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年末恒例のTVドラマ「忠臣蔵」 時は、現在の日本と同じく(戦乱がないという意味)、天下泰平の世の中で、惰眠を貪っていた大石は、「昼行灯」と呼ばれていました。 ところが、大石は剣の達人であり、類まれな戦略家で、乱世に強い男であったということです。 「忠臣蔵」がなければ、大石はうだつの上がらぬ昼行灯として、一生を終えることにもなりますね。 そう考えると、己を殺しその才能を一切見せずに、世襲によって、筆頭家老の地位に就いていただけのことになります。 そういう意味では、大石は意志の強固な人間であります。決して、それを人には見せず、ただ心の中で、非常時の心構えのための研鑚を積んでいたことになります。 必殺仕事人の中村主水のように、会社(奉行所)ではダメ役人、自宅ではダメ亭主を演じていたことになります。 皆さんは、大石や主水のように振る舞うことが出来ますか? まあ、大石もそれだけの能力があるのなら、昼寝などしないで、浅野匠頭をもっと強い人間にどうして育てなかったのかなど、思ってしまいます。 水戸黄門は、最後に印籠を出すので面白いのであって、読売巨人軍終身名誉監督の長嶋さんは、選手当時、なんでもないゴロを、ファインプレーの如く見せ、ファンの喝采を得ていました。 そんなことを考えると、「忠臣蔵」の面白みがなくなってしまいますが、大石は乱世の男と言えるでしょう。 政治の世界でも、昔、「平時の羽田(羽田孜元総理)、乱世の小沢(小沢一郎民主党前代表代行)、大乱世の梶山(梶山靜六元自民党幹事長)」と。これは、金丸信自民党元幹事長の人物評です。 ★危機管理の第一人者である佐々淳行著「仕事の(実例)「危機管理」術」から、少々長いですが引用させて頂きます。 この乱世の雄か、冶世の能吏かというのは、非常にわかりやすい人物指標となる。 …雪印乳業の石川社長、三菱自動車工業の河添社長、自民党の加藤紘一さん、あるいは神奈川や新潟県警の本部長たち…みな冶世の能吏だと考えてみるといい(危機管理庁でも、平時が続けば冶世の能吏が台頭する)。(arasi注:以前、不祥事を起こした当時の本部長のこと) 彼らは、平時には十分以上に優秀なトップであり、派閥の長だったはずだ。ところが、いったん非常時、あるいは乱世に放り込まれると、とんといけない。 (略) このように見てくると、いまが冶世なのか乱世なのかということが、大きな意味を持ってくることに気づく。 私のようなタイプは、打ち続く乱世には血が騒いで仕方ないし、重用もされるが、それが鎮まると、とたんに疎まれて冷や飯食いとなる。 (略) 逆に冶世の能吏たちは、乱世には息をひそめ、冶世になるとどこからともなく現れてきて前に出、真ん中に集まり、上に昇っていき主導権を握る。 しかし、もちろん、この極端な二タイプがすべてではなく、後藤田正晴(元副総理)さんや的場(順三、初代内閣内政審議室長)さんのような“両刀使い”もいれば、自分自身どちらのタイプかわからない人もいてやっかいだ。 大石蔵之助は、世襲で筆頭家老という家来のトップとなり、名声を得て華々しく散ったわけですが、どうも乱世に力を発揮し、日本を国民を危機から救ってきた人々は、冷遇されているようで仕方がありません。 秋の叙勲で旭日大綬章と瑞宝大綬章の受章が決まったようですが、「東大安田講堂事件」「連合赤軍あさま山荘事件」などで、命を顧みず陣頭指揮をとられた、この佐々淳行さんのような方には、ぜひとも旭日大綬章を受章して頂きたいものです。 |
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