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ソニー・ロリンズ(SONNY ROLLINS)の「モア・フロム・ザ・ヴァンガード」(MORE FROM THE VANGUARD)です。BLUENOTEのオリジナル盤、モノラル仕様、2枚組みです。レコード番号はBL−NA475−H2。
盤にはスレやキズは殆どなく、新品同様の状態を保っています。ブルーノート独特の音質は問題なく再現できます。ジャケットにはほんの少しスレがあり、右下に若干のウォーター・ダメージが認められますが、概ね良好な程度かと思います。
パーソネルは、テナー・サックスにソニー・ロリンズ、ベースにドナルド・ベイリー、ウィルバー・ウェア、ドラムスにピート・ラ・ロッカ、エルヴィン・ジョーンズです。ベースとドラムスが二人ずつクレジットされていますが、これは同日のライブながら、昼間と夜間のセッションでの違いになり、ドナルド・ベイリーとピート・ラ・ロッカはお昼の部、ウィルバー・ウェアとエルヴィン・ジョーンズは夜の部ということです。
このレコードは1957年11月3日に、ヴィレッジ・ヴァンガードで録音されたライブ盤で、既にBLUENOTE 1581としてリリースされていた「A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD」の未発表録音集になります。
後年、コンプリートな形で収録順に編集されたCD2枚組みがリリースされますが、今回のアルバムが世に出るまで、「VILLAGE VANGUARD」の未発表曲に出会えるなどとは想像もしていませんでした。それ故に初めてこのアルバムを目にしたときの驚きは例えようのないものだったと記憶します。
元々の1581はロリンズにとって3大名盤の一つとされるほど有名なアルバムです(残りの2枚は「SAXOPHONE COLOSSUS」と「WAY OUT WEST」というのが一般的な解釈でしょうか…)。このアルバムでロリンズが挑んでいるピアノレス・トリオの形態ですが、この編成を一般化したのは間違いなくロリンズその人で、この録音に遡ること8ヶ月前にロリンズ最初のピアノレス・トリオによるアルバム「WAY OUT WEST」がCONTEMPORARYに録音されています。
本作はピアノレス・トリオによるライヴ・レコーディングで、ロリンズにとっても初のライヴになります。「WAY OUT WEST」は確かに名盤で、そのまとまり具合も技巧的にも、ウェストの名手であったレイ・ブラウンとシェリー・マンのお陰を被っている局面を感じさせます。
それに比して、ヴァンガードでの録音はライブということもあり、一段とアグレッシブなプレイを披露しています。特に変態ベーシストの異名を誇るウィルバー・ウェアとプッシュ命のエルヴィン・ジョーンズとのプレイが、(聴き様によっては)鬼気迫るものも感じられて異様な雰囲気をもたらしてくれます。
こういった演奏に、どういうわけかルディ・ヴァン・ゲルダーのしつこめの録音が妙にマッチします。このライブ・スポットの雰囲気を絶妙に伝えているのです。
エルヴィンのゲロゲロ声もしっかりと収録されており、ゲロゲロに負けじとブンブンベースを奏でるウェアも秀逸で、私はこの日のライブ演奏を非常に好ましく思っています。
また、昼の部のベイリーとラ・ロッカですが、実はこのメンバーでの演奏にも耳を傾ける必要があります。夜の部ほどアクは強くありませんが、適当なスムーズネスとメリハリをしてロリンズの演奏も縦横無尽に空間を埋め尽くしているように私には聴こえます。何故にオリジナル1581には昼の部の「A NIGHT IN TUNISIA」が収録されたのか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
いずれにせよ、オリジナル1581に本アルバムを加えれば、ロリンズの1957年11月3日は完全に網羅できます。コンプリートCD盤もお手軽で結構ですが、そもそもの音なり演奏なりは、やっぱりLPかなと思います。
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