全体表示

[ リスト ]

胚細胞性腫瘍

胚細胞性腫瘍
胚細胞性腫瘍とは生殖細胞 (精子、卵子など) のもとになる細胞 (原始生殖細胞) が腫瘍化 (悪性) したもので、多くは性腺 (精巣、卵巣) から発生します。ところが性腺以外からも発生するものもあり、これは胎生期(お母さんのお腹の中にいる胎児の時期)に原始生殖細胞が体の他の部位に迷い込んだところから発生すると考えられており、頭蓋内から尾骨付近まで、とくに体軸のまんなか、すなわち頭蓋内(頭の中)であれば松果体、下垂体付近、頭蓋外(頭の外)では縦隔(胸の中)、後腹膜(お腹の中の後ろの方),仙尾部(おしり)に好発します。ここでは脳に発生する頭蓋内胚細胞性腫瘍以外のものについて解説します。

分類
原始生殖細胞は体中のあらゆる細胞に分化(成熟)する能力 (多分化能) を持っています。そのため、それが腫瘍化した胚細胞性腫瘍の分化度・組織型(肉眼あるいは顕微鏡でみたときの見え方)は多彩であり、(1) 精巣に発生するセミノーマや頭蓋内のジャーミノーマなど生殖細胞のみから構成されるもの、(2) 生殖細胞以外の細胞で構成される絨毛がんや卵黄嚢がん、未熟奇形腫など、(3) 毛髪、軟骨などほぼ完全に分化した組織からなる成熟奇形腫、さらにこれらの成分が混在しているものもみられます。組織型により悪性度が異なり、(3) は最も良好な経過をとり、(1) と(2) は悪性腫瘍ですが抗癌剤に対する感受性が異なります。

症状
症状は発生部位によりさまざまです。縱隔や腹部の場合には腫瘍がある程度大きくなるまで症状が現れないことが多いようです。また、新生児にみられる仙尾部奇形腫では、胎児期の超音波検査などで出生前に見つかることがあります。

診断
診断は画像検査、腫瘍マーカーとしてアルファフェトプロテイン (AFP)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン (HCG) があります。AFPは卵黄嚢がんで、HCGは絨毛がんの成分がある場合に上昇します。

治療と予後
進展度、組織型により異なります。成熟奇形腫は切除のみで治癒することがほとんどです。セミノーマやジャーミノーマには化学療法と場合により放射線療法がおこなわれ、予後 (治り易さ) は比較的良好です。その他の胚細胞性腫瘍では、その進行度に応じて、手術治療や化学療法、放射線療法を組み合わせた治療を行います。発生部位による予後の違いも知られており、縱隔に発生するものは予後不良とされています。また、一般に腫瘍がもとの発生部位から離れたところに転移している場合は難治性で、強力な治療を行う必要があります。

治療の現状
悪性腫瘍の予後 (治り易さ) は5年後に生存している確率(5年生存率)で表されます。日本小児外科学会によると成熟奇形腫の5年生存率は95%以上で、悪性胚細胞性腫瘍の5年生存率は全体で85%と比較的良好です。しかし、発見時転移のある症例では59.1%といまだに不良であり、更なる改善が望まれます。

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事