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前回、「王様の耳はロバの耳」と題して、フリュギア王国のミダス王のお話をしました。今回は、同じくフリュギア王国の国王のゴルディオス王についてお話したいと思います。 ミダス王は、フリュギア王国の最盛期の国王であると紹介しましたが、ゴルディオス王はというと創業期の国王になります。そして、ミダス王の父親にあたる人ですね。ミダス王は、ゴルディオス王とキュベレの間に生まれたことになっています。キュベレというのは、人間ではなく、実は女神様なんですね。フリュギア王国のあったアナトリアやローマなどで広く信仰されたされた古代の地母神です。ゴルディオス王は、神様の夫なわけですから、もう半分は神様的な扱いなわけですね。その間に生まれたミダス王も半神半人の伝説的な人物と言うことになります。現実には、そんなことはありえないので、本当の母親はいると思いますが、古代の王様は出自に箔をつけるために、そういう伝説を創作することがあるんですね。 それでは、ゴルディオス王がどういう人物であったかというと、実はよく分かっていません。しかし、その名を世に知らしめることになった「ゴルディオスの結び目」というお話があります。 マケドニアのアレクサンドロス大王は、東方遠征の途中でフリュギアを征服し、その首都ゴルディオンに入り、潅木の硬い皮で縛った車が祀られているのを目にしました。それは、この地の王であったゴルディオス王が縛ったものであり、王が結んだその結び目は非常に難解で、誰も解くことが出来ませんでした。そして、いつしか「この結び目を解いた者が全世界の王になる運命が定められている」という伝説が生まれました。アレクサンドロス大王は、その伝説の噂を聞き、車の前に行きました。そして、その結び目を一瞥するやいなや、いきなり鞘から剣を抜き放ち、結び目を一刀両断してしまいました。 快刀乱麻という言葉にぴったりな、なんともすっきりとした逸話ですね。しかし、アレクサンドロス大王は、結び目を解こうとし失敗し、怒って結び目をぶった切ったという話もあるようです。いずれにしろ、アレクサンドロス大王の「伝説に頼らなくても自力で世界を征服してみせる」という意気込みを表したものであると思います。実際、アレクサンドロス大王は、ギリシャ、エジプト、ペルシャ、インドにまでまたがる大帝国を建設しましたね。残念ながら、若くして病死し、その事業は頓挫してしまいましたが… それにしても、結び目を切られた当のゴルディオス王は、どういう気持ちだったでしょうね?アレクサンドロス大王のおかげで、今でもその名が語り継がれているとも言えるので、案外、喜んでいるのかもしれませんね。
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昔幼少の頃…“知恵の輪”が出来なくて無理矢理力任せに壊した事があるけど…以外と短気なまるこです!!…これって似た話?
2006/4/1(土) 午前 0:50
まるこさん、コメントありがとうございます。アレクサンドロス大王も案外、短気をおこして結び目を斬ってしまったのかもしれませんね。でも、「結び目を解いて世界の王になりました、めでたしめでたし」という結末より、こちらのほうがアレクサンドロス大王らしくて良いのではないかという気がします。
2006/4/6(木) 午前 0:31 [ ユウ ]