アート サモトラケのニケ

9月3日から8日まで、春日部中央公民館で絵画展中。

フィガロの結婚

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モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』 〜庭師は見た!〜 新演出
(全4幕・字幕付 原語&一部日本語上演)
東京芸術劇場コンサートホール 2015年10月22日、24日、25日
【指揮・総監督】井上道義  読売日本交響楽団 新国立劇場合唱団 
【演出】野田秀樹


 『フィガロの結婚』は、他のオペラに比べて、日本人キャストでも(歌は)見劣りしない傾向があるように思う。オケだって、ウィーンフィルなんかと比べなければ、美しく心に響く演奏をする。(こともあるような気がしないでもない)

 私は、一部のオペラを除いて、原語でなければ受け付けないというわけではない。特に『フィガロの結婚』においては、日本のアマチュアオケであろうと、外来引っ越し公演であろうと感動することにおいて差はほとんどないと感じている。二回ほど日本語のみの公演も聴いたが、それはとても良かった。レコードでも何組かあるし、ザルツブルグ音楽祭その他の、ドイツ語公演もすばらしいと思う。(実のところ、英語だとダメだと思うが)

 『フィガロの結婚』ぐらいになると、原語でもおおよその意味はわかるし、日本語で歌われても、日本語だということは半分ぐらいわかるが、意味は素直に入ってこない。音楽に無理に合わせるために、映画の字幕みたいに、不自然な言葉になっている。ドイツ語と同じようなもので、いつも聴いているのと音が違って新鮮味は感じる。

 このような超名曲の場合、舞台は見たって見なくったって、演奏だけでも感動する。ほとんど日本人だと、体型が子供っぽくて変だったり、ようするに舞台がうっとおしくて見ていられない可能性もある。かつて小林秀雄が、オペラを見に行ったって、俺は目をつぶってる、なんて書いていた。だからレコードの名演で十分なんだと、言いたかったのだろう。

 あらすじも音楽も分かっていない初心者や、普通の舞台に飽き飽きした何十回も見ている人には、あるいは興味深いのかもしれない。このように予防線を張っておかなければ、演奏はともかく、演出やルックスにガッカリすることが多い。モーツァルトの音楽を台無しにしていないだろうか。(他意はないが、宮本亜門もやってるしな)と、見る前には心配していたのだ。

 結果的に、最初に出た男声ケルビーノ。カウンターテナーのマルテン・エンゲルチェズのケルビーノは、男性的見かけはともかく、声としては興味深いお試しだ。伯爵夫人は、NHKのマッサンに出てた、シャーロット・ケイト・フォックスばっかり連想して見ていた。ほめているのだ。

 東京芸術劇場でのオペラ経験はとても良かった印象しかない。この劇場は比較的狭いので声がよく聞こえるし、舞台に近い席で聴くことができた。井上道義指揮の「トゥーランドット」とチョン・ミュン・フン指揮の「リゴレット第1幕」リハーサルである。レコードで聴くのとはまったく違う充実感。

 今回の、井上道義指揮のゆったりとしたテンポも、読売日本交響楽団 、新国立劇場合唱団もよかった。だからこの公演、生で体験した人は、感動に包まれたんじゃないかな。
「めでたし」


 おっと、スザ女は、バカ殿の優香姫そっくり。

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アルマヴィーヴァ伯爵:ナターレ・デ・カロリス
伯爵夫人:テオドラ・ゲオルギュー
スザ女(スザンナ):小林沙羅
フィガ郎(フィガロ):大山大輔
ケルビーノ:マルテン・エンゲルチェズ
マルチェ里奈(マルチェリーナ):森山京子
バルト郎(ドン・バルトロ):妻屋秀和
走り男(バジリオ):牧川修一
狂っちゃ男(クルツィオ):三浦大喜
バルバ里奈(バルバリーナ):コロン・えりか
庭師アントニ男(アントニオ):廣川三憲


 黒船時代の長崎が舞台。今回は野田秀樹による大幅な読み替え演出のようだ。心配だ。特に、最初に野田と井上が出て言う。ケルビーノが女なのは変だと思っていた。ということは、男声でやるんだな、きっと。

 まず名前からして日本風に変えてある。アントニ男の語りで始るが、「フィガ郎」「スザ女」と表記してあるのを、セリフ部ではちゃんと「フィガろう」「スザおんな」と発音している。マルチェ里奈、バルト郎、アントニ男、走り男と、もう、ふざけている。画面に字幕で出てくると、最初は吹き出してしまう。

 歌唱は日本語と原語の折衷であるが、かなり入り組んでいる。一応、伯爵と夫人の外人歌手は原語。アリアも原語。レチタティーヴォを兼ねるアントニ男の語り部分や重唱やフィナーレなどは日本語が多い。

 第三幕の五重唱を例にとる。まずフィガ郎、マルチェ里奈とバルト郎が日本語で歌っていると、スザ女が原語で入ってくる。事態に驚いたスザ女は、日本語で重唱に加わる。アルマヴィーヴァ伯爵はずっと原語であるが「パードレ」というところを一回だけ「父だ」と言って、一部の気づいた人だけ笑った。(一幕で、あんたはいいのですよ。むりに日本語でなくても、という突っ込みも入れていた)最後は、全員原語に戻ってしめくくる。めちゃくちゃだ。不思議なことであるが、なんだか、楽しくなってきた。

 場面転換では、戦国時代の陣立てみたいに四人の槍持ちが、槍を交差させて前を塞いだりする。感動的な第二幕のフィナーレ後すぐに、舞台後ろから前に走り出てきた男がいる。なんて空気を読まんやつだ。巻いていた紙を広げて客席に見せる。裁判が結審したときに「勝訴!」なんて飛び出してくるやつだ。

 そこに書いてあったのは、「休憩」そして、槍を交差。
だから「つづく」のである。

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 演出はジョナサン・ミラー。たしかアバドがウィーン国立歌劇場で公演したときの演出家で、舞台装置は違うけれども、演出は似ているようだ。写実的な舞台装置であるために、実際に舞台で見るとそうでもないのだろうが、映像で見るとやや薄暗く汚れているように感じる。宮廷の使用人部屋であるから、みすぼらしいのも当然であるが、最近のザルツブルグなどの舞台装置と比べると貧相な感じがするのはいなめない。

 歌手もまた、どうしようもなく非力である。これがウィーンやザルツブルグとフィレンツェの格差なのだろうか。舞台装置だけではなく、歌手の見た目も平均年齢が高い。端役はそうでもないのだが、主役がいけない。バルトロやマルチェリーナはなかなかいいと思う。見かけがふさわしいのは、ケルビーノのマリーナ・コンパラートと伯爵夫人のエテーリ・クヴァザーヴァ。この二人はぴったりだ。これはめったにないことだ。クヴァザーヴァは、メータ指揮のライブ中継の「椿姫」で歌っていたが、今回はおとなしい。

 カラヤン盤に始った、第3幕の伯爵婦人アリアと六重唱の入れ替えがおこなわれているのと、第4幕マルチェリーナとバジリオのアリアがカットされている。残念なことであるが、実演ではこれが普通だろう。伯爵のルーチョ・ガッロは、おなじみだ。だが、10年前のスタジオ録音の方がよかった。立派な歌唱に驚いたのは、フィガロのジョルジョ・スーリアン。メータの指揮と相まって、第1幕の最後がこんなに気分が高揚したのは初めてだ。


ズービン・メータ指揮 ジョナサン・ミラー演出 フィレンツェ 2003年10月

伯爵:ルーチョ・ガッロ★
伯爵夫人:エテーリ・クヴァザーヴァ★
フィガロ:ジョルジョ・スーリアン★★
スザンナ:パトリツィア・チョーフィー
ケルビーノ:マリーナ・コンパラート★


 メータの演奏は、とても素晴らしい。スイトナーの演奏に似ていて、とりたてて何の変哲もなく、ごく普通に始るのだが、どういうわけか徐々に盛り上がって、フィナーレが終わると、感動に包まれる。ゆったり、繊細で、かゆいところに手が届く。食い足りないところはない。ベームの演奏に近い。かつてのワルター。フルトヴェングラー、クライバー、ベーム、カラヤン、スイトナー、クレンペラーなどの名演奏の後のものでは、もっとも優れた演奏ではないかと思う。つまり、アバドやムーティ、バレンボイム、レヴァインやアーノンクールの演奏よりもずっと良いということだ。

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☆このザルツブルグの魔笛はとてもよかったレヴァイン。


ジェームズ・レヴァイン指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団1990年

フィガロ:フェルッチョ・フルラネット
スザンナ:ドーン・アップショウ★★
伯爵夫人:キリ・テ・カナワ
アルマヴィーヴァ伯爵:トーマス・ハンプソン
ケルビーノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
バルトロ:ポール・プリシュカ★
マルチェリーナ:タチアナ・トロヤノス★

 もはやなかなか新しいレコードが手に入らない『フィガロの結婚』です。今回もハイライト版です。レヴァインはともかく、歌手が揃っているので聴いてみたいと思っていました。レシタティーヴォで使われるのがチェンバロではなくて、ピアノフォルテ(らしい)。ワルターかフルトヴェングラーの時代じゃあるまいし、と文句を言うほど悪くはないが、慣れるまで違和感は感じます。

 レヴァインの指揮が予想以上に気持ちいい。得意の「魔笛」の演奏を聴いているかのようだ。いつものように余計なクセや感情移入はないので、ショルティとベームの中間ぐらいのコクのある演奏だと思う。第4幕フィナーレも悪くない。

 ハイライト版でいうのも何だが、歌手の方は期待はずれだ。録音のせいかもしれない。アリアなどの歌声に、全般的に魅力を感じない。映像で見たことのあるキリ・テ・カナワは、映像はともかく、CDではショルティ盤など、そんなに悪くないはずだったが、なんだかあまりよくない。くぐもったような音質だ。フェルッチョ・フルラネット、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターも、どこといって悪くないのに、ぱっとしない。なんだか若さに欠ける。

 トーマス・ハンプソンはアルマヴィーヴァ伯爵にうってつけだと思っていたが、アリアに力強さがたりない。こんなはずじゃないと思うので、他に歌っているの期待したい。バルトロのポール・プリシュカは、とても重くて不足はない。マルチェリーナのタチアナ・トロヤノスは、残念ながらアリアが載っていないけれど、重唱で聴く限り全曲盤では最高かもしれない。

 この点、スザンナのドーン・アップショウも全体的には似たようなものだ。ハイティンク指揮のザルツブルグ公演で、とても魅力的なスザンナの映像を何度も見たので、スザンナにピッタリかと思っていたら、CDだとそうでもない。グリストやバトルに近い、要するにデスピーナみたいな声だ。ところがどっこい、第4幕アリアがすばらしい。このアリアは全曲中の要ですが、限界と思えるぐらい遅く丁寧に歌っています。テンポはおそらくレヴァインの指示なのでしょう。遅くてついて行けないという人もいるかと思いますが、私は感動しました。そしてアリアの最後で、他のどのレコードでも聴いたことのない高い声を出します。

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 第3幕 結婚式のために飾られた大広間
 左が広めの社長室、右がオフィス。右側のガラスブース越しに書棚が見える。バルバリーナは、オフィスの受付嬢だった。

 伯爵のアリアを歌っている途中で、椅子を並べる数人が入ってきて作業。ただし歌っている方は、歌に専念しているのでいい。その次の伯爵夫人のアリアでは、その裁判所風にセッティングされた椅子にフィガロ、スザンナ他数人座り、伯爵は裁判長のように立っている。その人たちだけ時間が止まっているように静止している中、伯爵夫人はアリアを歌う。ドタバタしてなくていい。

 モウバリーとレイバーン説による、夫人のアリア位置前倒しをおこなっている。したがって伯爵夫人が歌ってから、六重唱。バルバリーナにピンを渡した後、伯爵は嫌がる彼女を思いきり抱きしめる、というか体に触りまくる。ここで第4幕に入る。

 第4幕 左右に一個ずつ小屋のある庭 
変な説明だが、小屋があるだけの舞台なので、今までと違って違和感がない。あのオフィス設定とは、何の関連があるのだろう。

 マルチェリーナは、英会話のマーシャ・クラッカワ先生に似ている。マルチェリーナとバジリオのアリアはカット。まあ、前半後半ともに、スザンナのアリア〜フィナーレ部分がいいので、途中はなくてもかまわない。第4幕のスザンナのアリアがたっぷりとした見事な歌唱。最後の部分をこんなに伸ばすとは。

 最後の疑問。婦人と衣装を入れ替えたスザンナであるが、お腹を膨らませるためにクッションを入れている。途中でそれをスカートの下から出し、フィガロをたたいて、伯爵に見つかりそうになるとまたお腹に戻す。てことは、婦人のお腹のふくらみは、本物ではなくて、演出なのか?

 さらに、今までブラをしても小さめの胸だったスザンナが、夫人衣装の時はノーブラでひときわ小さい胸になっている。(夫人の胸は立派なのに)お腹は大きく、胸は小さく。意味がわからん。

 昨今の、見た目のそれほど良くない歌手の映像が多い中、外見上の不満は非常に少ない。みんな見苦しくない、その役にふさわしい容貌に感じる。どっちかって言うと、フィガロとスザンナが見劣りするが、そんなに悪くない。なんだかんだ言いながらも、それなりに楽しく終わるのであった。

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