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記:こうもり(母)
本年年初に届いた、化学物質過敏症支援センター発行の会報紙に、
http://www.cssc.jp/cs_news.html
とても興味深いEUの新しい化学物質政策について掲載されておりました。(以下)
出展:化学物質過敏症支援センター発行 会報紙「CS支援」第34号
CS支援vol.1 化学物質問題市民研究会 安間 武 氏のおはなし より
2003年に欧州連合(EU)で
REACH(Registration, Eval uation and Authorization of CHemicals:化学物質の登録、評価、認可)が提案され、長い間の審議を経て2006年末までに最終決定し、2007年に発効されると言われています。
REACHとはEUに於ける化学物質の規制案ですが、非常に高い理念に基づいている為に、世界中の化学物質政策に大きな影響を与える可能性があります。
【EUと日米のリスクと規制に対する相違点】
EUの提案:予防的な規制のスタイル
・リスク評価に多層的にアプローチ
・予防的要素が大きい
・リスクがないことを示すのは産業側
=No Data,No Market
データがなければ市場に出さない
アメリカ・日本:市場重視・産業寄りスタイル
・現状の規制に満足
・予防的要素が少ない
・リスクがあることを示すのは政府
=No Data,No Regulation
データがなければ規制しない
【EUの新たな化学物質規制の理由】
1.地球上のあらゆる場所と生物が化学物質で汚染されている事に気が付いたこと
2.それらの汚染によって人間の健康が脅かされている事に気が付いたこと
3.それらの汚染によって地球環境や生態系が破壊されている事に気が付いたこと
4.環境汚染を防止しなくてはならないという機運が高まり、環境汚染防止に関する国際条約が次々に 結ばれたこと
5.そしてEUの今の化学物質政策では人の健康と環境を守る事ができないこと
【REACHはどのような効果をもたらすか?】
REACHはEUが輸入する化学物質に対しても適用されるので、日本のメーカーがEUに輸出する場合には、その化学物質の安全性を確認しなくてはなりません。アメリカのメーカーも同じです。したがって、全世界で安全性が確認された製品が市場に出ることが期待されます。
〜以上 「CS支援」会報紙より抜粋〜
【関連ニュース】
欧州議会:化学物質の管理で新法可決(2006年12月14日毎日新聞)
欧州連合(EU)の欧州議会(フランス・ストラスブール)は13日、工業製品のメーカーと輸入業者に対して、約3万種類に上る化学物質の申告などを義務付ける法案を可決した。来年前半にも施行される。欧州委員会は「世界標準として域外各国にも立法化を推奨する」としている。
「リーチ法」と呼ばれ、EUのデータベースに登録した毒性や発がん性を持つ物質を含む製品の製造・輸入に関して、申告を義務付ける。欧州委は業者に代替物質の使用や有害性を減らす措置を命じることができる。
欧州委は約3年前に法案を上程したが、産業界や米政府から「コスト増につながる」「新たな貿易障壁だ」と強い反対の声が上がり、一部の環境保護団体も「危険管理が業者任せになりかねない」と批判していた。(共同)
上記ニュース中、3年前に上程された法案が、今回3年の審議を経てめでたく可決されたという事になります。
EU諸国では、電磁波の危険性から、
携帯電話の使用規制(特に子供への)を呼びかけたり、
工業生産品に使用するカドミウム・鉛・有機リンなどの有害物質規制など、
その人体・環境に対する高い理念に基づく規制で、世界のリーダーシップをとっています。
日本はそれに対して後手に回る為、
輸入規制されてから右往左往する印象が無きにしも非ずです。
これでは、結局、国益を大きく損なう事になります。
政策とは、政局でも短期的な利益でもなく、
高い理念と長期的展望に基づいた人類の利益を睨んだものでなくてはなりません。
それは産業界主導では不可能です。
EUの化学物質規制の姿勢には少なからず感動しました。
ここから新しい世界標準が出来て行く事でしょう。
日本とて、環境立国となれる位、
優秀な技術者・研究者は潜在的に沢山いると思います。
EUの後手に回ることなく、世界のリーダーシップを取れる位に、
長期的視野に立った賢い政策をとって頂きたいものだと思います。
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