|
2002年5月から2004年9月まで、三井不動産株式会社(現・三井不動産レジデンシャル株式会社)の会員誌「こんにちは」に連載された内容に加筆・修正を加えた本。「座」、「間」、「風」、「水」、「火」、「談」、「飾」、「祀」、「色」、「心」の10の切り口から、日本的な空間や暮らしを考察しています。
本書に登場するキーワードとして、「履物を脱ぐ」、「床に座る」、「認識的な空間」、「変化」、「ウツ(虚空)」、「壁」、「見立て」、「縄文と弥生」、「飾」、「数寄」などが挙げられます。
タイトルは「茶室とインテリア」ですが、「茶室=日本的な空間」と見立てられているだけで、茶室について考察した本ではありません。本書の帯に「日本人は、なぜ靴を脱ぐ!?」というキャッチコピーがあるのですが、本書の内容とはズレている気がします。元々が会員誌の連載ということもあるのかもしれませんが、参考文献が一切示されていないのが残念です。
以下に、気になった部分を書き留めておこうと思います。
光をつくることは、いい闇をつくるということ
時代を超えて延々とつながっていく「家」のイメージが、日本の生活文化の中心軸にありますが、それをつないでいるのは、実は血ではなく火だったのです。(中略)竈はもの的であり、囲炉裏は空間的です。
モダニズムは、能率がテーマでした。ただし、その能率は、あくまで人間の身体にとっての能率です。(中略)精神の能率を考えるなら、色や形に対して、まったく別のアプローチがありうるはずです。
「見立て」とともに重要なノウハウに、「あわせ」あるいは「そろえ」がありますが、現代デザインはそろえ一辺倒になってしまいました。見立てによって、まったく違うものを組み合わせるという発想があまりに乏しいと思います。
日本の色彩感覚の歴史は、大きく三つに分かれるといわれます。飛鳥奈良時代の色彩感と、平安以降中世までの色彩感、そして江戸の色彩感というとらえ方ができます。
二十世紀の西洋文明は、何もかもを固定化しようとしてきました。(中略)茶の湯の根本テーマは変化でした。(中略)自然と人間というテーマとも深くかかわっています。
ものについて考えるとき、それが機能的であるかないかというより、愛せるか愛せないかということの方が重要です。(中略)誰もが自分の好みについて自信がもてなくなっているようです。
変化させないようにつくったのもほど、変化したときに汚くなるようです。
「和洋の境をまぎらかす」
|