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造血幹細胞移植 には3つの種類があります。 骨髄移植 、 末梢血幹細胞移植 、 臍帯血移植 です。(この3つの違いについては後述します) 一般的に知られているのは骨髄移植ですので、これについて説明します。その前にまず、骨髄とは何をしていることころでしょうか? それは、化学療法のところで書いた白血球、赤血球、血小板などいわゆる『血』を造っているところです。骨髄移植では、この血を造っている骨髄を他人(=ドナー)の骨髄におきかえます。しかし、何もせずドナーの骨髄だけを患者さまに入れても患者さまの体はドナーの骨髄を受け入れてくれません。(これを拒絶といいます) そこでまず、患者さまの骨髄を空っぽにする必要があります。この空っぽにするために化学療法や放射線治療が行われます。この骨髄を空っぽにする方法を『前処置』と呼びます。具体的な流れとしては、前処置として5~10日化学療法や放射線を照射をし、移植日にドナーから採取した骨髄を輸血と同じように点滴(静脈)から投与します。そうすると2~4週間後にはドナーの骨髄が『血』をつくって白血球、赤血球、血小板が回復します。移植後はさまざまな感染や、GVHDと呼ばれる合併症の可能性があるので血を作る力(=骨髄機能)が回復しても十分な注意が必要です。どういった薬剤、どれくらいの放射線をもちいた前処置が適切なのか、は病気の種類や患者さまの状態によって異なります。 それでは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植の違いについて説明します。骨髄では全ての血液細胞の源となる『造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)』あるいは単に『幹細胞』と呼ばれるものがあり、これが将来白血球、赤血球、血小板などに変化します。以前は、この『幹細胞』が骨髄にしかないと考えられていたのですが、白血球を増やす薬を使うことによって末梢血(いわいる普通の採血でとる血)にも出てくることや、臍帯血(出産の時の臍の緒からとる血)にも含まれていることがわかりました。ドナーの末梢血から幹細胞を採取し、それを患者さんに入れることを『末梢血幹細胞移植』、臍帯血を入れることを『臍帯血移植』と言います。つまり、どの幹細胞を利用するかによって名称が異なっています。一般的には、『末梢血幹細胞移植』は骨髄機能の回復がはやく、『臍帯血移植』はGVHDの可能性が低いなど、各々特徴がありますが、どの移植が最善であるかは患者さんによってまちまちですので、担当の医師にご確認ください。
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小児血液腫瘍
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臨床試験 とは何でしょう? 病気に対する新しい薬や診断などを行う際に、それが患者さんにとって安全であり有効であることが科学的に証明されなければなりません。このために多くの患者さんやご家族に協力していただいて、新しい薬や診断方法が安全であるかどうか、期待された有効性が示されるかどうかに対し、新しい薬、診断法を試験し情報を集めることを臨床試験と呼んでいます。(「薬」や「診断法」を試すのであって患者さんを「試す」のではありません) 新しい治療法であるため思わぬ副作用や残念ながら有効性が確認されないこともありますが、こうした情報を集め分析することで、より多くの方に有効な治療法がみつかったり、あるいは、オーダーメイドと呼ばれる一人一人の患者さんの体にあうような薬剤の投与量を調節する方法を見つけることができれば、より多くの患者さんによりよい治療を受けていただくことができるでしょう。 一方、患者さんおひとりおひとり異なった結果がでることもあるため、多くの患者さんに参加していただくことが必要です。多数の患者さんへの治療による影響を分析しさらに工夫することで、患者さんご自身に、あるいは将来の患者さんに、よりよい治療を提供することができることになります。現在行われている多くの薬や治療法・診断法は、これまでに行われた臨床試験に多くの患者さん方が協力してくださったことによって、作り上げられてきたと考えられます。 現在大阪大学小児科で行っている臨床研究は、白血病や悪性リンパ腫に対する多施設共同治療研究グループであるJPLSGやJACLS、横紋筋肉腫に対するJRSGなど全国で展開されているものの他に、阪大病院小児科では独自に2つのがんに対する新しい臨床研究を行っています。(阪大病院小児科でおこなっている主な臨床試験はこちらをご覧ください) WT1ペプチドを用いた小児がんに対する免疫療法の第I/II相臨床試験 小児がんに対する治療も近年、成績が向上しています。しかしそれでも治療に反応しない、または再発してしまう子どもさんもおられます。こうした化学療法、放射斜線治療に対し有効性がみられなかったこどもさんに免疫的な治療を期待した方法です。 大阪大学癌ワクチン講座と共同で行っています。WT1というのは多くのガンで発現しているがん抗原*とよばれるもので正常組織には発現していてもワクチンによる影響は見られません。このがん抗原に対する免疫力をつけて「がん」をやっつけてしまおう、という治療がWT1ペプチドを使った免疫療法です。ワクチンが有効とされる患者さんはリンパ球の型であるHLA(ヒト組織適合性抗原)のうちA2401をもち、腫瘍がWT1を発現している患者さんです。治療法は1週間に1回WTワクチンを皮下に注射します。お問い合わせはこちらへどうぞ。 *がん抗原:体の中に細菌やウィルスなどの異物が侵入してくると、体はこれらを「敵」と見なして排除しようとします。このように「敵」と見なされるようなもの、すなわち体の免疫系から認識されて排除しようとする反応を引き起こす因子を抗原といいます。通常がん細胞は異物ですから「敵」と見なされる構造を細胞表面にもっています。これをがん抗原と呼びます。 小児難治性固形腫瘍に対する同種造血幹細胞移植の安全性・有効性に関する第I/II相臨床試験
難治性固形腫瘍と呼ばれるものに横紋筋肉腫や神経芽細胞腫、脳腫瘍などがあります。こうした腫瘍に対しても、大量化学療法や放射線照射を組み合わせることで治療成績の向上には目覚しいものがあります。しかしそれでもなお、生命の危険にさらされているこどもたちがいるのも事実です。こうした子どもたちに親御さんやご兄弟の骨髄、骨髄バンクドナーさんの骨髄、あるいは臍帯血バンクの臍帯血を用いた移植を行うがん免疫療法です。大量化学療法や放射線照射など種々の強い治療に対し反応しなかった、ないしは再発してしまった子どもたちが対象です。治療はそれまでに使われなかった抗がん剤(ブスルファン、ハイカムチン、フルダラビンなど)を用いてできるだけ腫瘍を小さくし、適切なHLAを持った方から骨髄ないしは臍帯血をいただき移植します。その後、いただいた骨髄・臍帯血から正常なリンパ球がでてきて、がん抗原をもった腫瘍を認識し攻撃することで抗腫瘍効果を得る方法です。抗がん剤を使うので白血球が減少し感染が生じやすくなったり、貧血になり赤血球の輸血が必要であったり、血が止まりにくくて血小板の輸血が必要なこともありますが概して多くはありません。ただし以前の治療が強くて思わぬ副作用がでることもあり注意が必要です。より詳しい情報がお知りになりたい方はこちらまでどうぞ。 |


