アート サモトラケのニケ

9月3日から8日まで、春日部中央公民館で絵画展中。

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 1950年頃のカラヤン&ウィーン・フィルは、熱くとても速い、疾風怒濤の演奏が多い。といっても聴いているのは、『フィガロの結婚』『魔笛』、交響曲40・41番くらいだけれど。したがって、『フィガロの結婚』序曲も、すごく速い。こんなに速いのは、他に知らない。

 などと書いていたら、昨年聴いたスイトナー盤の方が速さだけで言ったら、速いことに気づいた。ただあれは、手放しで名盤とは言い切れない出来なので却下。その後のカラヤンは、もちろん大家の風格、なんだかんだ言っても、フルトヴェングラー、ベームの演奏に、やっぱり近い正統派になっていったように思います。(ワルターはまた別格)

 そこでこのカラヤンの最録音。デッカでの最後の録音になったようですが、後のショルティ盤のような録音の良さは特に感じません。デッカは有名な1955年のクライバー盤、3年後の58年のラインスドルフ盤(どちらもウィーンフィル)以降20年間、『フィガロの結婚』から遠ざかっており、1978年になって久々にカラヤン盤をレコーディングしたと思ったら、またまた、たったの3年後、81年にショルティもレコーディングするという計画性のないことをしている。

 全曲盤LPも、それからCDに焼いたのも持ってはいるのだが、今回聴いたのはハイライトCD盤である。全曲を聴くと、旧盤やベーム盤と違って、一部テンポのしっくりしない部分も感じることがあった。しかしハイライト盤で聴くと、もちろん一部歌唱に不足はあるが、これは完全に名盤である。


 それでこの再録音、とてもこの時期のカラヤンとは思えない、1950年に戻ったかのような熱い序曲で始まる。交響曲の演奏などとは大違いの、規範とすべきすばらしい演奏だと思う。ベームの演奏も素晴らしいのだが、冷静すぎて熱気が足りないようなところがある。

 そして驚くべきは、終始カラヤン30年前の名盤とほとんどかわらない熱気と緩急混ざったスピードで最後まで押し通していることだ。晩年のヴェルディに顕著に表れる、重厚で堂々たるカラヤンのオペラ録音とは違っている。

 歌手は、当然ながら、以前の歌手に比べれば小粒である。全体の演奏も旧盤に近いが、特にアルマヴィーヴァ伯爵夫人、ロジーナを歌うアンナ・トモワ=シントウが、シュワルツコップの若き頃の歌唱に非常に似ている。

 アンナ・トモワ=シントウは、カラヤン、ベームの両巨匠で歌っているドンナ・アンナが素晴らしいが、他は特に思い当たらない歌手だ。アラベラやバラの騎士、カプリッチョなどのR・シュトラウスをよく歌っているような気がするけど。重唱やレシタティーヴォでは、気品が足りないような気がするが、2つのアリアはシュワルツコップが録音し直したみたいだから、イイのである。

 ここでいうシュワルツコップの歌唱とは、カラヤン1950年、オペラアリア集1952年、フルトヴェングラー1954年ライブでの彼女の歌唱のことです。もちろんカラヤンの指示だろうけれど、それに似ているだけでもスゴイこと。
ヤノヴィッツには、もちろんかなわないけど。




『フィガロの結婚』 カラヤン ウィーン1978Decca
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団

フィガロ:ヨセ・ヴァン・ダム
スザンナ:イレアナ・コトルバス
アルマヴィーヴァ伯爵:トム・クラウゼ
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:アンナ・トモワ=シントウ
ケルビーノ:フレデリカ・フォン・シュターデ

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