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尖閣列島での中国漁船の違法操業に対する司法判断が出ました。処分保留のまま釈放、最悪の決定のように思います。
まず、今回の検察の決定には、政府は否定していますが、政府の意向が働いていることは明らかでしょう。なぜならば、保安庁の停船命令に従わなかったことが、まず公務執行妨害または領海侵犯に該当します。領海侵犯した船舶に対して、停船命令に従わなければ、威嚇射撃し、それでも従わなければ撃沈することが、国際法で認められています。
尖閣列島が日本の領土であれば、当然に、停船命令に従わず、偶発的であっても保安庁の巡視船に衝突すれば、領海侵犯および公務執行妨害に該当し、相応の処罰を行うのが筋です。司法と行政が分離しているのが民主主義ですから、これに政治が介入することは、法治国家の根幹を揺るがしかねません。
また、中国からのさまざまな圧力が明らかになってからでは、遅すぎます。いかなる理由を付けようとも、今回の決定は、中国の圧力に屈したことを内外に示すものです。南西諸島での中国海軍による進行に東南アジア諸国だけでなく、米国も警戒を強くしている時期に、日本が中国の圧力に屈したことを印象付けるような解決を図ることは、東アジアにおける日本だけでなくアメリカの権威をも失墜させかねません。
今回の問題に関しては、とるべき方法は三つだと思います。その一つは、事件発生直後に中国政府が日本大使を深夜に呼び出した際に、中国政府の顔を立てるべき対応を行うこと、たとえば水面下で領海侵犯に対する謝罪または同種自称が発生した場合の両国政府が取るべき対応について協議するなどを行った上で、開放時機を事前に申し合わせるといった調整が必要でしょう。
二つ目は、司法と行政分離が民主主義の基本であることを中国政府に理解させ、司法判断が下った後に、政治的な対応により中国漁船船長の釈放について改めて両国間で協議するなどの調整を行うことです。
三つ目は、逮捕後、速やかに起訴・裁判し、執行猶予のついた有罪にすることです。これだと、尖閣列島の領有権も主張できます。これらのどちらも行わず、実質的に無罪放免した今回の決定を行った政府の対応は、最悪としか言いようがありません。
要するに、日本政府の対応の遅さが、中国政府を追い詰め、結果的に中国政府による圧力を表面化させてしまったということです。一度、中国国内で火がついた尖閣列島の領土問題は簡単には消すことはできないでしょう。さて、今回の決定で、問題が収束するかはきわめて疑問です。収束に向かわなければ、今回の決定が何だったのか、意味不明になりかねません。
さらに重要なことは、中国にとって日本が経済や文化などの面において不可欠の国になっていないことを今回の事件が立証していることです。
中国によって日本の経済が大きく揺さぶられる現状を露呈したことです。その大きな要因は二つあると思います。一つは、日本経済が中国に依存していること、言い換えれば、日本の内需が弱すぎ、輸出に依存しすぎていることです。これは日本の産業構造に起因する問題であり、いまだ政府は、このことにすら気づいていないようです。
その二つは、中国の最大の課題、貧富の格差を解決するために、日本ができることがたくさんあるのに、この方面への働きかけがないことです。たとえば、農業政策や社会保障制度などに関する協力です。
今回の事件でレアーメタルの禁輸が話題になっていますが、これについても政府が至急検討しなければならないことがあります。しかし、政府はその基本的なことさえ、気づいていないように感じますが、この点に関しては、次回にし対と思います。 (佐藤 玲)
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