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イラク復興支援に関する日本の議論の問題

【小川和久氏(軍事・外交アナリスト)】

政府は12月8日の臨時閣議で、この14日に期限が切れるイラクへの自衛隊派遣を1年間再延長する基本計画の変更を決定しました。

そこで、2003年12月2日(火)行われた市民立憲フォーラムにおける小川和久氏の主張を論評抜きで、一部抜粋し、ご紹介したいと思います。

▽ 自衛隊の派遣が全てのごとく錯覚されている
 何故自衛隊という軍事組織を持って行くか?
秩序や治安が完全に崩壊してしまったイラクの国が立ち上がっていく過程で、民間主導の復興支援を行おうとすると、大変やりにくいし危険な部分もある、戦場でなくとも秩序がなければ危険であるから、できるだけ早く民間の復興支援を可能とする足場を作るということである。
軍事組織の派遣というのは、復興支援に不可欠な最初の10%を形成する、そういう考え方が必要だと思う。
 
 「暴力の連鎖」という言葉は、よく言われる。確かに、そういった側面も視野に入れていかねばならないし、ただ同時に、「暴力の連鎖」を絶つために、我々はどういう行動をとらねばならないかが問われるのである。
やはり、イラクにおいては、「暴力の連鎖」を絶つための民間主導による復興支援ができるようにするために、ギプスとしての自衛隊を派遣するという考え方がなければならない。

 呪文を唱えているだけでは平和はやってこない。座り込みをやっているだけでは平和はやってこない。デモをやっているだけでは平和はやってこない。
平和を実現するための行動が、しかるべき形で常にあるはずであろう。

▽ 軍事知識の欠如が議論を混乱させている
 「国際貢献への派遣は、本格的海外派兵への突破口となる」という指摘があるが、では「どうやって、海外派兵の突破口にするのか」と聞くと、「そんなことをするのではないか、考えているのではないか」という「感じ」の答えである。

 日本の軍事力は「戦力投射(パワー・プロジェクション)能力」が欠落している。
 戦力投射を定義すると「50万、100万の陸軍を渡海上陸させ、戦争目的を達成できるほどの構造を備えた陸海空の戦力」となる。日本には、そのかけらもない。
こういったことをみれば、日本独自の本格的海外派兵は無理である。日本での議論は、「航続距離が長い飛行機を持てば侵略になる」というもの。戦争ごっこのレベルにもならない。

▽ イラクの安定抜きにテロの根絶が可能かのごとく錯覚されている
自衛隊を派遣しなければ、日本国は安全なのか、世界中で活躍している日本人ビジネスマンの安全は保障されるのか、日本人観光客の安全は保障されるのか。そんなことはありえない。

 日本人が錯覚しているのは、何もしなければテロの標的にならないという思い込みである。たまたま、これからも標的にならないかもしれない。
しかし世界第2位の経済大国という理由だけでも、テロの標的となり得るのである。それを攻撃することは、テロリスト集団にとっては意味がある、世界的なインパクトがあるのである。

 そういったことを自覚して、日本は、自国の安全と繁栄のためにもテロ根絶を目指さなければならない立場にある。テロリストのあり方が全く変わっている。美学もモラルもない。
今は、ターゲットは何であれ、破壊できるものは破壊するのである。

世界平和の実現のため、日本の安全を視野に入れたテロ根絶にとっての不可避のプロセスであるということで取り組んでいくことが必要であろう。

※順序を変更したりしておりますので、文責は愚生にあるものと思います。
ご興味ある方は、下記サイトをご参照下さい
「市民立憲フォーラム」
http://www.citizens-i.org/kenpo/prem1.html

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