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ルース・オーレイ(RUTH OLAY)の「イージー・リビング」(EASY LIVING)です。MERCURYのオリジナル盤、モノラル仕様になります。レコード番号はMG20390。盤には目に付くようなスレやキズもなく、ほぼ問題はなく快適に再生できます。
ジャケットには若干のスレがありますが、全体的には綺麗な程度を保っています。ヌケや割れはありません。立派なビニールコーティングが表面に施されています。
このレコードは1959年にリリースされた、彼女のMERCURYにおける2枚目で、MERCURYでは残念ながらこれが最後のアルバムのようです。要は、紹介してプッシュしてくれたビル・バートンが急死したのでした。
彼女の落胆は普通ではなかったそうですが、さもありなん、彼女とビルはデキていたそうです。さて、サブ・タイトルに「Singing discovery of the Jack Paar Show」とあります。
想像するに、当時深夜のトーク・ショーとして有名だった「ジャック・パー・ショー」(決してパーのジャックではありませんので、誤解のなきよう…)と彼女は何らかの関わりがあったんだろうということで、パーのショーに出演したことをレコードの販促に使った感じがします。ケネディやニクソンが出演したことでも、その頃のパー・ショーは相当インパクトのある番組だったと思われます。
パーソネルなど詳しいことは不明ですが、やっぱりピート・ルゴロがアレンジやプロデュースを担当しており、バッキングは前作(「OLAY!」)よりも大編成のようで劇的度が増しています。すなわち前作よりはジャズから少し離れたイメージかもしれません。
それでも、彼女の特質はキッチリと把握しており、うるさすぎない洗練のシャウトとでも言うべき歌唱が収められています。また独特のビブラートを含んだ唱法は、蓋し一聴の価値があります。
ジャケットには、高価そうな毛皮をまとい、黒い手袋の上から指輪やブレスレットを嵌め、これまた上品ながら煌きのイアリングとネックレスを付けて、片手にタバコ、もう片手にシェリーか白ワインか何か知りませんが、グラスを持って、思わせぶりに(?)こっちを見ている彼女の写真が写っています。
そして、なんと裏ジャケットにはこれら小道具の出自がクレジットされています。毛皮はLAのHarry Rosoff、ダイアモンドはビバリー・ヒルズのMarvin Himだそうです。どちらも今はどうなってるか知る術もない店でしょうが、ビル・バートンがかなりの入れ込みで揃えたんでしょうね、努力がいかにも健気であります。
しかし、こういうセレブ風ファッションの似合う女性です。こんな方がパーティなどに居られたら、殿方の視線をくぎ付けというアホらしいシチュエーションに最適で、すべってしまうでしょうな。
ZEPHYRのアルバムがそれほどメジャーに成り得なかったので、このアルバムをして彼女のセカンド・アルバムと呼ぶのが通例のようですが、テレビ番組に現れた後に彼女の才能は喧伝され、この2枚目も全米で話題になったとされています。惜しむらくはビル・バートンの死で、それがなければ、彼女はもっとジャズ・シンガーとしてブレイクしていたかもしれません。
収録曲の主なところは、エリントン&ストレイホーンの「Just A-Sittin' And A-Rockin'」、ベニー・カーターの「Hurry Hurry」、「Undecided」、「Easy Living」、ボビー・トゥループの「Now You Know」、ゴードン・ジェンキンスの「Blue Prelude」などで、それぞれバートンの意向を踏まえたルゴロのアレンジで表現された歌唱だと思います。
メジャー(?)にはこのアルバムが絶頂期を収めた最後のものかもしれません。おそらく日本盤などはリリースされたことがないと記憶します。今回はモノラル版でのご紹介ですが、別途ステレオ仕様もご用意しておりますので、ご興味があればご覧ください。
というわけで、今回はルース・オーレイのピーク期における3枚をご紹介しました。これらは結構レアなアルバムで、中々に所有欲を満たしてくれる逸品だと勝手に解釈しています。
知られざるジャズ・シンガーの一人ということで、それぞれオリジナル盤をご提供いたします。微妙もしくはわざとらしいビブラートとシャウトに、騙されたと思って浸ってみてはいかが?
●中古ジャズレコードをお探しの方は、こちらもご覧ください。
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