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石川幸夫の教育・子育てブログ
教育評論家・教育研究家 石川教育研究所 代表の独り言

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テレビ朝日 朝の情報番組「モーニングバード」より

 昨日、テレビ朝日の方から依頼があり、急遽朝の情報番組である「モーニングバード」の出演が決まった。今朝は、朝4時起きしテレビ朝日の車で局に向かった。その目的は、「はだしのゲン」という中沢啓治さんの描かれた、戦争・被爆体験などをまとめた漫画に対する島根県松江市教育委員会からの閉架措置に対するものだった。この問題、現在各方面から松江市教育委員会の行った閉架措置に対し、疑問視する声が数多く上がっている。

 番組が始まる前の打ち合わせで、コメンテーターの方々から今回の件に関し様々な意見が寄せられた。皆さんの「はだしのゲン」に対する想いの強さを感じた。宮田佳代子氏からは女性、特に母親という視点で、舞の海氏からは小学校のころ映画で見たという自身の体験を踏まえた話が、そして、舘野晴彦氏からは出版者としての立場から今回の問題に対する市教委のとった行動に疑問を投げかけられていた。今回の件は、教育委員会のあり方、考え方に多くの疑問を残す結果となってしまった。そして、市教委のとった行動は、教育の平等から見て情報操作と言わざるを得ない内容だろう。このことは、テレビでは申し上げなかったが、実に奥が深い。そして、市教委が各小中学校に対し閉架措置のお願いに至る過程で、様々な憶測をよんでしまったという事実が余計に話をこじらせている。既に、市教委はこの件について再検討する旨の談話を発表しているが、市教委の、決定に至る論議の甘さ、その後予想される反応に対する想像力の欠如を疑われても仕方がないだろう。

 今回の松江市教委の問題はどこにあるのだろうか。ここにも情報モラルとしての問題がクローズアップされてくる。平衡感覚を失ってしまった教育委員会に、その存在自体が問われていることを認識しなければならない。主体は教育委員会ではない。主体は子ども達である。彼らが述べた閉架措置への説明には、とってつけたかのようなことばで埋め尽くされていた。戦争を語るのに、残酷、残虐と言う文字が浮かんでくるのは当然のことだ。「トラウマになるから」との市教委の説明に、それでは戦争体験は語れないと思われる方は多いだろう。それくらいに戦争というモノは人を狂わせるのである。だから、良い、悪いと簡単に決めつけず、何故悪いのか、どうして戦争をしてはならないのかを子ども達に考えさせるのが本来の教育としての立ち位置ではないだろうか。

 今回の「事件」は、学校の図書室および図書館の存在自体を否定しかねない問題だ。何のために本があり、何の為に図書室を設けているのだろうか。そこに差別(あえてこう書かせて頂く)などあってはならない。
 コメンテーターからはビデオに出てきた小学生に対する評価が高かった。彼らのコメントを聞いていて、子どもの方が、素直に「はだしのゲン」を受け止めているように感じたからだと思う。校長も先生方も、閉架措置に従っている。この事実も大きい。松江市の先生方は、三浦綾子著の「銃口」をお読みになるべきだ。大正の終わりから昭和初期にかけて生きた教師志望の少年が主人公として描かれている。この時代、人が集まる集会は禁じられていた。教師の綴り方教室(作文指導のための)すら禁じられていた。事実、教育が自由に出来ない時代だったのだ。この平成の世は私たち教育者に「自由」という責任の下、子ども達と真正面から取り組める場を提供してくれている。このことがどれだけ素晴らしいことか改めて実感して頂きたい。松江市の教職員の方々は、この要請を甘んじて受け止めたことを恥じるべきではないだろうか。疑問を声に変えるべきではなかったのか。事ここに及んでは教育委員会だけの責任ではないはずだ。

 終了後、原作者の中沢先生に直接取材されたリポーターの黒宮さんとお話が出来た。その中で、中沢先生がお亡くなりになったのが昨年の12月19日、同じく市教委の閉架措置のお願いが同じ12月というのは単なる偶然だったのかという話題に及んだ。直接お会いした方だけに想いは人一倍であることが伺える。
 そして、今回の件が一市民(実は、県外の方であることが分かっている)からの異議であった事に、多くの疑問が注がれたことを追記しておく。

 話しやすい場をご提供頂いたテレビ朝日のスタッフの方々のご配慮に深く感謝します。また、コメンテーターの方々も、新参者の私を快く、そして暖かく向かい入れて頂いたことに深く感謝申し上げます。そして、MCを務められた、羽鳥さん、赤江さんの手際よい進行に、安心して話が出来たこと、心よりお礼申し上げます。有り難うございました。

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