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『読む」という学習

「読書のすすめ!」

 イメージ 1「先生!解けました!」小学5年生の元気な声に、私の脳が反応しました。私が、ノートを受け取り見始めると、私の顔をのぞき込んできます。ちょっと険しい顔をしながら、低い声で「良くできている!完璧だ!」と伝えると、伏し目がちが表情が一変し満面の笑みになりました。厳しい顔は勿論フェイクです。その後、問題の意味、そして、式の解説を行って貰います。「どうして、これだけ難し問題を解けたの?」とたずねると、「何度も何度も読み返し、想像しました。」と答えてくれました。「先生!何度も何度も読んでいくと、頭の中でその場面が浮かんでくるんです!」と自信満々です。

 基礎をしっかりやり終えた子は、その後、新しい単元であっても自力で解けるだけの知能を持ちます。教科書などの解説を読み解くのです。自力で解けると、学習に対する自信に繋がり、次の問題に対し積極的に向かっていきます。学習が好きになる、新しい事にチャレンジして理解出来る事がとても嬉しく感じてきます。だから、その間悩みます。考えます。これを「努力」と感じ始め、問題を理解し解けたことから、努力の大切さを知ります。小学生であっても学習の教え込みは、子供自身の力には容易にならないのです。子供本来が持つ、向学心を育てて行くのですが、それは、幼児期から「心」を育てる事ではないでしょうか。

 イメージ 2私は、絵本読みでも、話の途中で本を閉じてしまいます。先日放送された、「日本ソダテル検定」の中で紹介された例のように、絵本の続きを創作して貰う、まさにこれを授業で行っているのです。それは、低学年の教材にも生かされています。本を読むことで、話しの展開を予想する、誰しもが経験することです。普段は、頭の中で考えるのですが、それを言葉に表すことで更に想像性は高まります。算数の文章問題を楽しく解くのも、まるで推理小説を読むようで、解く事の楽しさ、解けたときの爽快さや達成感はそのまま学習意欲に繋がります。

 仮説授業の一環として、椋鳩十の「月の輪熊」「金色の足跡」を題材に、物語の展開を考えて貰います。対象が子熊だったり、子狐であったり、どこか子供自身が。自分と重ね合わせるところがあり、授業の展開は予想以上の方向へと進んでいきます。子供の自由発想ではあるのですが、主人公を自分に置き換えることで、より状況を把握し易いようです。特に、「月の輪熊」では、保護者の方々にも見て頂く授業参観の形を取った事があります。この本のテーマが「母熊の愛」だったからです。この主題を見事に読み抜いた子供達の発表は、いまだに心に刻まれているほど感動的でした。その後、自ら本屋に出向き「月の輪熊」を購入した生徒が多数いました。

 読書には、ストーリーとしての面白さもあります。しかし、読み込むことでその先を想像する楽しみがあるとろこも魅力です。単に知識を得る読書もあれば、物語を楽しむ読書もあります。その子にあった読書への入り口があるのだと思います。私が読書好きなのは、我が家に多くの本が当たり前の様にあったからだと思います。その中の数冊は、今でも大切に保管しています。これらの本は、やはり読書好きな父が買いそろえていたものです。

 イメージ 3幼児期から本を身近に感じ、読書が日課のようになると、一日の中でも落ち着く時間が取れるようになります。その時間は、5分でも15分でもかまいません。絵本などで話の先を想像する子供、同じ絵本を何度も聞いて、その展開を記憶し、自分の記憶とお母さんの読む声とシンクロさせ、同じになる事を喜ぶ子、自分の好きな場面がくるのを楽しみに聞き入る子、絵本の読み聞かせは、子供の数だけその楽しみ方があるようです。幼児から小学生へ,子供達が成長するに従い、様々なテーマ性のある題材を探し、それを国語指導の題材として扱ってきました。椋鳩十先生の作品は、ご存知の通り動物が主役です。先ほど取り上げた題材は、どちらも「親子愛」がデーまです。「親子愛」を動物の親子になぞっています。私は、この作品から子供達に伝えたいことがありました。それを、自分自身の口から言うのではなく、子供達自身の読解力と、彼らが親を思う気持ちから伝えて欲しいと願っていました。だから、その言葉が出てきたとき感動したのだと思います。

 活字離れが進む世の中ですが、子供達には、読書の楽しさを是非味わって貰いたいと思いますし、それを心から願っています。
 

 

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子育てと教育

「子育てで決まる!?子供の学力」

 イメージ 2最近、「天才を育てるには」というキーワードで幾つもの取材を受けました。東大・京大という国内の一流校だけでなく、グローバル化を反映してか、イギリスのケンブリッジやアメリカの大学を目指す子供達がいます。実際には、我が子が誕生してから始まる子育てですが、既に、胎教と言う、胎児の段階から我が子の将来を想像し、能力開発を目的とした子育てが行われるなど、教育にも熱心さにおいては二極化が見られています。最近の医療科学では、優秀な頭脳を持つ人の精子保存なども行われており、親にとって「天才」という二文字は魅力的に映るのでしょうか。

 以前、テレビでご一緒させて頂いた元財務官僚だった”山口真由”さんも、東大を主席で卒業され,その後ハーバード大へ進まれた才女です。ただ、お話しをすると、クールな感じよりは、とても温かみのある方で,人の話に耳を傾け、けして出しゃばらない素敵な女性です。このように、頭脳明晰な方々に共通するのは、学習に掛ける時間です。学校意外に5時間、6時間を当たり前にこなします。つまり、学習を嫌がると言うより、率先して学びたがるのです。無理矢理に教え込まれたという印象ではなく、自分自身で学ぶ事の大切さを実感している、まさに「ラーニングゴール」を目指されています。

 イメージ 3優秀な人の幼児期はどんな子育てをされてきたのでしょうか。私は、職業柄、この40数年で様々な親子の皆さんと接してきました。また、幼児教育を主体に、親と子を見てきたので、親御さんの、幼児期の関わり方に数多く触れる事ができました。優秀な子の中にも、クイックスタート・スロースタートと、開花する時期が様々であることもあり、ただ、思春期までの親子の関わり方がとても重要だと感じています。その中で、とても大切なのが、親が、子供の好奇心を育てるという事です。好奇心は、興味・関心を誘い、子供の心に「知りたい」という欲求行動を高める働きをします。脳の本能とも言える事で、これが「自己学習」の始まりなのです。好奇心は、ものごころが付く前の1歳後半から現れ、虫や,花をじっと見つめていたり、虫などにちょっかいを出したりするところから始まります。

 イメージ 4その好奇心は、物事に対する興味・関心へと移り、その次に更なる学習の場を作りあげる変化が脳に現れます。「知りたい」という欲求から「疑問」という、「何故だろう?」「どうしてだろう?」という思考が開始されていくのです。「内言」(心の言葉を使った思考)の始まりです。この時期には、絵本の読み聞かせから、物語の続編を考えさせたり、新たな話しの展開を想像させたり、言語表現の幅を広く持っていくと、語彙力、思考力、想像力、観察力などが育って行きます。そして、疑問は、子供の知的好奇心をとなって、その追求が始まります。「知りたい」という欲求の高まりです。これが、子供の学習能力を高める原動力になります。之こそ、親が最も望む「自己教育力」です。

 3歳以降、「何故」「どうして」など、子供から沢山の質問攻めに遭います。その時の答え方に工夫が必要だと思います。ただ、事実を伝えるだけでなく、ここでおとぎ話のような答え方だったり、事実に即した作り話も良いと思います。そして、答えるだけでなく、質問の3割程度は、「○○ちゃんはどう思う?」という思考を促すように言葉を返すことも良いかも知れません。ただ、子供なりに考えを示したら、最後までその話を真剣に聞いてあげて下さい。真剣に聞けば聞くほど、子供自身もより思考を巡らすようになります。さて、あまりにも質問が難しすぎる場合は、図書館に行ったりして、図鑑や本を使い、質問への解決策のヒントを与えます。また、ここはお父さんの出番です。父親の存在感を子供に見せるチャンスです。こうして、子供の疑問に対し真剣に向き合う事が、子供の内面と向き合う事に通じます。円滑な親子関係が子供の知性を高める最良の環境となります。

 学習の過程=好奇心→知りたい→興味関心→疑問→思考力/表現力→知的好奇心

イメージ 1 知的好奇心に目覚めてくると、様々な疑問に対し,自分なりに調べたり,本を読んだり,より知識を拡大させて行きます。その時の本はとても大切な自分の好奇心を満足させて行く大切な宝物になります。そして、新たな「発見」を産んだり、「気付く」という感動的な場面に遭遇します。発見や気付きは、次の学習を促すのです。

 子育ての中で、お子さんと一緒にいる時間は多いようで,実は限られています。その時にスマホなどに無調になっていたりするのはとてももったいないことです。お子さんとどれだけの時間関わる事ができるか、勿論、時間だけでなくその密度も大切です。だからこそ、お子さんと向き合い、同じ時間を過ごす事に喜びを感じて欲しいと思うのです。脳の成長は、幼児期にピークを迎えます。

 

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話の弾む取材

「最年少棋士 藤井総太さんについての取材で」

 イメージ 2インターネットTVの番組で、羽生善治3冠を見事破った最年少棋士藤井総太さんのニュースが流れました。私の父も将棋が強く、当時、近所の腕自慢が将棋を指しに来ますが向かうところ敵無し状態でした。私も飛車角抜きで臨み、ものの数分で勝負あり。やはり、頭の良い父であり、先を読むという思考のイロハを教わりました。

 産経新聞の方から電話取材がありました。今回のニュースを受けて、こうした「天才」と呼ばれるような少年が育つ環境や要因について幾つかの質問を受けました。話しは、幼児期からの子育てについてから始まりました。聞けば、お子さんのいらっしゃるママ記者さんでした。なるほど、子育てに関する内容に関する受け答えから、お母さんらしい面を覗かせていました。

 イメージ 3「多くのお母さんを見ていると、子供を素直で良い子にしようという想いが強いのか、頭から押さえつけている状況をよく見ます。親にとって都合のよい子にしてしまっているのかも知れません。だから、『イヤイヤ期』や『駄々こね期』を乗り切ろうとか、親子にとって大切な時期を回避するような傾向があります。でも,この時期は、親子のコミュニケーションを促し、子供の心の発達や,自立への第一歩になる大切な時期、我が子と向き合い、理解することで、子供が何を思い,何を感じているのか、母親だからこそ解る事がいっぱいあります。」このような話しから、子育てについて盛り上がってしまいました。

 私の話だけでなく記者さんの話を聞き、取材であることを忘れてしまうほどでした。さすが、記者さんです。私の話に共感し,共鳴して頂ける事で次の言葉がスムーズに出てくるのです。たぶん、お母さんですから、お子さんの話を聞いてあげることができる方なのでしょう。話しは、「なぜなぜ期」に入り、子供の質問攻めについての親の様々な対応から、子供の好奇心はやがて探求心に、そして新たな発見へと移り、思考の過程を学習するという話しになりました。この間に、急速に語彙数を獲得するのは、質問を通して、親子の会話が弾むからと解説。話しをするというのは、心の中の言葉を繋ぎ合わせ、話し言葉に換えるというもう一つの思考力を付けている!ここらあたりで、互いに意気投合し、話しも絶好調に達します。

 イメージ 1対戦の一つ一つは、勝っても負けても、最年少棋士の藤井さんにとっては、まさに「ラーニングゴール」です。ゴールつまり、一つの結果から学ぶ、それは、将来の、ご自身の持つ夢に向けての通過点となっています。今回の取材、とても話しやすく、頭の中でも整理して話す事ができました。最近、マスコミ取材が増えましたが、話しを引き出す事がとても上手な方々が多いという印象を受けました。フジテレビ「突撃LIVEグッディ」のMCである安藤優子さんも、相手に、リラックスして話す事ができる雰囲気で質問してくるプロです。どこか子育て上手なお母さんに共通しているところがありますね。


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「子供の教育:人の進化と脳を考える」

 子守歌という言葉が死語になるような時代です。子守代わりにスマホを与える事に賛否の声が上がるように、子守も、静かにしてくれていればという安易な考えが根底にあるのではないでしょうか。「イヤイヤ期」や「駄々コネ期」等、広く浸透していることから私も使いますが、やはり、根底に、「親の言うことをきかない!」という、どこか子供を支配下に置きたいという感情的な想いが反映されているように感じます。

 生活のデジタル化は,子育てを変えるのでしょうか?また、教育も変えてしまうのでしょうか?人と人との関係が希薄になる、その背景には、こうした“デジタル機器”が人との間に入って来てからです。それは、通信という人との伝達から普及し始めました。どんなに遠方でも、その距離感を無くすほど便利なものでした。ただ、そのお陰で、人と人との直接的関わり合いが減少してきたのも事実です。“知る”という人にとって大切な情報も、ネットが広がり、瞬時に情報が世界を駆け巡り、時には、自らが情報の発信元になれる時代です。

 一つ、子育てと,教育について考えると、やはり、デジタルは有効に使いつつも、基本はアナログなのだと思います。いま、「書写」という学習法が静かに広がりを見せています。ただ、文字や文章を書き写すだけの学習なのですが、子供達に負担のかからない学習法として次第にお母さん方に知られるようになってきました。20年ほど前、塾の先生方に「書写学習」の素晴らしさをお伝えしたのですが、最初に、北海道の先生が積極的に取り上げて下さり、その後、少しずつですが広がり始めました。

 子供達の活字離れが進み、読書量が減り、読む時代から見る時代へと様変わりしています。しかし、子供達の脳は、言語性の高まりにより発達することから、学習の基本に読む・書く・聴くを取り入れるアナログ的学習が最適だと見直され始めました。脳を鍛えるのは、感覚器官を鍛え、言語を仲立ちとして刺激することだと言われていますが、昨日放送された、「日本コソダテ検定」をご覧になっていてお解りだと思いますが、優秀な子を育てたその方法は皆アナログ的な内容ばかりでした。書写は、『文字情報→視覚情報として脳へ→感覚的言語中枢→運動的言語中枢→手先指先の神経へ→文字としてノートに→書かれた文字は再び視覚情報として処理される。』実はもっと複雑なのですが、「書写」学習は、子供の脳を鍛えるには理想的な学習法です。

 私は、「書写学習」「音読学習」と共に、「聴写学習」をミックスさせて指導をします。今後、この指導は子供達の基礎力だけでなく、学力を支える力になる指導法になると思います。意識して文章を見る,そして読む、更に意識して聴く、子供達には、学習は意識して臨まなければ成立しないことを体験的に指導することが大切だと考えています。指導する側がいくら懸命になっても、見てくれない,聴いてくれない授業では何の意味もありません。書写は、その子の学習がしっかり見えます。聴写も同じです。聴かなければ成立しないのですから。自分の努力の跡が直ぐに確認できます。自分自身で確認できる学習の軌跡や、努力の蓄積という学習の過程から、自分が望んだ一つ先の目標に達成したときに「学習の自覚」として心に刻まれていきます。

 単純な学習だから、誰でもがチャレンジできます。自分自身の目標も立てやすく、自らが納得できる自己評価が可能です。「3分間の奇跡」書写に要する時間です。この3分間の積み重ねが、どのような力を産むか、これはチャレンジした人だけが知る特権かも知れません。
 

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「言葉に出して…」

 毎年、多くの保護者の方々とお話をさせて頂く機会があります。昨日のストレスに付いての話しではありませんが、我が子が大きくなり、中学生ぐらいになってくると、親の心配は一つの頂点を迎えるようです。

 親の多くは、「いつかはきっと」と、子供の成績についてどこかに期待感を抱いています。しかし、我が子が中学生になり、それも中学3年生になると急に不安が襲ってきます。「受験」という二文字は、子供達だけにのしかかるのではありません。多くの場合、そのプレッシャーは母親に重くのしかかります。

 面接などで話しを聞いていると、受験でご自身がこんなに苦しんでいるのかと気付かれ、思わず涙を流されます。子育ては、乳幼児期だけではありません。節目節目で、親を悩ませることが襲ってきます。幼児期では多くの子育て本があり、様々な事例が載っており、「こうすべきだ」「親であればこうでありたい」とあり、実行するのですが、物事そうは上手く運びません。我が子の事例と微妙に違っていたり、逆に違和感を感じたり、そして気付くことになります。ダイエット本と子育て本、どちらもぴったり当てはまる事は少ないようです。

 子育ての悩みは、親の数だけあります。その内容も、質も皆違います。ただ、共通して言えることが一つだけあります。それら子育てに関する答えは、間違いなく自分自身にあると言うことです。そこに気付かれると、何故か気持ちが楽になり、自然と涙を流されます。それは「こうでなければならない!」「こうすべきだ」という言葉の呪縛から解き放たれるからです。ご自身ではお気づきではないようですが、子育てにあたるおよそ「数十年」、母親は気持ちが常に張り詰めているのです。乳幼児期から、積み重なってきた親としてのプレッシャーは、言葉には表せません。また、それは父親であっても感じ得ないものです。母親故のプレッシャーなのです。

 『子育てマイスターの講座には、「子育てのノウハウがない!」その意味がようやくわかりました。』と言われました。お母さん方を、これ以上言葉で縛るようなまねはしたくないからです。『答えは,自分自身にある!』受講が終了し、家に帰ってから、「あれ?これって!」と気付かれるようです。気持ちが楽になり、自分自身を取り戻したとき、張りに張っていた肩の力が抜け、自然と子供の心に寄り添う自分がいたと…。子育てマイスターの講座は、幼児期のお母さん方だけではありません。小中学生のお母さん方こそ必要な講座だと思います。

 子育てマイスターの講座について、塾の先生方からの問い合わせが増えています。母親セミナーとして行いたいという塾からの問い合わせも頂きました。嬉しいことです。今後は学校関係からのご依頼もあると思います。全国でマイスターが増えています。その分だけ、沢山のお母さん方に寄り添えます!
 

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