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新国立劇場 2010年5月20日 19:00開演
エーリッヒ・ヴェヒター指揮 ドニ・クリエフ演出 東京交響楽団 新国立劇場合唱団
皇帝…ミヒャエル・バーバ
皇后…エミリー・マギー★
乳母…ジェーン・ヘンシェル
バラク…ラルフ・ルーカス★
バラクの妻…ステファニー・フリーデ★★
霊界の使者…平野和
宮殿の門衛…平井香織
鷹の声…大隅智佳子
アバウトな演奏時間
第1幕 5:00〜6:10pm
休憩25分
第2幕 6:35〜7:40pm
休憩25分
第3幕 8:05〜9:05pm
☆第1幕とバラクの家の基本配置
五つのパーツに別れた家の平面図のようなものが立っている。手前床にはその影であるかのような形の、厚みのある白い台がある。家の出入り口と窓の穴と同じ位置に穴が空いている。床の穴は、真っ黒であったり、そこだけ光が漏れていたりする。この白い床はずっとこのままで動かない。5つの家は、バラバラに動く。
バラクと妻などが家の中にいる場面では、5つあるうちの一番左のパーツが、裏側を見せて、真ん中に入り込む。つまり左から2番目と3番目のパーツは左へずれる。ちなみに、裏側は、右上のようになっている。基本的には中央の一個だけ裏を向く。一度だけ、全面裏返しになったときもある。
後ろに、縦長の壁が8枚立っている。この壁は、最上部が崖のように不定形をしており、間から細かい光が漏れるように壁面は穴だらけ。五つの家も八つの壁も、黒子が押して動かす。それもちょくちょく場面転換のたびに大げさに動き回る。
手前にプロンプターボックスがある。バラクの兄弟など大勢で出ているときに、時々、指揮者のように白い手がでて、表紙を取ったり指さしたりするのがはっきり見える。
☆主に第2〜3幕での影の出方と、カイコバートの力が出るときの塀。
家の裏側も、塀の裏側も、支えがあって、いかにも大道具さんが作りました仕様。リングの時のように、舞台機構を使ったり、もうちょっとカッコつけたセットにしても良さそうなものなのに、簡素で、しかも人力で動かす。
人間の世界ではないときは、家は後退し、壁面が前面に出てくる。左側に緑の木も降りてくる。第三幕で、それまで真っ直ぐ列んでいただけの塀が、裏側を外に向けて丸くなり、八角形になり、中から光が漏れるところが非常に神秘的に映った。
歌手では、今までの公演でもそうであったように「バラクの妻」が最も立派な声をしていた。以前はギネス・ジョーンズとジャニス・マーティンという大歌手。それに劣らずステファニー・フリーデも最高だった。少なくとも二月ジークフリートの時の、ブリュンヒルデよりも、ずっと良いと思う。
皇后のエミリー・マギーもなかなかのものだった。ただし第三幕の後半になると、力不足が露呈してきた。これはおそらく指揮とオケにも言えると思うが、第二幕第4場〜第三幕前半はとても素晴らしいと思ったが、最後までその出来は持続しなかった。
字幕が非常に簡素な日本語なので、対訳などよりもわかりやすく、三回目なのに、いまさら、こんなお話だったっけ?とビックリするところがあった。今年の中では、『神々の黄昏』に次ぐ感銘を与えられた。やっぱり『影のない女』って、ほんとうにいいですね。
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初めて訪問させていただきます。
記事を興味深く読ませていただきました。
私も新国立劇場でR.シュトラウスの「影のない女」を鑑賞してきました。私も初めての作品でしたが、音楽の構成力も含めて魅力ある作品に感じました。ワーグナーの「神々の黄昏」に次ぐ・・というご感想は共感いたします。
私の感想などをブログに書きましたので是非読んでみてください。
よろしかったらブログの中に書き込みして下さい。
2010/6/2(水) 午後 3:37 [ dezire ]
dezireさん、ありがとうございます。
ブログ拝見しました。美術にもお詳しいのですね。
どちらかというと、マネ展の方が興味がありまして、行きたいなーと思っております。
この『影のない女』公演、日によって出来が違うのでしょうか、けっこう意見にバラツキがありますよね。
2010/6/3(木) 午後 8:43
お久しぶりです。拙ブログへのコメント、ありがとうございました。
拙者はさほどこの作品を聴きこんでいるわけでなく、来日公演のジャニス・マーティンの歌唱もDVDで知るのみですが、強靭な歌唱の中にもふと愛らしさを感じさせるところがあったように思います。ステファニー・フリーデのバラクの妻は、同じ日に聴いていた職場の同僚は良かったと言っており、評価が分かれる歌唱だったかもしれません。いつもながらの舞台スケッチ、面白く拝見しました。
2010/6/6(日) 午後 8:28 [ dsch1963 ]
dsch1963さん、ありがとうございます。
皇后と違って、バラクの妻は、力業だけでも納得させられてしまうところがあるのかもしれません。
皇后は、それほど悪いわけではないのだけれど、過去の演奏とかCDとかと比べると欠点が目立ちやすいのでしょう。残念ながら、実演は見ましたが、来日公演のDVDは見ていないので比べられません。
『影のない女』は、なぜだか好きなので、次のゲルギエフも見たいと思っています。
2010/6/6(日) 午後 11:38