ということで、演奏曲は件のミュージカルに題材を求めたものになります。大体、このミュージカルのブロードウェイ初演が1964年とされていますから、その同じ年に録音しているわけで、「My Fair Lady」の前例があるとは言え、中々流行に敏感なCAPITOLの姿勢が窺えますな、良きにつけ悪しきにつけ。
題材がミュージカルなんですが、そこはキャノンボール、決してオリジナルらしきアレンジがミエミエの演奏にはなっていません。はっきり言って、毎度おなじみイケイケ路線で行きたくてしようがないといった趣きを感じさせてくれる好演です。つまりは抑えようとしても抑えきれない血が騒ぐんですね、この方は。
何でも、この録音前にはフィラデルフィアへツアーに出ており、ツアー中に幾らかリハーサルしたのみでこの録音に臨んだといいますから、そんな極端に原曲のアレンジなんぞを尊重した演奏ができるはずもありません。と言うか、そうでなくて良かったんじゃないすかね、結果としては。
1964年にテナー・サックスがユゼフ・ラティーフからチャールズ・ロイドに交代しましたので、例のアジアン・フレーヴァー(抹香くさいともいいます)は姿を消し、モダン調に変化した時期に相当します。このアルバムでもロイドのフルートがフューチュアされていますが、ちょいと吹きだしそうな印象を覚えるのは私だけでしょうか…。おもろいでっせ。
しかし、ジョー・ザヴィヌルは相変わらず好調なようで、欧州人とは思えないファンクさを現していますし、ベースのサム・ジョーンズも図太い音でビンビン迫ります。
キャノンボールなんですが、渾名というか通称というか芸名なのは、よくご存知でしょうが、本名は「ジュリアン」ですから笑わせますね。しかしあの巨体に「ジュリアン」が似合わないのは当ったり前で、芸名にしといてよかったね。
ジャズに興味をもちだした頃に、何処かの雑誌でこんな文章を目にしました。「ブルーノートのキャノンボールのサムシンエルスのマイルスのオータム・リーブスは傑作だ」、普通の人が普通の知識でこんな文章を初見で理解できるわけがない。「青い冊子の砲弾の何かのマイルス…」にしかならんよね。
とまあ、いろいろ話題に事欠かないキャノンボールではありました。
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