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ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)の「デスモンド・カルテット・ライヴ」(THE PAUL DESMOND QUARTET LIVE)、2枚組です。HORIZONのオリジナル盤になります。レコード番号は、SP−850、HORIZON10です。
盤には殆んどスレやキズもなく、新品同様に近い水準です。再生に影響するダメージはありません。経過年月から若干のプチパチはあるかもしれません。ジャケットは、ややスレが見受けられますが、大体は良好な状態を保っています。割れやヌケはありません。総じて普通の中古盤程度かと思います。2枚組ですから、見開きジャケットです。
パーソネルは、アルトサックスにポール・デスモンド、ベースにドン・トンプソン、ギターにエド・ビッカート、ドラムスにジェリー・フラーとなっており、ピアノレス・カルテット編成になります。
このレコードは、1975年の10月、11月にカナダ、トロントの「バーボン・ストリート」でベーシストのドン・トンプソンによって録音されたものとのクレジットが中面にあります。ベーシストなのに録音にも長けていたんでしょうか? 演奏中にどうやって録音したのか、できれば様子を拝見したかったものです。
収録曲は、1面に「Wendy」、「Wave」、2面に「Things What They Used To Be」、「Nancy」、3面に「Manha De Carnival」、「Here's That Rainy Day」、4面に「My Funny Valentine」、「Take Five」の計8曲になります。LP片面に2曲ずつですから、それぞれが結構長めの演奏になっています。
ピアノレスでの演奏で、ピアノの代わりにギターを入れているのが中々ハマッています。ご存知のデスモンド・トーンですからギターと妙にマッチします。このアルバムでは類似頭髪型友達で仲良しのジム・ホールではなくてエド・ビッカートがギターを担当していますが、邪魔にならず、これはこれでいい感じだと思います。
余談ですが、確か1970年代後半にジム・ホールが来日したときに、ベースはこのドン・トンプソンだったように記憶します。ジム・ホールのホライゾン・アルバムにも参加していますから、きっとそうでしょう。
閑話休題。こういったメンバーでしかも「バーボン通り」とかいう、飲ませる店(居酒屋じゃないのか?)での演奏ですから、バリバリ・ゴリゴリに過激な演奏には成り得ません。ほろ酔い加減で聴いていて実に快適をもたらすニンマリ演奏です。中年以降のオッサンにとっては癒し系の最たるものですな。誉めてるんですよ。
数曲はこれまたお馴染みのボサノバを入れており、その系統が好きな御仁には堪りませんね。恥ずかしながら私もその系統が好きなのでした。「Manha De Carnival」は邦題「黒いオルフェ」あるいは「カーニバルの朝」として有名な曲で、通常のテンポより若干遅めのアレンジが夜の居酒屋にはピッタリですね。
最後に「Take Five」を持ってくるのがファンには泣かせますね。アジアン・フレーズを取り混ぜる例のスタイルによっています。何故にこのスタイルをデスモンドが好んだのかは不明ですが、ちょっと好みが分かれるところかもしれません。途中のベースソロも、このアレンジを意識したレロレロ奏法です。悪くはないんですけど、やや軟弱かな…。
熱血バリバリのジャズファンからは好ましく思われない演奏なんでしょうが、こういうジャズも止められません。オマケにワン・アンド・オンリーなデスモンド・トーンを堪能できますから、デスモンド・ファンにはブルーベック・カルテットでの演奏より聴きどころ満載です。取り敢えず、デスモンドの演奏に耳を傾けるべきアルバムで、コテコテとは正反対の領域を楽しんでください。単なる軟弱プレイヤーの枠では括りきれない独特の音色はいかがでしょうか。
ジャケットの写真ですが、表面にはデスモンドのアップが写っています。よく見れば胸ポケットが二つあるボタンダウンシャツにウール製と思しきストライプのネクタイ、ドクロマークのように見えるサスペンダー、腕には丸金の腕時計、お馴染みの黒ぶちメガネ、上等そうなケースに左手を置いて、右手の指には残り少ないタバコが挟んでいます。
この直後、アッチッチとなったかどうかは定かではありません。表情を田舎くさくすれば、関西CMソングの重鎮「キダ・タロー」に見えなくもないのですが、このショットは中々イカシタおっちゃんじゃないでしょうか。それにひきかえ、裏面の写真はいただけません。表面と同じく微笑んではいるのですが、変にニヤケてて気持ちが悪い。
既にCDでも再発されたようですが、ジャケットの有難さや音質からはオリジナルに勝るものはありません。CDはデザインも少し変わっているようですね。また何とCDでの最終曲は「Take Five」ではないのです。未収録曲を加えることの功罪が如実に現れた好例でしょう。オリジナルの意図はどこへやら…。
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