のとnoノート(JAZZ編)

超!長文の♪ジャズレコード評♪ですが、ジャズ好きの方にはお楽しみいただけると思います。

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■ 頑固オヤジのレコード評 ■ ※前回の続きは「3曲目が・・・」からご覧ください。

クインシー・ジョーンズ(QUINCY JONES)の「プレイズ・ヒップ・ヒッツ」(PLAYS HIP HITS) です。MERCURYのオリジナル盤、ステレオ仕様です。レコード番号はSR−60799。
盤には輸入盤特有の軽いスレが見受けられますが、おそらく最初からこういうもので、ほとんど問題ない程度です。気になるプチパチ・ノイズなども感じられません。
ジャケットは若干スレがありますが、天や底には割れはありません。表はビニールコーティングされた立派なジャケットです。中古盤としては上の部類でしょう。

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3曲目が「Desafinado」で、アントニオ・カルロス・ジョビンの作になる有名曲です。これを知らずにジャズやボサノバを聴いている人はいないでしょう。1962年にスタン・ゲッツとチャーリー・バードのアルバム「Jazz Samba」に収録されて大ヒットしました。ここではフルートやフレンチホルン、チューバの響きがヨガラセマス。その後で出てくるのがジム・ホールのギター。デスモンドとの共演でも有名なホールのボサノバも堪りません。

4曲目は「Exodus」です。アーネスト・ゴールド作曲の映画音楽で、邦題は「栄光への脱出」でした。アカデミーも受賞しているこれを料理してみると、ソロは冒頭からズート・シムズです。相変わらずのスムーズトーンで迫ります。眠くなるじゃないの? ご心配なく、バックのアレンジが効いてます。しかし「Exodus」は「え、クソ出す?」に通じるものがあって日本人には近寄り難い雰囲気を醸し出します。オマケにソロが「ズーッとします」だから尚更ですね。やーね、それってスカトロじゃん! ちなみにジャケット表の表記は「Exodus In Jazz」ですね、何なのこれ? 要は原曲の荘厳な雰囲気はこれっぽっちもないスインギーなジャズ曲に様変わりしてますから、そういうことなんでしょう。おそまつ。

5曲目が「Cast Your Fate To The Wind」で、ヴィンス・ガラルディの作になります。1963年にグラミー最優秀ジャズ楽曲賞を取ってます。時期的にもクインシーが時流を見るに長けていた証左ですね。ガラルディは後年にピーナッツのシリーズ盤(スヌーピーだよ)で編曲などを担当して、CDを出してました。ここではそれらを髣髴とされるアレンジで、スコットのピアノが中々に聴かせます。このアレンジを憶えておいて、後に活用したんかいなと思わずにいられません。それに、クインシー自身も後年の「Smackwater Jack」で再びこの曲を採り上げています。よっぽど好きだったんでしょうね。ついでに「Smackwater Jack」にもボビー・スコットはピアノで参加しており、クインシーとの繋がりは如何ばかりか。後年のはエレピを用いたソフト&メロウの先鞭みたいなアレンジですけど、ここではピアノトリオにブラスの特性を加えたイカしたアレンジでグッと来ます。ジャズ的な要素が濃くていいよね、っと思っていたらいつの間にか終わっていました。

6曲目が「A Taste Of Honey」。よく聴くメロディなんですけど、作者はボビー・スコットです。1960年代前半に流行りました。邦訳「蜜の味」なんで、メロウに迫ります。そりゃあ甘いだろ、辛い蜜ならプーさんも食べんわな。スコットはこの曲でグラミー賞を取ってます。ところで「A Taste Of Honey」と言えば、70年代後半だったかに「Boogie Oogie Oogie(邦題:今夜はブギ・ウギ・ウギ)」でヒットしたグループを思い出しますね。真正美形ではないもののセクシーに着飾った女性2人が、フロントでギターとベースを引っ掻きながら、ちょいと顔をしかめながら「ブギウギウギ〜」と歌ってたんですけど、その頃は阿呆な学生だったので案外ヨガって聴いていたものです。この曲はビルボードでもトップになり、グループはグラミー新人賞まで取ってますから、かなり受けが良かったんですね。今はどうしているんでしょう? もうとっくに50代の真正オバハンですけどね。

閑話休題。少々抑えめのアレンジが却ってイイ味出してます。だし汁は控えめにって感じですね、入れすぎるとくどくなります。曲の最後に出てくるサックスは誰なんでしょう? ここらで意外とローランド・カークだったりしてね。さて、ジャケット表には「Taste Of Honey」の表記で「A」が抜けてます。冠詞の扱いは難しいんですけど、そういうのって、あかんしー。

続いてB面の1曲目が「Back At The Chicken Shack」です。これもジャケット表には「Back To The Chicken Shack」の表記になってまして、どっちがホントなんでしょう? また寝られなくなりそう、って春日三球か!もう亡くなりましたけど、地下鉄ネタは一世を風靡しました。 ジャケット表の表記は左右のバランスゆえに適当に配分したみたいで、アメリカのいい加減さを思い知らせてくれる好例ということで辛抱しましょう。正解は「At」で、ジミー・スミスが1960年に同名のアルバムに収録したオリジナルです。きっと60年代初頭には流行っていたんでしょうね、でなければクインシーが採り上げないでしょう。残念ながら原曲を聴いたことがないので、これしか知りませんけど、原曲の黒さを髣髴とさせる演奏ではあります。冒頭の楽器は何なんでしょう? 弦楽器かなと思いますが、よく分かりませんでした。ブラスの切れ味が中々で、ジョー・ニューマンのトランペットとスコットのピアノが好対照。「鳥小屋へ戻って」からナニしたのかは謎です。

2曲目が「Jive Samba」、ナット・アダレイの作です。彼からはファンキーしか頭に浮かびませんので、コテコテの曲と思っていましたが、やっぱりコテコテみたいです。それなりのアレンジを施してもコテコテさは消えませんでした。サンバのリズムで始まりますが、ブラスが盛り上げて、ここでアルトを吹いているのは何とズート・シムズです。スムーズネスが真骨頂のズートにしてこの濃さですから、アレンジの妙が楽しめます。トロンボーンはクエンティン・ジャクソンでした。クエンティン・タランティーノとは違います。

3曲目は「Take Five」です。ご存知ポール・デスモンド最大のヒット曲です。ブルーベックの「Time Out」に収録された原曲は変拍子のリズムで、これまた一世を風靡しましたね。アルト奏者はフィル・ウッズとズートだそうで、へーそうなのって感じですが、聴いてみれば納得のプレイでした。デスモンドのような浮遊アルトとは違うクールさが垣間見えます。ブラスの盛り上げが良いような悪いような、ご判断はお任せします。

4曲目が「Walk On The Wild Side」で、これはルー・リードのそれとはちょっと違います。ルー版は1972年に発表されてますから、このレコードの時にはまだ陽の目を見ていません。これはエルマー・バーンスタイン作曲の映画音楽からの登用になります。クラシックの指揮者であるレナード・バーンスタインとは親戚なんでしょうか? 多分違うと思います。エルマー・バーンスタインは「ゴーストバスターズ」のサントラにも関わってたそうで、その筋では中々著名な人物だったようで2004年に死んでます、合掌。この曲は上記のジミー・スミスも彼のアルバム「Bashin'」の中で演奏しています。それくらいだからアーシーに進みます。イェーイ、ファンキー、アーシーってなもんで、ボビー・スコットもオルガンを弾いてます。思うに、クインシーはスコットを買っていたみたいですね、結構な数の曲に彼のソロが出てきます。映画音楽だからそれなりの大層さでアレンジしたみたいで、オルガンのソロを挟んで劇的に終わりました。「野蛮な側を歩こう」って、ナニが野蛮なのか、これも謎でした。

5曲目は「Watermelon Man」で、ハービー・ハンコックのこれも最大のヒット曲でしょう。ハービー自身が「Takin' Off」で発表した後、1973年に「Head Hunters」で再演しています。単純に西瓜売りの曲ですけど、何だか暑そうです。西瓜は夏のものですから止むを得ませんが、ホントに暑苦しい。チャカポコとチューバのバックでブラスが吠えて、ボーカルまで入ってますから、あ〜暑い。ここでのアルトも、フィル・ウッズとズート・シムズだそうで、クールにはなりきれなかった後悔が見え隠れ。西瓜売りだと、麦わら帽子に天秤棒みたいな風体を想像して、汗だく以上の何者でもありません。

最後の曲が「Bossa Nova U.S.A.」です。これは、何とデイブ・ブルーベックの作です。ご時世には逆らえずボサノバもやってみたんですね。出だしからズートのテナーが快調で、後を受けたホールのギターも軽快で、流石はソフト&スムーズの両巨匠でした。で、それだけかい?

12曲も入っているので、ご紹介が長くなり、失礼いたしました。結構クインシーは好きなもので、ついつい書いてしまいます。あっ、掻いてるんじゃないんでね、誤解のなきよう。ここまでご覧いただいて有難うございます。我ながらホンマに疲れました。あ〜しんど。

いずれにしても、クインシーの才能が溢れ出た1枚であることに疑いはありません。癪だけど、昔からクインシーは大したものでした。財を成すのも当然だったんですね。あ〜羨ましい。

しかし、ジャケットのクインシーはイカシてます? 両手を広げて自信たっぷりですね。人差し指の立っているのがご愛嬌。

MERCURYにしては、かなりいい録音です。変なプチパチもなく、快適に再生できますので、ちょいと驚きでした。



※前回の「続きは明日へ」から5日・・・お待たせしてすんまへんm(_ _)m ブログ管理人:のと2より

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■ 頑固オヤジのレコード評 ■

クインシー・ジョーンズ(QUINCY JONES)の「プレイズ・ヒップ・ヒッツ」(PLAYS HIP HITS) です。MERCURYのオリジナル盤、ステレオ仕様です。レコード番号はSR−60799。

盤には輸入盤特有の軽いスレが見受けられますが、おそらく最初からこういうもので、ほとんど問題ない程度です。気になるプチパチ・ノイズなども感じられません。

ジャケットは若干スレがありますが、天や底には割れはありません。表はビニールコーティングされた立派なジャケットです。中古盤としては上の部類でしょう。

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このレコードは1963年に録音されたもので、クインシーが多様なプレイヤーを集めて制作した注目盤の一つです。

曲ごとにパーソネルは異なるでしょうが、一応ジャケットに記載のあるパーソネルをご紹介します。オルガンとピアノにラロ・シフリン、ボビー・スコット、パティ・ボーン、ベースにミルト・ヒントン、ジョージ・デュビビエ、アート・デイヴィス、ベン・タッカー、メジャー・ホリー、クリス・ホワイト、ドラムスにルディ・コリンズ、オシー・ジョンソン、エド・ショーネシー、トランペットにジョー・ニューマン、クラーク・テリー、アーニー・ロイヤル、スヌーキー・ヤング、ジェームズ・ノッティンガム、アル・ペリシ。
サックスにズート・シムズ、ローランド・カーク、アル・コーン、ジェームズ・ムーディー、ウォルター・レビンスキー、トロンボーンにビリー・バイヤース、ポール・フォーリズ、ジミー・クリーブランド、クエンティン・ジャクソン、カイ・ウィンディング、トーマス・ミッチェル、サント・ルッソ、メルバ・リストン、フレンチホルンにジュリアス・ワトキンス、ジェームズ・バフィントン、レイ・アロンジ、ボブ・ノーザン、アール・チャピン、ポール・イングラハム、フレッド・クライン、ウィリー・ラフ。
ギターにケニー・バレル、ジム・ホール、ウェイン・ライト、サム・ハーマン、パーカッションにジェームズ・ジョンソン、チャールズ・マッコイ、カルロス・ゴメス、ジャック・デル・リオ、ホセ・ポーラ、ビル・コスタ、ジョージ・デヴィンズ、リードにロメオ・レンケ、バド・ジョンソン、セルダン・パウエル、ジェローム・リチャードソン、チューバにビル・スタンレー、ジェームズ・マックアリスター、ハーモニカにチャールズ・マッコイとなっています。あ〜あ疲れた。

知らない人も多いのですが、知ってる人も多いですね。これほどのメンバーを揃えられるんだから、やっぱりクインシーは昔から名士です。ベイシー楽団との繋がりも濃そうですし、ギターにバレルやホールが入っているのも驚きです。個人的にはベースのメジャー・ホリー(堀井巻尺さん)が愉快で、エッヘッへです。

収録曲は、A面に「Comin' Home Baby」、「Gravy Waltz」、「Desafinado」、「Exodus」、「Cast Your Fate To The Wind」、「A Taste Of Honey」の6曲、B面に「Back At The Chicken Shack」、「Jive Samba」、「Take Five」、「Walk On The Wild Side」、「Watermelon Man」、「Bossa Nova U.S.A.」の6曲、計12曲です。

ジャケット裏のコピーには「Big band arrangements of today's soulful jazz hits」とあり、「今日の魂一杯ジャズ・ヒット・ナンバーのビッグ・バンド・アレンジ」みたいな意味になりますね。まあ、要するにこの頃流行ったナンバーをビッグ・バンドでアレンジしてみましたということで(誰でも分かりますが)、クインシーなりのアレンジでヒップですよ、とでも言いたげな惹句です。

さて、A面の1曲目は「Comin' Home Baby」です。有名なハービー・マンの「At The Village Gate」の冒頭に入っていた名曲ですね。作者はご存知のベン・タッカーですけど、彼も今回のセッションに加わっています。オリジナルの演奏よりも速いテンポで、畳み掛けるというのはこういうことでしょうね。ブラスとギターやフルートあたりの対比が秀逸です。ここでのギターはジム・ホール(!)。ほっといても体が動き出すようなスイング感で、イケてまっせ。と思っていたら、すぐに終わってしまいました。3分弱、「もう終わってしまったの?」、「すんまへん」

2曲目は「Gravy Waltz」。イカにもタコスにもポップ・コーンな佳作なんですが、何と作者はレイ・ブラウンなんですぜ。若いときからオッサン風貌のレイ・ブラウンが書いた曲も、クインシーに係るとますますイェーイ!ヒップだぜ! ボビー・スコットのメリハリ・ピアノが冴えてます。

で、この曲は「Steve Allen Show」のテーマソングとしてブラウンが作曲し、スティーブ・アレン自身が詞を書いて歌っています。ちょいと歌詞の邦訳を引用…。

可愛いママが台所にいる素敵な日、

グツグツ煮えるグレイヴィー(肉汁)ソースが半マイル先まで匂っている

アサガオに僕は「おはよう」と声をかける、

楽しそうにさえずる小鳥が彼女の誠実さを伝えてくれる

やあ、彼女は僕が来るのを見たらフライパンを取りに一生懸命走ったよ

煮過ぎにならないよう味見をして、蜜蜂みたいにムーンと鼻をならしていたんだ

シダレヤナギ君(Mister Weeping Willow)、僕は短所や失敗なんて気にならなくなったのさ

だって、僕の彼女はいつでも出来たてのグレイヴィー・ワルツをする準備ができているんだから



どうにもわけの分からない歌詞ですね。「肉汁ワルツ」に歌詞を付けたらこんなものでしょうか?

≫明日へ続く


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◆ケニー・バレル(KENNY BURRELL)の「マン・アット・ワーク」(MAN AT WORK)です。CADETのオリジナル盤、ステレオ仕様になります。レコード番号はLPS−769。とは言うものの、実は既にARGOからリリースされていた「A NIGHT AT THE VANGUARD」のCADETによるリイシュー盤です。一応CADETではオリジナルになるようなので、何とも表現に苦しむ盤ではあります。

◆盤は、見たところ目立つキズもなく良好な再生が可能かなと思われるのですが、実はA面にはスレがあって一部にジャリが付き纏います。B面も綺麗そうでいて少々ノイズの混じる箇所があります。年代からは、こんなものなのかもしれませんが、神経質な方にはお薦めしません。演奏を楽しむ分にはそう問題ないと思いますが、個人差があるでしょうから…。

◆ジャケットにはスレが見受けられますが、抜けや割れはありませんので、全体としては中くらいかと思います。画像をご参照ください。

◆このレコードは1959年にニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでライブ収録されたものです。「NYでのライブなのに、何でシカゴのレーベルなんだ」と野暮は言いっこなしです。バレルにあやかってNYに来たかったんじゃないですか、CHESS(すなわちARGOでCADET)の面々も。

◆パーソネルはギターにケニー・バレル、ベースにリチャード・デイヴィス、ドラムスにロイ・ヘインズというトリオです。

◆収録曲は、A面に「All Night Long」、「Will You Still Be Mine」、「I'm A Fool To Want You」、「Trio」の4曲、B面に「Broadway」、「Soft Winds」、「Just A-sittin' And A-rockin'」、「Well, You Needn't」の4曲、計8曲です。「Soft Winds」はバレルのお気に入りみたいですね。どこかでも見掛けたことがあります。

◆こういう組み合わせの場合は、バレル節が横溢するような感じですね。ベースもドラムスもそれぞれが達人で、誰にでも合わせられるヴァーサタイルなプレイヤーですから、バレルの特色を打ち消すことなくバッキングするはずです。

◆で、結果は大体そのとおり。ロイ・ヘインズのドラムスが必要以上に大きく聴こえる箇所はありますが、それはそれで快適に聴こえますから、やっぱりロイは只者ではないのでした。この人はホンマに凄いと思います、今更ながら。リチャード・デイヴィスも堅実かつ強靭、ぶれないバックアップで盛り立てています。後年の見るも無残な姿は、この頃からは想像できません。

◆アルバム・タイトルが泣かせますし、ジャケットを飾る「仕事中の人」って立て看板がイナセじゃあーりませんか。このジャケットだけで私は買いでした。ドン・ブロンスタインとかいう人の写真だそうですが、こういうのが好きですね、私は。ARGOのは若いバレルがギターを持って写っているだけのツマンナイものでしたから、ジャケットで言うなら断然こっちです。

◆さて、1曲目は「All Night Long」です。プレスティッジに同名のアルバムがあり、バレルの代名詞みたいに扱われている曲かもしれません。一晩中ナニをやっていたのかは知りませんが、けだるいようでウキウキの雰囲気が堪りませんね。まあ事後は充足感でこんなものなのでしょう…。シングル・ラインとコードのバランスが絶妙です。黙って聴けば、ピタリと分かるの典型ですから、聴いてみてください。

◆2曲目は「Will You Still Be Mine」。作者はマット・デニスですね。「マットでニス」とか「マットで西」じゃありませんので、お間違いなきよう。レッド・ガーランドの超有名盤「グルーヴィー」に入っていますから、皆さんよくご存知のアノ曲です。軽快なタッチでブリブリ迫ります。ロイ・ヘインズが抜群のバッキングです。原曲は曲中にいろんな固有名詞(つまりは人の名前)が出てくる面白い曲です。かの、マリリン・モンローの名前も出てきて「胸の小さい太ったオバサンでも…」なんていう歌詞があるそうです。なーんだ、要するに「私がおばさんになっても」のリメイクなんですか、って逆だろ! でも森高千里は良かったですね、最後の正統派アイドルじゃないかと今も密かに慕っています。江口洋介と結婚して子供も儲けてしまいました、くそーっ、残念!

◆3曲目が「I'm A Fool To Want You」で、翻訳ソフトでは「私はあなたが欲しい馬鹿です」になるんですが、歌詞を見てたら、やっぱり馬鹿者かと思わないでもありません。どうもシナトラが作詞したものにプロがちょいと手を加えたという出自のようです。男性でも女性でもどちらでも歌えるような内容ですけど、どっちかというと女性が歌った方が合うかもしれません。要するに、「手に負えない異性(いわゆるプレイ・ボーイかガールか)を好きになって、何度も別れようとして、実際別れたんだけど、やっぱりアノ人が忘れられない。ああ、アナタなしにはいられない」という、よくあるアンポンタンの歌ですね。何でもシナトラが1951年にこれを歌ったときは、離婚の後にエヴァ・ガードナーと結婚した頃だそうで、自分の境遇を歌ってたんですね。バレルの演奏は、ギターであたかもその詩を歌っているかのように聴こえます。欲目かもしれませんが、ライブでの雰囲気がそれをさらに助長して、傑作バラードになりました。

◆4曲目は「Trio」です。エロル・ガーナーの作になる快活な曲で、彼の作は「Misty」だけではなかったのでした。前曲とはうって変わった明るいプレイです。ここでもコードとシングル・トーンのバランスが見事で、こんな演奏もできるんだよとでも言いたげなプレイが必聴でしょう。ヘインズのドラムがやっぱり大きいかなあ?

◆B面に移って1曲目が「Broadway」です。作者がBird, Woode, McRaeとありますから、パーカーとジミー・ウッドとカーメン・マクレーの共作かと思いきや、全然違う人でした。ビル・バード、テディ・マクレー、ヘンリー・ウッドという人たちです。一応スタンダードになってますね。バップのノリでいてメロディアスに展開するバレルは快感です。後半のバレルとヘインズの交換では、ヘインズの無造作のようでいて的確な応答に痺れますよ。

◆2曲目は「Soft Winds」で、ご存知ベニー・グッドマンの作です。その昔、グッドマンはハンプトンやチャーリー・クリスチャンを加えたセクステットで初演してます。すべてのギタリストにとってクリスチャンは尊敬に値する存在ですから、バレルも敬意を表して採り上げたんでしょうか。あっという間にブラシとスティックを持ち替えるヘインズは手品師かいな…。

◆3曲目は「Just A-sittin' And A-rockin'」といいます。エリントンとビリー・ストレイホーンの作で、ちょうど座ると揺れるんでしょうか? よく分かりませんが、バレルはエリントンが好きなんですね、そんな敬愛の感じられる演奏でした。

◆最後の曲が「Well, You Needn't」で、これも有名曲の一つですね。お馴染みのセロニアス・モンクによる作曲です。モンクのトリオ・アルバムでも聴けますが、ここでのバレルはモンク風どっぷりではなくて、やっぱり多少はメロディアスに演奏してます。余計なことは「しなくていいよ」ってなもんですかね。

◆全編に渡って、バレルのレロレロ・トーンが快調です。専門的な用語では他の表現も可能でしょうが、私は専門ではありませんので、こんな表現でご勘弁を。生硬でハードなバレルがレレレレー、ローンローンと聴こえるのは私だけでしょうか…。

◆私はたまたまバレルが好きなもので、彼の演奏なら何でもOKなんですが、ここでのバレルは生真面目な中に太目のトーンでグイグイ迫ります。BNの有名盤に劣らぬ演奏だと勝手に思っています。さっきも書きましたが、ドラムスの音がやや大き目に聴こえるところが気にならなくもないのですが、ライブだから仕方がないと言えばそれまでです。でも、収録する席が悪かったんじゃないの、と突っ込みたくなる録音ではありました。暴言多謝。

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カウント・ベイシー、フランク・シナトラ(COUNT BASIE, FRANK SINATRA)の「イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スィング」(IT MIGHT AS WELL BE SWING)です。REPRISEのオリジナル盤、ステレオ録音になります。

盤には、輸入盤特有のスレが若干ありますが、目立つキズはありません。まずは快適に再生できます。ジャケットもほんの少しスレが認められますが、目立つようなヤレはなく、かなり良好な状態を保っています。

タイトル通り、カウント・ベイシー・オーケストラをバックにシナトラが歌ったアルバムで、主なパーソネルは、ピアノにカウント・ベイシー、ギターにフレディ・グリーン、ベースにジョージ・カトレット、ドラムスにソニー・ペイン、トランペットにハリー・エディソン、ジョージ・コーン、アル・アーロンズ、ウォーレス・ダベンポート、ドン・レイダー、アル・ポーキノ、サックスにフランク・フォスター、チャールズ・フォークス、マーシャル・ロイヤル、フランク・ウェス、エリク・ディクソン、トロンボーンにヘンリー・コーカー、グローヴァー・ミッチェル、ビル・ヒューズ、ヘンダーソン・チェンバース、ケニー・シュロイヤーとなっており、その他数名によるストリングスが引っ付いています。

このレコードは1964年に録音され、結構な強力メンバーによるベイシー楽団とシナトラとの共演盤、REPRISE第2作になります。シナトラのセルフ・レーベルだったREPRISEには3枚の共演盤があり、もう二つは「SINATRA-BASIE」と「SINATRA AT THE SANDS」です。

アレンジと指揮をクインシー・ジョーンズが担当しており、彼ならではの洒落つつ迫力のある音楽をもたらしています。いつの時代でもクインシーは中々のやり手で、楽しませてくれます。金儲けに専念しているところもありますから、一部からはバカにされていますが…。

REPRISEは、CAPITOLとの契約が終了間際になったシナトラによって1961年にパーソナルあるいはセルフ・レーベルとして設立されています。当時の所属アーティストには、娘のナンシー・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・Jr.などがいます。1963年にはワーナー・ブラザーズ・レコードの子会社になり、1967年には親会社ごと売却されて、セブンアーツの傘下になったのですが、不思議とREPRISEのレーベルはそのまま残っています。今もロックのアルバムを中心にリリースしており、ワーナー・ブラザーズ・レコードのサブ・レーベルとして健在のようです。

閑話休題。何故にシナトラがベイシーとの共演を好んだのかは分かりませんが、相性はバッチリのようです。どちらかと言うとカンサス仕込みの田舎風スウィングが身上のベイシーと白人・おしゃれ系スウィングのシナトラとの邂逅は、結果として非常に洒落たスウィング形態を生み出したようですな。

収録曲は、A面に「Fly Me To The Moon」、「I Wish You Love」、「I Believe In You」、「More」、「I Can't Stop Loving You」、B面に「Hello, Dolly!」、「I Wanna Be Around」、「The Best Is Yet To Come」、「The Good Life」、「Wives And Lovers」の5曲、計10曲です。それぞれ3分くらいのナンバーが続きますので、両面で30分未満という短めのレコードですが、物足りなさは感じません。あっという間に終わるものの、満足感は一入かなと思います。なんせ両者ともウマイもんねえ。

A面のトップが「Fly Me To The Moon」、B面のトップが「Hello, Dolly!」、多分に意図的なんですが、この構成は見事です。CDの連続再生では知り得ないゾクゾク感がここにはあります。
初っ端の「Fly Me To The Moon」は、正しくシナトラお誂え向きの曲。ジメジメ感は全くなく、変な情感も加えずにストレートに歌っているんですが、それこそがこの曲の真髄かもしれません。文字通り月まで吹っ飛んで行きそうです。

片やB面トップの「Hello, Dolly!」はお馴染みのミュージカル・ナンバーで、サッチモによる名唱が有名ですが、ここでシナトラは殊更ハッピーに歌っており、ちょいとサッチモを意識したようなフレーズも交えています。元々明るい曲ですから、こういう解釈が妥当なのかもしれません。

ところで、ジャケット表面にはシナトラとベイシーの、ちょいとピンボケで切り抜きミエミエの顔写真が載っていますが、シナトラの下にある「FRANK」は分かるとしても、ベイシーの下に書かれている「SPLANK」は何なんでしょうね? 一応英和辞典や英辞郎なんかも調べてみましたが、こんな単語は出てきません。「SPLANG」なら「辛辣な言葉」という意味で、「PLANK」ならアホ、バカ、マヌケみたいな意味なんですが…。一体ナニを意味しているのか、ご存知の方がいらっしゃったら是非教えてください。


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キャノンボール・アダレイ(CANNONBALLADDERLEY) の「フィドラー・オン・ザ・ルーフ」(FIDDLER ON THE ROOF) です。CAPITOLのオリジナル盤、ステレオ仕様になります。レコード番号はST2216。

盤には若干のスレが見受けられますが、目立つようなキズはなく、再生に影響のあるダメージはそれほど見当たりません。一部プッツンを感じますが、概ね快適に再生できます。ジャケットも概ね良好な程度を維持しており、小口部分に少しヤケが認められるくらいで、スレやヌケや割れはありません。まずは良質な中古盤です。

パーソネルは、アルト・サックスにキャノンボール・アダレイ、トランペットとコルネットに弟のナット・アダレイ、テナー・サックスとフルートにチャールズ・ロイド、ピアノにジョー・ザヴィヌル、ベースにサム・ジョーンズ、ドラムスにルイス・ヘイズで、「IN NEW YORK」のメンバーからユゼフ・ラティーフが抜け、代わりにチャールズ・ロイドが加わったという構成になります。

このレコードは1964年にニューヨーク(!)のキャピトル・スタジオで録音されたもので、録音年月日の前後はあるものの、CAPITOLへ移籍してからセクステットとしての初アルバムになるようです。

収録曲は、A面に「Fiddler On The Roof」、「To Life」、「Sabbath Prayer」、「Chavalah」の4曲、B面に「Sewing Machine」、「Now I Have Everything」、「Do You Love Me」、「Matchmaker」の4曲、計8曲です。

アルバム・タイトルの「Fiddler on the roof」とは、すなわち邦訳「屋根の上のヴァイオリン弾き」ということで、演奏曲は件のミュージカルに題材を求めたものになります。大体、このミュージカルのブロードウェイ初演が1964年とされていますから、その同じ年に録音しているわけで、「My Fair Lady」の前例があるとは言え、中々流行に敏感なCAPITOLの姿勢が窺えますな、良きにつけ悪しきにつけ。

題材がミュージカルなんですが、そこはキャノンボール、決してオリジナルらしきアレンジがミエミエの演奏にはなっていません。はっきり言って、毎度おなじみイケイケ路線で行きたくてしようがないといった趣きを感じさせてくれる好演です。つまりは抑えようとしても抑えきれない血が騒ぐんですね、この方は。

何でも、この録音前にはフィラデルフィアへツアーに出ており、ツアー中に幾らかリハーサルしたのみでこの録音に臨んだといいますから、そんな極端に原曲のアレンジなんぞを尊重した演奏ができるはずもありません。と言うか、そうでなくて良かったんじゃないすかね、結果としては。

1964年にテナー・サックスがユゼフ・ラティーフからチャールズ・ロイドに交代しましたので、例のアジアン・フレーヴァー(抹香くさいともいいます)は姿を消し、モダン調に変化した時期に相当します。このアルバムでもロイドのフルートがフューチュアされていますが、ちょいと吹きだしそうな印象を覚えるのは私だけでしょうか…。おもろいでっせ。

しかし、ジョー・ザヴィヌルは相変わらず好調なようで、欧州人とは思えないファンクさを現していますし、ベースのサム・ジョーンズも図太い音でビンビン迫ります。

キャノンボールなんですが、渾名というか通称というか芸名なのは、よくご存知でしょうが、本名は「ジュリアン」ですから笑わせますね。しかしあの巨体に「ジュリアン」が似合わないのは当ったり前で、芸名にしといてよかったね。

ジャズに興味をもちだした頃に、何処かの雑誌でこんな文章を目にしました。「ブルーノートのキャノンボールのサムシンエルスのマイルスのオータム・リーブスは傑作だ」、普通の人が普通の知識でこんな文章を初見で理解できるわけがない。「青い冊子の砲弾の何かのマイルス…」にしかならんよね。
とまあ、いろいろ話題に事欠かないキャノンボールではありました。


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