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著者は、元・日経アーキテクチュア編集長で、現在、日本建築学会の会誌「建築雑誌」の編集委員会の幹事(顧問)もされている方。
著者によれば、『風水とは「都市、建築、インテリア、墓所」を「気と感応」に基づいて鑑定する方法』であり、『「感応方程式」と「感応配当表」を組み合わせれば、この世のありとあらゆる感応に対して、吉であるか凶であるかの解答を提出できる』のだそうです。ちなみに、「感応とは互いに感じ合い、影響し合うこと」です。
風水は、紀元前21世紀頃につくられ、「形勢派」と「理気派」の2つに大きく分類されるそうです。前者は、都市、建築、墓所等を対象として、具体的な地勢や地形の解読に主眼を置き、後者は、個人住宅やインテリア、開運グッズ等を対象として、陰陽五行説等をベースに“羅盤”を用いて方位を読むことに主眼を置いているのだとか。著者によれば、初期には形勢派が主流だったものの、近世以降、都市化が進み自然が少なくなった為、理気派の出番が増してきたのだそうです。
本書は、主に理気派の風水を解説した本です。全10章の内、第2章から第8章までが、気や陰陽、五行、易、八卦、十干、十二支、九星等の説明に当てられています。これらの概念と方位の関係がポイントなのだとか。後半に行くに従い、難易度が上昇します。難解さの原因について著者は、「感応方程式の構成や感応配当表の割り当てにはかなりの無理がある」と指摘し、「風水大変身」と表現しています。
風水には、様々な概念を吸収・統合してきた長い歴史の中で、凡人には計り知れない、感性をバネにした論理の飛躍があるようです。どこまでが経験と観察に基づく理論で、どこからがファンタジーなのか分からないのです。しかし、4000年という時の試練に耐え抜いてきた、というのは間違いなく事実です。
様々な流派や説、ローカルルールも存在するようです。京都(平安京)は、風水理論に基づいて計画された都市だと言われています。「玄武(北)=船岡山、青龍(東)=鴨川、朱雀(南)=巨椋池、白虎(西)=山陰道」だと覚えていたのですが、これは訓海という僧侶の説だそうです。本書には、他に2つの説が挙げられています。
本書では、中国の風水易経鑑定士 ヨウ・ガクセイ氏に都内の5つの建物の鑑定を依頼しています。ヨウ氏は、北京オリンピックの都市計画の風水コンサルタントも務める方。氏によると、六本木ヒルズ森タワーと表参道ヒルズは、風水的にアウト。フジテレビ本社ビルは、風水的にセーフ。風水師は、環境・建物・人間のバランスを、時間を考慮に入れながら、「気」をベースに総合的に判断していくのだそうです。
本書の副題は、「科学と占術のあいだ」ですが、「風水は、科学なのか?占いなのか?」というのが、著者の一番の関心事なのだと思います。本書を読んで、「ことわざ」みたいなものという気もしましたし、科学と風水の関係は、なんとな〜くWindowsとLinuxの関係のような気もしました。って、違うか・・・?!
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