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楽しいことが書けない映画です。 (だからって、この作品がよくない作品だというわけではありませんので、 誤解しないでくださいね) 渡辺謙さん主演で話題になった映画、先月でしたか、テレビ放映されたので、見ました。 若年性アルツハイマー性痴呆症を発症した男性の物語です。 ウリタはアルツハイマーではないのですが、頭の病気のこともあって、 公開当初から二人で見たいね、と話していました。 広告代理店の営業部門でバリバリ働く、仕事の出来る男性が主人公。 仕事は順調、一人娘はまもなく結婚、ついでにもうすぐ孫も生まれる予定、と 何ら問題のない毎日、のはずが・・・。 最初は少し頭が痛い?、忘れっぽい?なんて程度だったのが、 仕事のスケジュールを間違えたり、得意先への行き方を忘れたりのトラブルが 続出し、ついに病院へ。 若年性アルツハイマーの診断が確定しても、判断能力や認知力がゼロになるわけでは ないので、自分で何冊も本を読み、治る見込みはないことなどを認識せざるを得ない。 自分では変えることのできない将来を受け入れることの出来ない気持ちとの葛藤。 みているほうもキツイです。 少しずつ症状が進行。 娘の結婚式までは何とか、といって続けていた仕事も、ついに退職せざるを 得なくなりますが、本人はどうしてそうなったか、これからどうなるかを 良く分かっているんですね。その辺りが本当に怖いです。 代わって、男性の妻(樋口可奈子さん)が外へ働きに出るようになる。 初めはおどおどと仕事を始めた彼女は、次第に仕事をてきぱきとこなすようになり、 家を空ける時間が増えるようになる。 男性は、平静でいられない。 病気が進んでいく自分、妻の手を借りることが増えていく自分、物事を忘れまいと メモを取ることで、後からそのメモを見返して自分の忘れたことの量に驚く自分。 外での時間が増えていく妻、順調に仕事をこなしていく妻、ひょっとして妻は 外で自分以外の男性と親しくなっているのかもしれないという不安、 妻に見捨てられるのではないかという不安・・・。 渡辺謙さんと樋口加奈子さんの演技がまたリアルで、どちらの立場も、 近い将来自分の身に同じようなことが起きても全く不思議じゃないってことが 現実味を伴って感じられて、圧倒されました。 妻は最初、男性を施設へ預けることには反対していたのですが、 最後は男性が施設の中で生活しているような感じの映像で終わります。 結局、自宅では対応できなくなったのではないか(そのように映画では 断言してはいなかったのですが)、と思いました。 この映画は、実話でない以上、もう少し明るいものを見出すことのできる要素が 組み込まれても良かったのではないかと思えてならないほど、救いの要素に乏しい内容でした。 見終わっても、悲しいだけ。どうすれば主人公を救うことが出来るのか、 全く分かりませんでした。おそろしいです。 本当に、こわい映画でした。ウリタも同じようなことを言っていました。 それが現実なのでしょうが、ではどうすればいいのかは分からなかったです。 この映画を作った方にも、どうすればいいのかは分からなかったのではないでしょうか。 きっと、当事者になっても、分からないのではないかと思います。 すべきことが分からないまま、現実を受け入れなくてはならない方が 沢山存在する・・・気持ちが冷え冷えとしました。 人生には、時としてこんな冷え冷えする現実が待っているのかもしれません。 余談ですが、テーマ曲は、今年3月にオーボエ奏者を辞められた宮本文昭さんが演奏しています。
伸びやかで美しい音色でさえ、悲しく響いてしまう映画でした。 |

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